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黒いあいつ

とあるニュースの見出しに「黒いあいつ」と
書いてあったので、これは、そのものの
名称を名指しすることを避ける、
忌み言葉の対象になっているなと
思いました。

神、死者、熊など、
計り知れない力をもっていると
思われる存在が、忌み言葉の対象に
なることがあります。

ユダヤ教の神は、ヘブライ文字で
YHWHと書かれますが、
本来の母音記号が振られていないので、
本来の発音はわからないものとされて
着ました。

イェホバというのは、この子音四文字の
変わりに、アドナイ(我が主)と
読み替える際の母音記号を
YHWHに当てはめてしまったもので、
誤りとされています。

現在では、 ヤハウェというのが
正しい発音に近いと考えられていますが、
真偽の程はどうでしょうか。

一方、東グリーンランドの人達の言語は、
忌み言葉で知られています。

南部アフリカのズールー族における、
hlonipa(フロニパ)という現象に
類似したものです。

誰かが死ぬと、その人の名前に使われていた
単語は使えなくなり、言い換えがなされます。

例えば、(実例ではないですが、)
「耳」を含む名称が名前だった人が
亡くなると、「耳」という単語は使えなくなり、
例えば、「顔の横にあるもの」などと
言い換えられます。

「熊」も多くの言語で言い換えられました。

ゲルマン語、すなわち、英語のbear、
ドイツ語のBar、スウェーデン語のbjornなどは、
茶色い奴という意味ですし、
ロシア語のmedved'というのは、「蜜を食う奴」
という意味です。

というわけで、「ゴキブリ」も
「ゴキブリ」という単語を使ったら、
「ゴキブリ」が出てきそうなので、
「黒いあいつ」と言い換えられているのかと
思ったら、本文中には、沢山
「ゴキブリ」と書かれていました。
お粗末でした。

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2009年6月17日 02:35に投稿されたエントリーのページです。

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