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単語の部分に言及すること

例えば、英語では、teapotについて語っていて、
その後に、「お茶」について語るのに、
teapotのteaを、例えば「it」で受けることは
できないことになっている。

これが、日本語では、それほど厳しくないんでは
ないかと常々考えてきた。

マイミクさんのボイスからであるが、以下の例がある。

「晩飯食っちゃったし、バナナブレッドでも焼こう。
 黒ずんだ長いのが5本もあるよ....」

上述の英語でのルールからすれば、
複合語である「バナナブレッド」の中の「バナナ」に
次の文(あるいは節)で「言い直さずに」言及することは
できないはずである。

でも、上の例は日本語としては普通であるし、
日本語話者には理解し難いものでは決してない。

「バナナブレッド」で言及された「バナナ」と呼ばれるもののうち
「黒ずんでいて長いものが5本もある」と
いとも簡単に言ってのけている。

この辺りのメカニズムが、英語と日本語とで
違うのではないかと、ちょっと考え始めています。

<コメ返>

N様、

「省略」って便利なんですけどね。
理論言語学でも良く使われてます。
でも実際に存在しないものを
どんどん「立てちゃう」のは
時には慎まなければいけないと考えています。

おっしゃる様に、間に何かがあれば、
僕がこんなこと書くまでのこともありません。
間に主題(=トピック)を設定するという
段階がありますから。

でも、それが無いということを
僕は大切にしたいのです。

元の文を書いた人が、同じことを
英語で書いた場合、
後半で、バナナブレッドのバナナを「of them」とは
受けれないんです。
ナンチャラカンチャラ「five bananas」と
bananasをちゃんと言い直さなければならない。

日本語だとその縛りが無いんじゃないかと。


<コメ返>

いや、生きてるんです。ところでやっぱり英語だったらbananasって言い直すでしょ? I have five black and long onesとかいわないで。そう言ったら、意味は変だけどバナナブレッドのことになっちゃう。

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2011年9月30日 22:39に投稿されたエントリーのページです。

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