後の語とくっつけて書かなければならない語
アラビア語には、後の語と必ずくっつけて書かなければならない語があります。この手の情報は通常の文法書にまとまって掲載されていることが少ないため、ネイティブであっても知らないことがあるようです。たいしたルールではありませんが、逆に見落としやすい盲点なのかもしれません。
1文字のみからなる不変化詞
1文字のみからなる前置詞、疑問詞などがこれに相当します。
و / ف / س / ل /
ب / ت / أ / ك
定冠詞「أل」
定冠詞「أل(アル)」は、名詞に接頭します。
○: اَلْوَلَدُ
×: اَلْ
وَلَدُ
その少年
複数の語が合わさってできた固有名詞
複数の語が合わさって出来た固有名詞の一部(الاسم المركب المزجي)では、元になった語が切り離されず、ひとつの単語としてつなげて書かれます。
その場合、元になった1語目の単語末に来る母音は、実際の格にかかわらず「ア(a)」音になります。アラビア語における11〜19の数字で、1語目の語末が常に「ア(a)」音になることと似ていると言えばわかりやすいでしょうか。
بَعْلَبَكّ
= بَعْل + بَكّ
バールベック【レバノンの地名。遺跡があることで有名。】
「بعل」=豊穣をもたらすとされるバアル神のこと。
「بك」=「街(アラビア語ではمدينة)」の意味。
سِيبَوَيْهِ
= سِيب + وَيْهِ
スィーバワイヒ【ペルシア語由来の人名。偉大なアラビア語文法家のあだ名として有名。】
「سيب」=果物の「りんご」のこと。
「ويه」=「香り」という意味。
300,400,500といった語の100の部分と3,4,5・・・の部分同士
ثَلاَثُمِئَةٍ
، أَرْبَعُمِئَةٍ ، خَمْسُمِئَةٍ
右から:300、400、500
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