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口ずさむは、クランベリー形態素抱合動詞

口ずさむは、口+すさむらしい。

しかし、現代語には、「すさむ」そのものは無い。

(「気持ちが荒む」とか、「凄まじい」とかはあるが。)

よって、「すさむ」がクランベリー形態素が語幹の動詞で、
それが口を名詞抱合していることになる。

古文では、

「口遊む」
口遊むの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 http://bit.ly/2TAFJEY

さらには、
「荒む」
荒む(すさむ)の意味や読み方 Weblio辞書 http://bit.ly/2TlygKI

「すさぶ」
すさぶの意味 - 古文辞書 - Weblio古語辞典 http://bit.ly/2XJkLD0

すさむと、すさぶは、ある時代には、別々な意味を担って
いたのかも知れないが、cognateであろう。

「-む」「-ぶ」を派生接尾辞と考える言語理論であっても、
それらは無関係では無かろう。

「すさむ」の方からすると、
自動詞「気の向くままに物事をする 」、
他動詞「心のままにもてあそぶ。慰み興ずる」
が意味的に近いだろうか。

「すさぶ」の方も、
自動詞「慰み楽しむ。気の向くままに...する。慰みに...する」
が近かろうか。

現代語では、「〜を口ずさむ」はあるので、他動詞でも
ありえるが、上の古語辞典では、「〜と口遊む」が2例
あるだけで、自他は判じがたい。

いずれにせよ、「口」は身体部位であり、道具であり、
対象物が抱合されたと見る必要は無かろう。

となると、現代語で「口ずさむ」が他動詞なのは
「口ずさむ」だけの問題なのか、
「すさむ」から他動性を引き継いでいるのか。

そもそも「すさむ」が無いのであるから、
ナンセンスな議論ではあるが。

閑話休題。

古文において、「すさむ」「すさぶ」の大まかな意味、
「もてあそぶ」と、「あれる」とは、もし同音異義ではなく、
多義であるのだとしたら、どちらからどちらが派生した
意味なのだろうか。

これは、古文の共時態で意味がある議論であって、
現代語には関係ないことですけれどね。

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2019年3月 6日 14:24に投稿されたエントリーのページです。

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