国際日本学

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教員インタビュー

山口 昌也 YAMAGUCHI Masaya

役職/
Position
大学院国際日本学研究院 元 准教授(NINJAL)
研究分野/
Field
自然言語処理・教育工学

Q1. ご自身の研究内容について簡単にお教えください。

A1. 言語活動や言語研究を支援する方法を研究してきました。近年取り組み始めたのが,ディスカッションやプレゼンテーション練習のような,協同型の教育活動を支援する方法の研究です。この研究では,ビデオアノテーションを用いて,学習者同士の実技の観察や,グループでのふりかえり活動を支援するシステムを開発しています。このほか,国語研究所では10年以上,各種のコーパス構築やコーパス検索システムの開発にたずさわってきました。

Q2. 東京外国語大学では学生に対してどのような講義をされていますか。

A2. コーパス検索とコーパス構築に関する講義を実習形式で行っています。目指しているのは,自分の研究目的に適したコーパスを作って,検索・分析に使えるようになることです。春期は検索技術を主体とした内容で,全文検索システム『ひまわり』に既存のテキストファイルを取り込み,検索・分析するといった実習を行いました。後期は,研究目的に応じてコーパスを設計し,言語学的な情報などを付与(アノテーション)するための技術を扱う予定です。

Q3. 国際日本専攻は、日本発信力の強化に力を入れる方針をだしています。このためには、何が必要と思われますか。

A3. 普段日本に暮らしていると,専門的な視点で客観的に自国の言語や文化を見ることはあまりないように感じられます。その一方で,インターネットの出現や,観光・労働目的での訪日の増大により,一般的な日本人が海外の人々と交流する機会が増えています。そのため,日本国内の一般の人に向けた発信力について考えることもありうると考えます(例えば,「やさしい日本語」のような活動)。

Q4. 東京外大および学生に対してどのような印象をお持ちですか。

A4. 新しい,未知のことにチャレンジし,自分なりに取り組んでいける学生だ,という印象を持ちました。というのも,春期に担当した授業では,(おそらくなじみのない)工学的な要素を多く含んでいたにもかかわらず,自分で興味のあるテキストデータを用意した上で,検索・分析の実習課題をこなしていたからです。

Q5. 海外からみて、日本のいいところ、足りないところ

A5. 長期間海外に滞在した経験がなく,うまく答えることができません。ただ,日本食のように,過度に加工せず,自然を生かすようなところは気に入っています。その一方で,規範やルールがない状態で各自が行動するのは(自分を含め)苦手なのではないかと思っています。

※国立国語研究所(NINJAL)とのクロスアポイントメント

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