第3回 10月21日(火)
「ハンガリー語:日本語と似ているところ、違うところ」

   講師:大島 一 東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 研究機関研究員

 ハンガリー語はヨーロッパの中央にある国、ハンガリーで話されている言語ですが、周辺の国々で話されているヨーロッパの言語の系統であるインド・ヨーロッパ語族と異なり、ウラル語族フィン・ウゴル語派に属する言語です。言語の系統が異なるということは簡単にいうと互いの文法的特徴がずいぶん違うということになります。同様に、日本語とヨーロッパの言語、例えば英語やドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語などを比べると、それは大変異るものであることは一目瞭然です。したがって、日本語とハンガリー語はヨーロッパの言語から見れば異なるもの同士といえます。

 この異なるもの同士にはよく似ている文法的特徴もありますが、似ていないところもあります。似ているものでは、日本語の助詞(てにをは)に相当するものがハンガリー語にもあります。一方、似ていない点を挙げると、日本語ではよく使う受け身文ですが、ハンガリー語では同様の受け身文を使いません。こうした相違点を解説しながら、ハンガリー語の文法について深く考えていきたいと思います。
 

▲ ページ先頭へ戻る

© All rights reserved. Institute of Language Research, Tokyo University of Foreign Studies.