英語や日本語では、動詞や助動詞に過去形が存在し、ある事態が過去に起こったことを表します。しかし、マレー語には時制の形式が存在しません。つまり、事態がいつ生じたかに関わらず、動詞の形は常に一定です。言い方を換えれば、同一の動詞形が、現在のことも、過去のことも、未来のことも表し得ます。例えば、Saya makan banyak という文は、「私はたくさん食べた」にも「私はたくさん食べる」にもなります。
このように一つの文には、理論上、複数の解釈の可能性があります。しかし、実際には、文脈により一つの解釈に定まるのが普通です。その他、以下のようなできごとの時点を表す表現を加えることによっても、解釈の可能性を絞ることができます。これらの語句は通常、文頭または文末に置きます。
Mereka
ada
di
bilik mesyuarat
sekarang.
「彼らは今、会議室にいます。」
Tadi
saya
jumpa
Prof.
Kasim.
「さっき、私はカシム先生に会いました。」
Hari ini
En.
Ali
sangat
sibuk.
「今日、アリさんはとても忙しい/忙しかった。」
Semalam
En.
Ali
sangat
sibuk.
「昨日、アリさんはとても忙しかった。」
Esok
En.
Ali
sangat
sibuk.
「明日、アリさんはとても忙しい。」
Jom
pergi
ke
Megamall
minggu depan!
「来週、メガモールに行こうよ!」
Mulyadi
balik
ke
Indonesia
tiga
bulan
lagi.
「ムルヤディは3ヵ月後インドネシアに帰国します。」
Ayah
saya
lahir
pada
16 hb.
Ogos 1998.
「私のお父さんは1998年8月16日に生まれました。」