国際日本学

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教員インタビュー

菅長 理恵 SUGANAGA Rie

役職/
Position
大学院国際日本学研究院 教授
研究分野/
Field
日本語・日本文学

【English Page】

「発信」力を身につけよう

 大学・大学院での専攻は国語学(現在の日本語学)だったのですが、現在は、古典文学教育研究、CLD(文化的言語的に多様な背景を持つ)児童生徒の学習支援、留学生のキャリア形成支援という3つの分野に取り組んでいます。文学研究においては、まず、テキストをきちんと読むことを大切にしています。それが、国語学専攻という私のアイデンティティだと思います。CLD児童生徒の学習支援は、社会的要請が高い一方でなかなか十分な支援ができていない現状があります。子供たちが文化や言葉の壁を乗り越えて幸せに生きられるよう、支援に携わる仲間を増やし、ともに方法を考えながら進めていきたいと思います。留学生のキャリア形成支援は、東京外国語大学留学生日本語教育センターで学んだ留学生たちのインタビュー調査から出発しました。日本留学を通して得られた学びの体験は、後輩留学生たちにとっても、これから留学する日本人学生たちにとっても、貴重な道しるべとなると思います。

 1998年着任以来、留学生を対象に日本語・日本文化・日本文学の授業をしてきました。多国籍の留学生の意見交換を聞きながら、ここに日本人学生がいないのは残念だなと常々感じていましたので、国際日本学部・国際日本学研究院が創設され、日本人学生と留学生がともに学べるようになったことを喜んでいます。異なる文化背景を持つクラスメートたちとの意見交換は、無意識のうちに唯一のものと思い込んでいた自文化を相対化する貴重なきっかけになります。「日本文化とは多文化の中の一つである」という認識が得られるのは、多様な国からの留学生と交流できる東京外国語大学ならではの学びだと思います。学生さんたちには、ぜひ、複数の言語により情報を得て、かつ発信できる力を身につけてほしいと望みます。その力を磨く場としても、本学は理想的なところだと思います。

 国際日本専攻コースでは、比較文学的俳句論という授業で、海外における俳句受容の在り方を紐解いています。世界で一番短い詩型である俳句には、言葉と文化の大きな学びが潜んでいるのです。ぜひ体験してみてください。

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