トップページ動詞文と名詞文



図解 アラビア語文法

【動詞文と名詞文】


アラビア語の文章

日本語とは違い、アラビア語では動詞で始まる文が多く用いられます。その語順は自動詞であれば「動詞→主語」、他動詞であれば「動詞→主語→目的語」となるのが普通です。一方、名詞で始まる文もしばしば用いられます。

ここでは、アラビア語における文のつくりについて紹介したいと思います。


動詞文と名詞文

アラビア語では、動詞で始まる文を「動詞文」(الجملة الفعلية)(
’al-jumlah ’al-fi‘līyah)、名詞で始まる文を「名詞文」(الجملة الاسمية)(’al-jumlah ’al-’ismīyah)と呼びます。

基本となる語順から外れて倒置される例もありますが、まずここで覚えておくのは「動詞文は動詞から始まる」、「名詞文は名詞から始まる」というルールです。

  • 動詞文「その職員は働く」
     
    主語 述語

    ٱلْمُوَظَّفُ

    يَعْمَلُ

    その職員は
    名詞
    (彼は)働く
    動詞

    注:アラビア語では動詞自体に人称や数を示す文字が含まれるため、動詞1つでも「彼は働く」という意味を表すことになります。

     

  • 名詞文「その職員は忙しい」
     
    述語 主語
    مَشْغُولٌ اَلْمُوَظَّفُ
    忙しい
    形容詞
    その職員は
    名詞

    注:アラビア語では形容詞が名詞のひとつに分類されます。形容詞修飾などで様態・性質を示す場合、形容詞としての働きを得ます。
     

動詞文

動詞で始まる
「動詞文」(الجملة الفعلية)(’al-jumlah ’al-fi‘līyah)は、述語/述部の種類によって以下の2つに大別することができます。

  • 能動態の動詞+主語

    その作家は本を書いた

    その作家は本を書いた

     
  • 受動態の動詞+主語のかわり

    その本は書かれた

    その本は書かれた

    アラビア語では能動態の文がメインとなりますが、主語が不明な場合、もしくは主語をわざわざ述べる必要が無い場合には受動態とします。
     

名詞文

名詞で始まる
「名詞文」(الجملة الاسمية)(’al-jumlah ’al-’ismīyah)は、以下のように大別することができます。

  • 主語の名詞+述語の名詞

    彼は学生です

    彼は学生です

     
  • 主語の名詞+述語「前置詞+前置詞の後の属格名詞」

    子供たちは学校にいます

    子供たちは学校にいます

     
  • 主語の名詞+述語「時や場所を表す名詞対格+その後の属格名詞」

    子供たちは学校の前にいます

    子供たちは学校の前にいます

    上の「前置詞+名詞」に一見似ていますが、それとこの「時や場所を表す名詞対格+名詞」とは異なります。というのも、1番目に来る名詞は時や場所を表すために対格にされているのであって、品詞上前置詞とは分類されないからです。

    また、2番目に来る名詞が前に来る名詞を「イダーファ」によって属格支配しているという点においても異なります。

     
  • 主語の名詞+動詞文

    子供たちは、勉強しています

    子供たちは、勉強しています(←子供たちは、彼らは勉強しています)

    動詞の部分ですが、見かけ上は1単語でも、動詞の部分と主語を表す部分とが合わさって出来ています。従って、このひとかたまりが「動詞+名詞」の動詞文と見なされます。

     
  • 主語の名詞+名詞文

    大臣の父親は国の大統領です

    大臣の父親は国の大統領です(←大臣は、彼の父親は国の大統領です)

    これは、アラビア語によくある文の形です。主語である名詞の後に、再び主語となる名詞が来るのは、「名詞文の述部が名詞文になっている」という入れ子状の構造が原因となっています。

    このような用法では、述部となる名詞文に主語である名詞に対応した人称代名詞を含ませます。ここでは、「彼の父親は」という部分の「彼の(ـه)」という人称代名詞が「大臣」という名詞を受けることで、主語の名詞と述部の名詞文につながりを持たせています。


 

トップページ動詞文と名詞文

©arabiago.com

当コンテンツの転載・複製・改変はご遠慮願います