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マジョリティー vs. マイノリティー

1つ目のリンクは違っていたので、直しました。(2/20)

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マジョリティー vs. マイノリティー

その辺りに関して、刺さる記事がありました。

あなたは「自分は森さんじゃない」と言えますか? マジョリティの"特権"とは何なのか
https://www.buzzfeed.com/jp/kotahatachi/denial-racism

社会学者 ケイン樹里安さんに対するインタビュー記事でした。

大学の授業ではジェンダーやセクシュアリティ、障害や人種にまつわる社会問題をテーマとして扱っているのですが、ある学生から「結局マジョリティって何者なんですか?」と聞かれたことがありました。

そのとき、とっさに出てきたのが「気にせずにすむ人々」「気づかないでいられる人々」という言葉だったんです。

マジョリティは、社会に不公正・不平等があるという問題を、そもそも気付くことができない。もしくは気付いたとしても、スルーできる、立ち去ることができる。そうして、意図せずともそのような構造の維持や再生産に加担してしまうのです。さらには、問題を見て見ぬフリをすることで、利益を得ることもあります。

マジョリティー = 多数派、マイノリティー = 少数派、
まあ、数の上でそれに当てはまる場合もあるけれど、
そうでない場合もある。

男性 vs. 女性なども微妙だし、
植民地統治下の社会での、支配者と被支配者の関係も
数の問題ではないでしょう。

是非、ご一読をお奨めします。

ケイン樹里安・上原健太郎『ふれる社会学』
Amazon.co.jpによる
詳細はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/4779306183/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_21VG2N92T52AQERSQJ9C

もお薦めします。

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それに関連して、

森山至貴『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』WAVE出版、2020年

記事では、6冊のうちの1冊として紹介されていますが。

「性差別」を考えるための6冊 by フェミニスト書店「エトセトラブックス」
https://www.gqjapan.jp/culture/article/20210205-etc-books-guide?utm_content=buffer28264&utm_medium=social&utm_source=twitter.com&utm_campaign=buffer

上のケイン樹里安さんの言葉との関連で言うと、
まさに、マジョリティーがマイノリティーに投げかけて、
その不均衡な関係を保全する道具として発せられるのが
「ずるい言葉」でしょう。

「10代」が主要なターゲットですから、
「大人」と言うマジョリティーが、「10代」の
口(言い分)を塞いでしまう言葉ということなんでしょうが、

最近の、「わきまえておられる」っていうのも、
男性が女性の言葉を封じ込めるための、
「日常的な」「さりげない」言葉として用いられたという
ことでしょう。

森山至貴『10代から知っておきたい あなたを閉じこめる「ずるい言葉」』
Amazon.co.jpによる
詳細はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/4866213035/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_CYV5Q41D5AVWFQHTH800

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2021年2月19日 13:43に投稿されたエントリーのページです。

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