MOCHIZUKI Hajime Labolatory
Computational Linguistics
Institute of Global Studies, Tokyo University of Foreign Studies

home > 研究室関連 > ゼミ紹介

This page was last updated Sep. 26, 2023.

ゼミ紹介


ゼミへの配属を希望,検討しているみなさんへ

計算言語学ゼミを希望する2年生(興味があって考えている人も)は,卒業論文・卒業研究の指導教員希望届(仮希望登録でなく,本登録)を提出する前に,必ず望月にコンタクトをとって,個別面談を受けて下さい.個別面談をせずに希望を出しても受け付けていません.

3年生 (計算言語学演習)

3年生はだいたい以下の内容で進めていきます

  • 春学期

    基本的な知識としてプログラミングができるように演習を行ないます. 計算言語学の関連領域は広いので,おおまかにどのような話があるのか説明する講義を行ないます. 関連学会の研究発表リストを見て自分の興味のある分野がどのようなものか検討します. 自分の興味ある分野に関係する簡単な調査や関係するプログラミングなどを行ないます(夏の宿題).

  • 夏学期中

    8月,9月にプログラミングの補習を行います.(自主ゼミ的位置付けなので,出席は自由です)

  • 秋学期

    ゼミ生の興味と世の中の研究動向から好ましい文献を選択し,担当を決めて御互いに紹介をします. 卒論のテーマを決めるための関連論文を読んで紹介します. テーマ決めの進捗次第では研究を開始する人もいます.


4年生 (計算言語学卒論演習)

4年生はだいたい以下のように進めます
*原則として全員研究を行い結果を「卒業論文」としてまとめ,執筆してもらいます

  • 春学期

    3年次から検討していた内容を煮詰めて,遅くとも5月までに研究テーマを具体的に決めます. 2週間〜3週間に1度のペースで研究内容の進捗状況を報告してもらいます. ゼミは全員参加で,自分の報告でない週には他の人の発表を聞いて御互いにコメントを出しあいます.

  • 夏学期中

    8月,9月に1回ずつ,進捗状況の報告をするゼミを行ないます.

  • 秋学期

    2週間に1度の割合で研究の進捗状況を報告してもらいます. 論文提出は1月上旬なので,12月中に論文を完成させるように研究を進めます.

  • その他

    研究内容によって,外部発表にも挑戦します.


研究テーマについて

コンピュータ上でのプログラミングを含んだ内容を卒論テーマに選ぶことを原則としています.内容は各自いろいろなので以下の例を参考にしてください.

  • システム開発系

    言語の関連する分野で,人に役立つコンピュータシステムを開発することをテーマとします. 例えば,「何らかの語学教育支援システム」(教育工学,語学学習支援の分野), 「テキストに書かれている企業動向や人物情報,製品情報などの情報を自動的に抽出して一覧するシステム」(自然言語処理の Information Extractionという分野),Webやブログなどのテキスト中にある人々の感情や, 物や人に対する評価,意見などを取り出すシステム」(自然言語処理のSentiment Analysisなどと言われる分野)などなど

    *直接システムを開発するだけでなく,システムを作る上で必要な分析やデータの整備なども範囲とします.分析では,できる限り情報処理技術や 言語処理技術を利用して,大規模に行なうことを基本とします.

  • 言語処理への応用を目的とした言語分析

    「それを分析すると何の役に立つのか?」 「どんなシステムに利用できるのか?」をキーワードに 具体的な言語処理に役に立つ(と信じられる)分析を行ないます. あるシステムを作る上で,まだ調べが足りず,詳しく調べる必要があると思われる言語現象などを, コーパスなどの言語資源を用いて分析をします.

  • 自然言語処理分野における基礎的な研究

    形態素解析,構文解析,意味解析,文脈解析など,「基礎」に関わるテーマを扱います.

    単語の意味を決定する「語義曖昧性解消」, 訳語の語を選ぶ「語彙選択」,対訳辞書を自動的に作成する研究, 省略や照応の関係を計算する研究, テキスト中のつながりを捉える「結束性,首尾一貫性」に関する研究などが挙げられます.

  • 大規模テレビ字幕コーパスを用いた様々な研究

    本研究室では,大規模テレビ字幕コーパスを独自に構築しています.この言語データを用いることで様々な研究が行えることから,資源として字幕データを用いることを念頭においた研究テーマも受け付けています.

研究テーマの決定について

研究テーマの決定は原則3年次の間に「自分で決める」ものとしています.逆に言うと,やりたいことが決まらない人はこの研究分野に向かない可能性が高いので,2年次の研究室選びの際には将来的に自分でやりたいテーマが見つかりそうか,ということも考えて希望届けを出してください.

  • 「自分で決める」人(原則こちら)

    自分が何をやりたいのか,3年生の間にはっきりさせ希望を伝える,発表する,ということ重視します.実際のテーマはできる限り希望を生かす方向で話し合います

  • 「提案されたテーマの種から始めて決める」人

    どうしてもテーマが決まらない場合には,いくつかテーマになりそうな種を示すこともあります.そこを終発点として興味がもてる内容を探し,最後は各自が納得した内容でテーマを決定します.

これまで扱った主な研究テーマ

  • 「画像認識とARを使用した漢字学習支援アプリケーションの開発」
  • 「LINEを使ったごみ分別支援システムの構築」
  • 「スペイン語の受身を表す能動文のトレーニングアプリケーション開発」
  • 「テレビ字幕データを用いた感情分析による『ある日の日本の気分』推定に関する研究」
  • 「日本語テレビ字幕データコーパスを用いた初級日本語学習用例文抽出に関する研究」
  • 「スタイルの違いに注目した脚本から小説への変換に関する一考察」
  • 「分散表現を用いた抽象概念に対する連想概念の分析」
  • 「Twitter投稿の機械学習による日本酒香味特性分類システム構築」
  • 「Can-do型日本語学習用資源としてのアニメーション字幕の分析」
  • 「テレビ字幕データからみる日本におけるミャンマー像の変化」
  • 「旅番組の字幕データからみる日本人の抱くイタリア像の分析と考察」
  • 「日本語歌謡曲のオノマトペに関する調査」
  • 「マレー語4行詩パントンの分析と作成支援システム」
  • 「スペイン語による生活関連メッセージの自動生成システム」

    日本語しか話さない者が,比較的簡単な操作で生活に密着したメッセージを他の言語(スペイン語)によって 作成可能にするシステムの実現方法を検討し,プロトタイプシステムを作成した.

  • 「ハングルへの自動音素情報付与に関する研究」
  • 「インターネットにおける日本語慣用表現を中心とした誤用の調査」

    「引導を渡す」を「印籠を渡す」,「火蓋を切る」を「火蓋を落す」 など,なぜ誤用は起るのか,どんな特徴があるのか, また,実際どのくらい誤用があるのか,そのようなことを調べ,分類,分析をした.

  • 「日本語流行歌における外来語の研究」

    日本語流行歌の歌詞を手がかりにして,日本語における外来語の役割を, その量と使われ方の変化から明らかにすることを目的に調査分析した.

*これらのテーマでは学生が私と一緒に外部発表を行ないました.