お弁当「三吉」とは?

「三吉」…。それは一言で言うなら、「ごめーん、20分くらいいいかなあ?」という威勢のいいマスターの掛け声であり、また言い換えるならば大東京総合卸売センターに流れる一筋の流れ星であるといえるだろう。結局何がいいたいかといえば、その二点に三吉の魅力が集約されているとゆーことだ。

三吉とのはじめての出会い…そう、あれは忘れもしない2000年10月、秋の訪れをまったく感じさせない厳しい残暑の日だった。猛烈な空腹感に襲われた私は、ふらふらと駅の近くにある弁当屋に立ち寄った。

「のり弁ひとつ。」

確かそのときにカウンターにいたのは、おばさんの従業員だったと記憶している。そのときにはまだ、奥にかつて見たことのないようなインパクトを持つマスターがいたことを知らなかったのだ…実のことを言うと、はじめて三吉の弁当を食べたときの印象は、決してよいものであったとはいえなかった。もともと直射日光と暑さに弱い私が、かの残暑で体調を崩しがちであったあの日、それこそカキ氷やスイカ以外のものを食べようものなら 倒れてしまうのではないかと思わせるような状態であった。

私はお弁当を持って大学のとあるテラスのような場所でのり弁を食べたが、結局、そんな状態であった私はお弁当を全て食べることができず、不覚にもいくらかを残してしまったのだ。

(第2回に続く)



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