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2019年4月 アーカイブ

2019年4月13日

トークライブ「アイヌ政治の現在」

水平書館で行われた
https://twitter.com/suiheishokan

マーク・ウィンチェスター氏
トークライブ「アイヌ政治の現在」
に行ってきました。

漫画家の小林よしのりを始めとして、
多くの右派のかきまぜ師が

「アイヌ人などと言うのはもういない」
「いるのはアイヌ系日本人だけだ」
「誰でもアイヌになれる」(←構築主義でアイヌになれるのか?)
「アイヌ利権がある」
「在日コリアンがアイヌになりすましている」

などという、事実に基づかない言説を
垂れ流している状況と
歴史的背景と、
その状況を作り出している前提的諸状況

それから、アイヌ関係の法令に関する
歴史的流れに基づいた
報告でした。

ものすごくかいつまんで言うと、

当事者の中に、アイヌと自称することをためらいつつ
小林らに言説を提供しているインフォーマントと
なっている人たちがいて、

当事者が言っているんだから真実だとばかりに
プロパガンダ者と、その取り巻きが誤った言説を
ばらまいていると。

それから、漫画という媒体と、
ここ数十年で広まったSNSや2chなどが
思いの外、強い力を持っているとのことでした。

--

アメリカ合衆国やカナダなどの先住民の状況を知る身としては、
もちろん彼らも超恵まれているわけではないけれど、
少なくとも、単純に存在を否定されることには
なっていないなと、アイヌの飛び抜けたバルネラビリティーが
気になります。

--

今回はトピックじゃなかったので発言を控えましたが、
私が当事者であるLGBTあるいはSOGIにも
似たようなところもあるし、
でも違うところもあるな、と思いました。

当事者として、LGBT差別など無い!という人の典型は、

「自分はゲイとして、生まれてこの方差別されたことは無い」
「日本は他の国とは違って、歴史的な流れからLGBTには寛容であり差別は無い」
「自分はゲイとして負い目があるので、人一倍努力してきたので
 差別されることは無い」

最後の発言には、数日前の上野千鶴子さんの
東大入学式での祝辞を贈りたいです。

「あなたたちのがんばりを、どうぞ自分が勝ち抜くためだけに使わないでください。恵まれた環境と恵まれた能力とを、恵まれないひとびとを貶めるためにではなく、そういうひとびとを助けるために使ってください。そして強がらず、自分の弱さを認め、支え合って生きてください」

またアイヌ関連で上に挙げた

「誰でもアイヌになれる」

に似たものは、

「同性婚なんて認めたら、異性愛者が同性婚を悪用する可能性があり、
 そんなことになったらどうするんですか?」

っていうのがありましたね。
そんなの、異性婚だって、悪用はできるんだから、同性婚だけの
問題じゃないんですけど。

LGBTに関していうと、世論は、わりと、杉田水脈などの
差別的言説が出ると、当事者じゃない人からも
反論が数倍になって出る状況なので、
アイヌの状況よりは良いかもしれません。

その一方で、与党の政治家は、
憲法に関する使い古されて論破されている「解釈」を持ち出して
同性婚は違憲であり、法制化はできないと言っているので、

いいばかりではありませんが。

アイヌ問題に関しては、以下の書物(他)が
推薦されていました。

生協で注文して読もうっと。

マーク・ウィンチェスター他編『アイヌ民族否定論に抗する』
Amazon.co.jpによる
詳細はこちら: https://www.amazon.co.jp/dp/4309226205/ref=cm_sw_em_r_mt_dp_U_nQDSCbAXQNT2N

2019年4月18日

他集団あるいは遠い事象を均質だと思う思考停止

人は、自分が属している社会的な集団は
共通点はあっても個人個人が違いがあって、
均質では無いことを知っています。

他方、自分が属していない他集団に関しては、
なんとな〜く、「あそこの人は◯◯だよね」
と、その集団全体が均質であるかのように
即断しがちです。

それを痛感した事象が、最近ありました。

この春のTOKYO RAINBOW PRIDEの公式ソングに、
m-floの「No Question ~ TOKYO RAINBOW PRIDE REMIX ~」が
選ばれたとのこと。

http://gladxx.jp/video/2019/5765.html

そこで、脳内で「あれれ、変だな」という思いが
むくりと頭をもたげました。

m-floのVERBALさんって、確か以前、
Power for LivingのCMに出てたし、
冊子にも載っていたよね、と。

パワー・フォー・リビング - Wikipedia http://bit.ly/2GoR2Yg

教えて!goo https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2646836.html

るいねっと http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=143719

どれもそれほど確かなソースとはいいがたいけれども、
Power for Livingというのは、アーサー・S・デモス財団によって
おもに福音派原理主義のキリスト教を広めるために
配布されている冊子で、

