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事実に拘ることの重要性

インターネット上の「つまらない事実よりもおもしろい嘘に注目する」という風土は、インターネットの外に広がり、民主主義を危機に陥れている。根本的な対策がなされなければ、まもなく民主主義は完全に敗北してしまう──そのような強い危機感を訴えるレッサに、英紙「ガーディアン」が取材した。これからの世界の展望と、偽情報と戦うための処方箋を聞く。
https://courrier.jp/news/archives/312341/

このことは、世界各地でも起きているし、日本でも起きている。インターネット上には、情報が溢れているが、割合こそ調べてみなければわからないが、虚偽の「面白い」情報が蔓延していることは確かである。

でも、日本では、それを「楽しむ」ことによって、命が危険に曝されることも、人権が制限されることも、富が失われていくことも、生活基盤が壊れていくことも、実感を伴って感じている人は少ないのかもしれない。

他方、そんな悠長なことを言って「嘘を楽しむ余裕」は、隣国、台湾には無い。台湾の内部から発信され、あるいは外部から流入する情報は、事実に混じって、虚偽の情報が混在している。

2023年1月12日、NHKラジオの「マイあさ」では、同局国際部の杉田沙智代が、台湾での取り組みを報告していた。

台湾には、大陸から流入する虚偽情報の問題があり、最近では、7割の真実の中に3割の嘘を埋め込むことで、狡猾に人々に信じ込ませようというカラクリがあるという。

ファクトをチェックする団体はいくつかあるようである。(私が同じものを別に数えている可能性はあるが。)

Taiwan Factcheck Center
https://credibilitycoalition.org/credcatalog/project/taiwan-factcheck-center/

Taiwan Factcheck Center
https://give2asia.org/taiwanfactcheck/

台湾事實査核中心
https://tfc-taiwan.org.tw

NHKの杉田によると、ある情報が事実であるか虚偽情報であるかは、LINEのchatbotに質問を投げかけることによって、即時に調べることができるとのことである。

Taiwanese Cofacts fact-checks information on LINE
https://ijnet.org/en/story/taiwanese-cofacts-fact-checks-information-line

台湾国民にとっては、情報の真偽を知ることが、国の存亡に直結しているので、そこまでナーバスになっているのであろう。

他方、日本も、虚偽情報が溢れているのは、肌で感じ取ることができるし、それをそのままのさばらせておくことは、やはり国の存亡に繋がることなのではなかろうか。

ロシアvs.ウクライナの戦争関係とか、COVID関係とか、立場を決めずに100%真、あるいは100%偽であると、即断できない情報はあるにはあるであろう。

でもその他にも、「アイヌ民族などというものはいない」などという虚偽情報が、真顔で「議論」されているのも我が国である。

もうちょっと、嘘に敏感になりましょうよ!と思う。

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2023年1月12日 21:38に投稿されたエントリーのページです。

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