« 呟きから: | メイン | レジスターを変えるために使われるオネエ言葉 »

非主流派の処遇

メインストリームじゃない
周縁的なカテゴリーのヒト・モノというのは、
往々にして不当な処遇を受けたり
意見をされたりする。

「ろう者、手話」

は、society at largeにおいては周縁的であるのだが、

そのせいで、

「手話って、日本だったら日本語と同じでしょう?」

「手話って、世界共通でしょう?」

と、相矛盾することを言われたりする。

後者に関しては、「あ、それはそうじゃないかも」と
思った人たちは、

「手話くらい、世界共通にすればいいのに。」

と言ってくる。これももの凄い偏見である。
音声言語を世界共通にできないのと同じように、
その土地土地に適応した手話を世界共通になど
そうたやすくはできないのだ。

まあ、これは、専門家でない人たちの意見だから、
実際に力を持つことは無いのだが、
いわゆる専門家が多大な影響を残すことがある。

それは、例えば、世界のろう者にとっては、
1880年のミラノ会議である。

これは、公的機関の後ろ盾をもって
開催された国際会議ではなかったのだが、
ろう教育における手話を使っての教育が否定され、
口話教育(口話&読唇)をすることが議決され、
その後、100年あまり、世界中で
影響を残している。

口話&読唇が、ろう者の第一言語になることはない。
もの凄い時間数と労力を使って、
その成果と呼べるものは大したものではない。
しかし、他の学科の時間数を蝕んでしまうので、
聾学校に就学したろう児童の学力が遅れてしまう
ことに繋がっている。

世界的には、やっとミラノ会議から100年あまり経って、
ろう児には手話で、それも自然手話で教えなければ
いけないということがやっとわかられてきて、
手話を用いた教育を採用する国も増えてきている。
(日本は、まだ全体的にそうはなっていません。)

これは、主流派が、非主流派に対して
無知によって、大きな影響を及ぼしてしまった
一例である。

閑話休題。

また、メインストリームではなく、
周縁的な人々に、同性愛者がいる。

宗教国家でない西洋の国家は、
ぼちぼちと同性結婚を認めるように
なってきている。

しかし、宗教イデオロギーが政治に
影響しているところでは、
宗教イデオロギーが、人権に
まさってしまっているところもある。

宗教イデオロギーと言っても千差万別だが
キリスト教のある派では、

・同性愛は、祈れば神の力で治すことができる。

などという論外なことを主張してたりする。

また別な派では、

・同性愛者が、同性に性的感情を持つことは認める。
・しかし、同性と性行為をすることは禁止する。
・同性愛者も、異性と結婚して家庭を持つべきである。

と主張してたりする。

このどれも、非メインストリームな人々に対する
無知から、非人道的なことを謳っている。

これを真に受けた同性愛者が
多大な精神的苦痛を日々を体験するかは
火を見るより明らかである。

--

民主主義国家が、多数決による民主主義だけを
行っている限り、少数者、周縁者の
存在は、無視されたり、不当な扱いをされたり
しつづける。

少数者、周縁者が正当な扱いを受けるように
なってこそ、真の民主主義と言える。

西洋の、ある国々はそこに気がつきはじめて
いるが、他の国々は遅々としてそこまで
追いつけないでいる。

現在は、民主主義ですら足をすくわれかねない
対抗力が世界各地で渦巻いている。

今後、どうなりますことやら。

About

2012年4月 2日 13:59に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「呟きから:」です。

次の投稿は「レジスターを変えるために使われるオネエ言葉」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。