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|| ゼミ紹介 ||
言語・情報コース 専修専門科目 - ヨーロッパ言語研究T−英語音声学・音韻論 (演習) -
このゼミでは、将来卒論を書くことを想定して英語の音声を実際に聞き取り分析する訓練を中心に据えている。子音や母音を細かい部分までしっかり聞き取り、あるいはイントネーションの種類やそれが伝えようとする意味を聞き取って説明をつける練習もする。各種方言に触れることもある。このような作業を通じてそれまであまり意識していなかった言語現象に目が向き、あわよくば卒論の題材も見つかれば、と考えている。今まで書かれた卒論のテーマは、「米語の/t/の発音」、「日本人学習者の発音を英米人はどのように評価するか」などのほか、方言の記述・分析に興味を持つ学生もいてカナダ、スコットランド、アイルランドの英語が題材として選ばれている。(アイルランド英語の発音に関する意欲的な論文を書いたある学生は、卒業してすぐインフォーマントと結婚、北アイルランドに渡って今ではすっかりアイルランド英語話者になっているという。) [斎藤]
タイ語専攻 H17年卒
中浜優子
 英語音声学ゼミで学ぶと英語を聞くことが非常に楽しくなります!このゼミは、受験英語を生きた本物の英語へと「音」を通じて転換させるゼミであり、また「音」を通じて英語の新しい側面を研究できるように学生を成長させるゼミです。外大生の中には、高校までの授業英語に関してはまあまあ成績が良かったにも拘らず、いざネイティブと話すとなると、うまく自分の言いたいことを表現できない人がいます。私もそうでした。実際に英語を使うことになれていないことも原因でしたが、英語の発音の仕方を精確に知らないということが大きな原因でした。私は運よく1年次の副専攻語の授業で斎藤先生にお会いできて、英語と日本語では発音の仕方が随分違うことを、明快な説明と実演で理解することができました。英語を話す練習ならば、英会話教室や音声チャットでも出来るけれど、英語の発音の仕方を日本語で懇切丁寧に教えてくれる場所なんて滅多にありません。
 英語が大得意で、発音なんて既にわかっていると思っている人にとっても面白いゼミです。ゼミ内にロシア語と日本語のバイリンガルの学生がいましたが、彼はアメリカ英語やイギリス英語の発音の違い、地方や階級による発音の違い、それらについて先生の指導を受けて学んでいました。毎回のゼミが発見の連続でした。
 最後に、当ゼミは学生の興味や学習ペースを尊重するゼミなので、自分のペースで学んでも、努力すればするほどに理解が深まり満足できるゼミです。英語音声学ゼミで充実した大学生活を送ることを私は強くお勧めします。
外大ニュースNo.105より:
南・西アジア課程ウルドゥ語専攻
草野 由紀
「英語音声学」の存在を知らされたのはある友人によってであった。英米語科のその友人が雑談の中で斎藤先生の話をしなかったら、私が今、こんな「研究室の紹介文」を書くことはなかっただろう。初めて「音声学」なるものに触れたのは1年生の時。その友人が遊びで私にある単語の発音の比較をさせたのだ。今では何の単語だったか思い出せないが、これまで、そんなに厳密に「発音」について考えたことがなかった私には衝撃だった。小学校の頃父の仕事でアメリカに3年間滞在していた。当時「girl」の発音を、夜ベッドに入ってから練習していたのを思い出した。あの頃、周りの子どもたちの口の中がどうなっているか知る由もなく、「口まね」に一生懸命だった。昼間学校でよく聞いた決まり文句などを、夜に口に出してみて、繰り返した。外語大に入学して、英語科の友達が出来て、「ああ、こういう風に説明がつくんだー!!」と、衝撃を隠せなかった。「音声学」が気になって気になって仕方がない。という訳で、ウルドゥ語科の私が斎藤先生と直接出会うことになった。「勉強」するのはもちろん大変だが、どうしようもないほど興味がひかれる。周りの友人たちは「えっ!!斎藤先生のゼミに!?」と、とても驚いていた。結局私が最終的に斎藤研究室に加えていただこうと決心したのは、やはり、きちんと評価してくださる先生が私には必要だったからだ。せっかく自分でやりたい「勉強」があるのに、怠けようと思えばいくらでも怠けられる。やはり、評価される機会があってこそ、自分自身の確認にもなる。
欧米第一課程英語専攻
林 響子
静かな研究室に英文を読む声と鉛筆を走らせる音だけが響く。音声表記の緊迫した数分間。一語、否、一音素も聞き漏らすまいと全神経を集中させる。これが90分の中で数回繰り返される。脳内の酸素濃度は著しく低下し、神経はゼミ開始前と比較して半分以下に擦り減る。全てが終了した時には体中の力が抜け、疲れが一気に襲ってくる。このように、毎時間「音」との闘いで苦しんでいるにもかかわらず、ふと気が付けば英語を聴く時にはその「内容」にではなく、「どんな音が発音されているのか」に意識を集中させていたり、授業中に英語で話している人の発音を音素表記してノートを埋めていたりする。いつの間にかゼミが生活の一部に組み込まれているなと感じる今日この頃である。確かに毎回の音声表記は大変で神経も使うが、このゼミには何かしら私を惹きつけるものがあり、いつも楽しく参加できる。現在、私は自分の研究テーマとともに、このゼミの魅力の源についても探索しているところである。早いもので、ゼミが始まってからもう折り返し地点を過ぎてしまった。これからもカリスマ音声学者、斎藤先生のもとでいろいろ勉強させていただきたいと思っている。