LUNCHEON LINGUISTICS
要旨
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2005年12月14日
「ニヴフ語サハリン方言の地域差」
  丹菊 逸治(アジア・アフリカ言語文化研究所非常勤研究員/ニヴフ語・ニヴフ口承文学)
 ニヴフ語内部のサハリン方言とアムール方言の差異について、いくつかの規則的な音対応や、親族名称・身体名称における語彙の違い、否定表現や未来表現における文法要素の違いなどを具体的に説明した。さらにサハリン方言の内部にもさらにその下位方言があることを具体的な例によって指摘した。

2005年12月7日
「日本語学会2005年度秋季大会報告」
  川村 大(言語・情報講座日本課程(日本語)助教授)
 東北大学において11月12・13日の両日行われた日本語学会2005年度秋季大会について報告した。概況を報告した後、2日目口頭発表から林青樺「現代日本語における実現可能文の位置付け」を取り上げてやや詳しく紹介した。

2005年11月30日
「日本言語学会第131回大会報告」
  風間 伸次郎(言語・情報講座日本課程(日本語)助教授)
 言語学会第131回大会は広島大学で行われた。公開シンポジウム「脳からことばの謎に迫る」やワークショップ「東アジア諸語の文法化および文法カテゴリーに関する対照研究 -ヴォイスと空間表現を中心に」、ならびに「アイヌ語の充当接頭辞(相互態 ・共同態の派生を中心に)」(Anna Bugaeva氏)、「フィンランド語の動名詞の統語論的・語用論的機能」(千葉庄寿氏)、などの発表があったが、これらについて報告者が概略を紹介した。

2005年11月16日
「日本方言研究会第81回研究発表会報告」
  酒井 幸(博士前期課程)
 日本方言研究会の第81回研究発表会は2005年11月11日に東北大学(仙台市戦災復興記念館)で行われた。今回の発表会は開催地が東北と言うこともあり、「東北方言のテンス ・アスペクト形式における変容」(竹田晃子氏)をはじめ、6つの発表のうち5つは東北の方言に関する発表であった。さらにそのうち3つが青森の津軽方言に関するものであった。6つの発表について報告者が概略を紹介した。

2005年11月9日
「ブルシャスキー語における外来語の複数接尾辞について」
  吉岡 乾(博士前期課程)
 ブルシャスキー語の複数接尾辞は種類が数十を数え、また、どの名詞にどの接尾辞が用いられるのか、一意に決定するルールが存在しない。本発表ではブルシャスキー語の外来語における複数接尾辞選択の法則を、現地調査で得られたデータから考察し、次のような条件を導き出した。大まかに2つの分類の組み合わせで接尾辞は決まる:1) クラスと品詞に基づいた4つのグループに付くものに分かれる、2) その異形態の現われは、語幹末音をその条件とする。更に、語幹のモーラ数と複数接尾辞の異形態の傾向を検討し、「より長い接尾辞がより頻繁にモーラ減少を伴う」という可能性を示した。

2005年11月2日
「日本認知言語学会第6回全国大会報告」
  三宅 登之(言語・情報講座東アジア課程(中国語)助教授)
 本発表では、2005年9月17日(土)~18日(日)にお茶の水女子大学で行われた日本認知言語学会第6回全国大会について報告した。発表では、メトニミーやメタファーといった研究発表で取り扱われたいくつかのトピックに基づいて、それらに関連する認知言語学の最新の動向にも言及しながら、いくつかの重要な研究発表を紹介した。

2005年7月20日
「沖縄県宮古郡伊良部佐和田長浜方言の基礎語彙調査報告」
  下地 理則(博士後期課程)
 本発表の目的は、発表者が2005年5月末から6月はじめにかけて行った、伊良部方言(南琉球諸語)の基礎語彙調査の報告を行うことである。本発表では、東京外国語大学アジアアフリカ研究所が作成した基礎語彙調査票にもとづく語彙500語の音声表記を示すとともに、それにもとづく基礎的な音韻解釈の試論も示す。

2005年7月6日
「日本方言研究会第80回研究発表会報告
  幡 早夏(博士前期課程)
 2005年5月27日、日本方言研究会第80回研究発表会が甲南大学で行われた。80回記念の企画として、「知られざる地域差を探る」というテーマでシンポジウムも開かれた。そこで、口頭発表からは「島原方言における二字漢語の音調について」(松浦年雄氏)を、シンポジウムからは「敬語表現選択行動の地域差」(尾崎喜光氏)、「談話の地域差」(沖裕子氏)の概略を報告者が紹介した。