なんとなく、財団も、冊子に載っている人も、
「みんな」中絶や同性愛に反対し、インテリジェント・デザイン理論を
盲信しているのだとばかり思い込んでいました。

そこには、我が事ながら「他集団を均質に認識する」というメカニズムが
働いていたんですね。

その帰結として、VERBALさんは、所詮ホモフォーブ
(ホモフォビアを内面化した人)だよねと
即断して、遠い場所に置いて、そのままにしていました。

それだから、今回のRAINBOW PRIDEに関わってくださるというのには
びっくりしました。

VERBALさんは、キリスト教にのめり込み、神学校にまで
行った人ですが、現代史上のPower for Livingと、
現在・近未来のRAINBOW PRIDEとの間の時系列と
VERBALさんの関係には、以下のシナリオがありえるでしょう。
(他にもあるかも知れませんが。)

1. Power for Livingに関わっていた時期には、同性愛は
キリスト教的に罪であると思い断罪していたが、
音楽業界その他で、SOGI当事者と接触する経験などを通じて
だんだんとアライになってきた。

2. Power for Livingには、溢れんばかりのプロテスタント・
キリスト教信仰から関わったが、個々の事象としての
同性間の恋愛その他に関しては、当時から自分としては断罪しておらず、
さらには時間を経て、現在に至るまでに、SOGI当事者と
接触する経験などを通して、キリスト教信仰とは矛盾することなく
アライになってきた。

そのどっちかかな?と考えています。
(もちろん、全然当たっていない可能性もありますが。)

VERBALさん、つい最近まで、homophobeだなどと
見くびっててご免なさい。

閑話休題。

ウチの教派のとある集会で、
「パウロは同性愛はいけないと書いているでしょう」
という発言があったとのこと。

それは、西方のある部分の人たちは、
盲信且つ普及することをしていると思いますが、
でも、ウチの教派で、その読み方は無いでしょうと、
僕は思います。

ウチでは、聖書の66巻のウチ、もっとも大事なのは
福音書の4巻です。

「聖書は同性愛を禁じている」と主張する人は、
他教派の場合は知りませんけれども、
ウチの教派では、福音書で全く触れられていないことを
首尾一貫して説明できないといけません。

そーんなに大罪なんだとしたら、
(7つの大罪の1つに同性愛を挙げている総主教もいますが、)
なんで、イエスは何も言わなかったんですか?
わかりやすい説明をお願いします。

また、パウロ(その他)の書いた書簡に関しても、
(また旧約に関しても)
(近現代に成立した同性愛という概念は、
 古代には無いのだから、言及のしようがないという議論は
 置いておいて、)
書かれているとしても、当時の悪徳表
(悪いとその場所、その時点で思われていることのリスト)
をそのまま取り込んでしまったものかも知れないという議論があります。

例えば、現在、日本での悪徳表をリストアップしようと
「罪」を羅列していったら、そこには「大麻の吸引」が
入るでしょう。

他方、西欧、北米の多くの場所では、時代の流れによって、
その「罪」の「羅列」に、最早「大麻の吸引」は
入らないでしょう。

男性が男性に情欲を燃やすことや、男性間で性的接触をすることも、
その悪徳表が書かれた場所と時点によっては、
それに入るだろうし、ちょっとでも場所や時が違えば
入らなかったものなのかも知れません。

ウチの教派的には、「聖書に一箇所でも書かれていたらダメ!」
ということはありえなくて、神の愛、キリストによる贖罪を
包括的に理解した上で、聖霊に満たされ、且つ理性的な
判断が求められると思われます。

(「聖書に一箇所でも書かれていたらダメ!」という人は、
 是非、レビ記等の食に関する律法やその他の律法を
 明日から過不足無く守ることから始めてみてください。
 それが「バカバカしい」という人には、
 「聖書に一箇所でも書かれていたらダメ!」と、
 他人に押し付ける権利はありません。)

