第4回 10月29日(火)
「非漢字文化圏の言語・モンゴル語に入った漢語起源の語彙」

   講師:温品 廉三 東京外国語大学 教員

 以下のようなことを話題としてとりあげます。

 1)「図書館」はモンゴル語で「ノミーン・サン」です。また、語学用語の「語彙」のことは「ウギーン・サン」といいます。「ノミーン」が「本の…」という意味で、「ウギーン」が「単語の…」という意味です。すると、この両方の語句に使われた「サン」という語は、どのように定義するのがよいでしょう?
 2)上記の「サン」という語は、古い時代の外来語です。漢語起源で、元の漢字は「倉」ですが、発音はモンゴル語化しており、意味もモンゴル語独自の派生のしかたをしています。
 3)ところで、日本は漢字文化圏ですが、モンゴル地域は漢字文化圏には入りません。日本語の語彙全体に占める漢語語彙の割合は約50%といわれていますが、モンゴル語の場合は、1%弱です。漢字が公用文字として使われたこともありません。
 4)上記の「1%弱」の語は主に名詞です。なかには、日常の言語表現に不可欠な基本語・重要語も含まれます。どんな語があるのでしょうか?

 今回は、現代モンゴル語を漢語起源の語彙という側面からじっくりと観察してみることにします。
 

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