2005年6月29日
「フィンランド語の非定型動詞における主語標示について」
  坂田 晴奈(博士前期課程)
 フィンランド語の非定形動詞の主語標示には、Dependent-Marking、Head-Marking、Double-Markingの3つの構造が考えられる。本発表ではコーパスから例を取り、時相構文と分詞構文の従属節中の非定形動詞における主語標示の構造について調査した。その結果、いずれの構文においても主節の動詞が受動態である場合は従属節の行為者が原則通りに現れない例が多いことがわかった。

2005年6月22日
「現代日本語における『のではないか』の下位分類」
  佐藤 雄亮(博士前期課程)
 現代日本語において用いられる文末形式〈のではないか〉の機能には、〈のだ〉との関わりがあるものと関わりがないものがあると先行研究で指摘されてきた。発表者が収集した用例を分析した結果、「事情推測」「スコープの〈のではないか〉」の各機能を果たす〈のではないか〉は〈のだ〉の機能を保っていると考えられるが、「帰結推測」機能をはたす〈のではないか〉は、用例の一部にしか〈のだ〉の機能が認められなかったことが指摘できた。

2005年6月15日
「日本言語学会2005年春季大会(第130回大会)報告」
  風間 伸次郎(言語・情報講座日本課程(日本語)助教授)
 言語学会第130回大会は国際基督教大学で行われた。ワークショップ「抱合と複統合性 -フィールドからみえてくる言語の多様性」や、「現代モンゴル語 “副動詞+bayi-”形のアスペクト」(松岡雄太氏)、「チノ語の疑問助詞について」(林範彦氏)、「ツツバ語の舌唇音」(内藤真帆氏)などの発表があったが、これらについて報告者が概略を紹介した。

2005年6月8日
「日本語学会2005年度春季大会報告」
  川村 大(言語・情報講座日本課程(日本語)助教授)
 甲南大学において5月28・29日の両日行われた日本語学会2005年度春季大会について報告した。特に、今回の新機軸である1日目のシンポジウム3本のうち、分科会B「モダリティをどう考えるか」(パネリスト:大鹿薫久・工藤浩・益岡隆志、司会:仁田義雄)の内容について詳しく報告した。そのほか、2日目の口頭発表からハイコ・ナロック「現代日本語のモダリティの階層性」、近藤泰弘「平安時代の副詞節の節連鎖構造について」を紹介した。

2005年6月1日
「パラオ語における完了動詞と非完了動詞の対立 -他動性の観点から-」
  下地 理則(博士後期課程)
 本発表の目的は、パラオ語(オーストロネシア語族西部マラヨポリネシア語群)の【完了動詞】(Perfective verbs)と【非完了動詞】(Imperfective verbs)という、同一語根から派生されうる動詞形式のペアについて、それらが他動性(transitivity)の対立にもとづいた動詞形式のペアであるという記述を提案することである。

2005年5月25日
「類型から見たモンゴル語の連体節」
  向井 晋一(博士後期課程)
 本発表では、ほとんど記述されていなかったモンゴル語の連体節について、新たに記述された言語事実を紹介するとともに、通言語的な類型の視点から見た場合にどのような扱いができるか、また、類型論に対してモンゴル語の立場からどのような発言ができるかを述べた。

2005年5月11日
「語頭の有声破裂音におけるVOTの地域差と世代差 -東北~関東について」
  高田 三枝子(博士後期課程)
 日本語の有声破裂音は、語頭においてはVoice Onset Time(VOT)値のばらつきが大きく、マイナス(-)の値をとらないこともしばしばある。本研究では日本語の語頭における有声破裂音に注目し、そのVOTを分析した。その結果、栃木・茨城を中間地帯として間に挟み、東北と関東で大きな違いがあることを示した。またここに見られた地域的境界が従来音韻現象に関して示されてきた東北的音声 ・音韻の境界と一致し、すなわち語頭の有声破裂音における音声現象が語中の破裂音の音声現象となんらかの関係を持つ可能性を指摘した。

2005年2月9日
「第79回日本方言研究会研究発表会の報告」
  酒井 幸(博士前期課程)
 日本方言研究会の第79回研究発表会は2004年11月12日に熊本大学(熊本市民会館)で行われた。発表は全部で8つで、「京都人にとっての大阪方言、大阪人にとっての京都方言 -近隣方言の相互認知研究の一例として-」(出野晃子氏・岡田祥平氏・郡史郎氏)をはじめ、全体的に社会言語学的な発表が多かった。「福島市方言における無声子音の有声化」(幡早夏氏)や「WWWによる方言語形の全国分布調査」(荻野綱男氏)など8つの発表について報告者が概略を紹介した。

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