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実はノン「ケ」なゲイ

LG差別って、人権とかの前に、
日本的な、根深い差別構造に
取り込まれちゃったんじゃないかと
ちょっと考えています。

ケ、ハレ、ケガレでいうと、
フツーなケではない。
ハレでもない。
フツーじゃない、ケガレ扱い
されてるんじゃないかと。
そういう意味で、ノン「ケ」
なのです。

この夏、この国に来て、
去年は毎週毎週金曜日に集まって
飲み食いを共にした現地在住日本人たちと
また飲み食いできるかと、
幹事的な人に連絡を取ったのです。

でも、最初の1通、「なにかあったら
連絡しますね」以降、一切
なしのつぶてになってしまいました。

もし例えば、今バカンスシーズンで
集まってない!というのなら、
その旨、1行メールでも
来ていいでしょう。

それができないというのは、
ゲイというか、ゲイである僕が
ケガレ扱いされて、エンガチョされてる
んじゃないかと思うんです。

まあ、思い当たる節はあります。

去年、そんな集まりのときに、
某大使館員のご夫人が、
前任地おフランスの話をしていました。

「フランスでは、同性婚なんかできる
 ようになっちゃったんですよ!
 ここには該当者はいないと思いますが。」

と。

その後、面白おかしく同性婚を
酒のつまみに笑い飛ばしていました。

そこで、「大人な日本人ゲイ」だったら
カムアするようなことはせずに、
何も無かったように振る舞って、
その場は苦笑いで済ませるのでしょう。

でも、僕は我慢できなかったので、
「私は当事者です。」
とカムアしてしまったのです。

それで、その大使館員のご夫人の
面目丸つぶれになったかもしれないけど、
し方無いじゃないですか!
ご自分が蒔いた種なんですから。

でも、おそらくはそれが尾を引いていて、
今年は、「<のぶ>にはご遠慮いただこう。
連絡もしなくていいですよ。」という
内約が、現地在住邦人の間で
できあがっているのではないかと思うのです。

まあ、来年は、そんな大使館員の多くも
2年の任期が切れて入れ替わるでしょうから、
心機一転、現地にもっと長くいらっしゃる
日本人に連絡を改めて取ろうと思っています。

ともあれ、「ケガレ」だから、
連絡とらなくていい。
「ケガレ」だから、一生会いたくない。
「ケガレ」だからいないことにして
生活していこう。

っていう意識構造の「差別」って
日本にはなんだか多いんじゃないかと
思ってます。

日本では、「面と向かって差別されること」
は少ないと言われます。

でも、それは、差別が無いんじゃなくて、
「面と向かわない」ようにされてるから
出会うことが無いのです。

動くゲイとレズビアンの会が、
府中青年の家で、
某キリスト教団体から
差別的言葉を投げかけられたことは
記憶にありますが、

そんな面と向かった差別は
日本では少数派なんではないかと思います。

それよりは、「関わらないようにしよう」
っていう差別の方が多いのではないかと
思われます。

「いや、それは、ゲイ差別じゃなくて、
<のぶ>差別でしょう。」って
仰る方もいらっしゃるかも知れません。

でもそれは、「黙っていれば差別されない
けど、カムアしたら差別される」ってことなので、
そう簡単に区別はできないでしょう。

カムアのし方を上手くやれば差別されない
なんていう生易しいものではなくて、
もし、そんな差別を無くしたいのなら、
人権よりも何よりも、日本古来の
「ケガレ差別」と、当事者・非当事者
皆が向き合い、全国的に個々人の意識構造の変化を
もたらさないことには、何も
変わらないでしょう。

欧米的な、「人権運動」が日本には馴染まない
のではなくて、それでは効力が少ない。
ということです。

という意味では、人権を推し進めて
法的権利を獲得する!というやり方は
アリだと思いますが、
人々の意識は、旧態依然のままで
遅々として変わらないと思います。

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2014年8月28日 16:43に投稿されたエントリーのページです。

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