と、かなり話がそれてしまいましたが、
言いたいのは、「神の愛を読み解くこと」を蔑ろにして、
「聖書に書いてあるからダメ」と言う人は、

まさに、聖書を、自分にとって身近なものとして
読んでいるというよりは、遠い場所の遠い時代の
遠い書物として、均質性を盲信して読んでいるのでは
ないでしょうか。

それは、まさに、自分が属さない集団の人々の
均質性を即断してしまうのに、ある面で似ていると
思うのです。

もうちょっと身近な書物として、
読むことをしましょうよ!

--

あと、文脈から切り離して、言葉に一人歩きさせることは、
憲法二十四条を「同性婚を斥けるもの」として読む読み方にも
行われていますよね。終戦後数年間という憲法が書かれた
時代の状況を読み解くことをせずに、「この文字面からは
こうしか読めない」と決めつけています。

2019年4月27日

連日の夜遊び

<火曜日>
浪漫活劇譚 艷漢 第三夜を観に行きました。
山田光路郎はいつもの朧とは打って変わって
野郎っぽく、
吉原詩郎は、ちょっと胸筋付けましたか?みたいな。
テツと東雲もいい味出していました。
https://www.clie.asia/adekan/

<水曜日>
Troye Sivanが来ると言うのに!
https://www.troyesivan.com
会議の前に、職場のメールシステムがハックされて
IDとPWが盗まれたかも?
と言うことで、50分お暇が出て、
皆、自室で、パスワードを変えることに。
遅くなる!

と思ったら、定数のある投票に10人足りず、
館内放送で、人をかき集めることに。
またその議題は、その会議の最後に回されました。

で、やっと出ましたが、埼京線のトラブルのせいで、
中央線は、遵法闘争(死語)の如くノロノロ運転。
吉祥寺から、井の頭線に乗り換えて、
半蔵門線、有楽町線、ゆりかもめを乗り継いで、
豊洲PITに着きました。

オールスタンディングだし、
結構、タテノリで、観客を垂直ジャンプさせる歌が多くて、
おじさん、疲れました。

でも、生Troyeは神々しかった!<笑>

Rufus Wainwrightは、カミングアウトしなかった方が
自分のキャリアはもっといいものになっていたんじゃないか?
と漏らしていましたが、

Troyeは、15歳のカミングアウト後、順調に羽ばたいていますね。

これは、世界的な、LGBT, SOGIの受容っていうのが
絡んでいますよね。(一部ダメな地域も残っていますが。)

ところで、アジアも何箇所かでライブを予定していましたが、
結構、マンダリン語人、英語人が来ていました。

Troyeはずっと日本に来たかったって!
来てくれてありがとう!
あ、この前、フジロックに来た時には、
わざわざ苗場まで行けなかったんだよね。残念だった。

でも、今回、ご尊顔を拝めてよかったです。

<木曜日>
聖大金曜日。12福音。
第1福音を、G師が教会スラブ語で猛スピードで読んで、
セダレンを歌わずに誦経にしたりしたのに、2時間50分近く
掛かりました。

ところで、読まれた福音の一箇所に、
ヨハネ福音19:7
「ユダヤ人たちは彼に答えた、「わたしたちには律法があります。その律法によれば、彼は自分を神の子としたのだから、死罪に当る者です」。」
と言う箇所がありました。
具体的に、旧約の律法のどこに、そう書かれているのは
定かではないのですが、仮に書かれているとして、
その一点を以って、ユダヤ人たち(=人間)は
キリストを断罪してしまったんだろうな、と。

キリストは律法を成就するために籍身したのだけれど、
律法は、使い方を誤れば諸刃の剣になるのだな、と思いました。
と、僕は、福音書の一節を引いて書いているわけですが。<笑>

<金曜日>
聖大土曜日。
十字行には、俗なる聖伝承(??)があります。

それにしても、楽譜の乱丁・落丁が多かった。
お一方でやっているので、間に合わなかったんだと
思うけど、だったら、去年のままで
弄らなかったら良かったのに。

歌おうと思ったら、楽譜が無いところが多々ありました。

<土曜日>
今日は、夜から、徹夜祷です。
昼間はゆっくり休もう。

メディアで言語音を語る人

Юさん!

なんか、ラジオで、情報社会学者の
塚越健司という人が、言語の音について
発言しています。

荻上チキ Session 22の中のコーナーを
金曜日に10分弱、

Screenless Media Lab.というところの

https://screenless.net

メンバー、フェローが発信していくようなのです。

過去音声はここで聴けます。
https://www.tbsradio.jp/tag/screenless-media-lab/

初回は、ヴィジュアル音声学の川原氏からの
音象徴なのですが、<笑>

2回目以降は、参考文献も、研究者名も
言わないので、全くもって学術的には
利用が難しいものになっています。

放送では言わないまでも、ネット上のログには、
参考文献リストでも上げてくれたら
なんかにはなるのですが、

このままでは、情報、学術噂の垂れ流しに
なってしまいます。

言語学徒がメディアに出たら
(メディアが言って欲しいことしか言えないので)
終わりとは言われて久しいですが、

とうとう他分野の人が言語について
語るようになってしまいました。

M

2019年4月29日

LGBT+ (SOGI)に対する偏見は減ってきているか

中学1年生がこんなこと書いていますよ。

https://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q10205843725?fr=pc_tw

中1です、LGBTに偏見ある人ってほんとにいるんですか? ネットで偏見がどうこうという話をよく見ますが、そもそも偏見持ってる人を見たことがありません。

僕は同性愛者ではありませんが、小学の時クラスでレズの子が
いました。
普通にカミングアウトしていて、男子と恋話で盛り上がったり、異性愛者の女子と普通に仲良くしてましたし、裏できもいとか言ってる人を見たことないです。

僕の周りだけじゃなく、ひま部という中1から利用できる全国の学生と話せるlineのようなアプリがあって、そのアプリでもLGBTを公言してる中学生は沢山いますし、LGBTや同性愛者用のサークルがいくつもあります。
そのアプリでもやっぱりLGBTの人達を馬鹿にするような中学生は見たことないです。

大人の世代だけ偏見持ってる人が多いんですか?
それとも偏見を持つのは恥ずかしい事だから皆隠してるのでしょうか。

この1例を以って、今の中学生は、みんなこんな
レベルにまで到達していると即断することは
できませんが、僕が中学生だった40年前<爆>
には、ここで描かれているような状況は
想像だにできなかったでしょう。

とある男2人の公開カップルの1人がこんなことを
書いています。

たいが(まさたいcouple

土日月譚 (含 #レティクル東京座 #キャステット)

<土曜日>
復活祭徹夜祷が夜からなので、
ゆっくりと家を出ました。

なんか、ゆっくりし過ぎちゃって、
着いたら予定より遅かったので、
丸亀製麺で、冷たいうどんをかき込みました。

告解。練習。そして、ご祈祷。

<日曜日>
ことしはちょっと早めの進行をしたらしく、
早めに終了。

パーティーへ。司会を仰せつかっていました。

その後、聖歌隊のパーティーへハシゴ。

帰宅後、仮眠。

昼下がり遅く、のそのそと動き出し、
午後4時から、
レティクル東京座「電脳演形キャステット」を
観てきました。
http://reticletkz.jp
http://reticletkz.jp/casttet/

赤星ユウさんにまたしてやられました。

感動しました。泣きました。

古俣晨チケットだったのですが、
古俣晨さんはドクターストップで出られず、
代わりに(実は他劇団で推しの)
末安陸さんが出ていました。
末安陸さんのミカも美しかったです。

末安さん、ハンバーグ以降、当分
出演は無いんですよ!って言ってたのに
随分と早い再会ができて嬉しかったです。

でも次が決まっていないのかな。

ところで僕もダーエフォンがほしい。
あ、台本じゃなくて。役者じゃないですから。

あと、ルキの性別が決まらないというのは、
ノンバイナリーなジェンダーなのかな、とか。<笑>

<月曜日 平成最後の昭和の日>
今日は、TRPで、気になる冊子を拾って、
https://tokyorainbowpride.com

その後、ジョージアワイン展に
行く予定だったのですが、
https://georgia-homelandofwine.com/s/ghlw/?ima=5343
なんだか、TRPで、知り合いに会っちゃったりが
多くて、ワイン展には間に合わなさそうなので
断念しました。

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