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モスクワで国際研究集会 「文化の変容・パースペクティヴの変容」

現在、本学大学院では、和田忠彦教授を代表とする共同研究グループで 「20世紀以降の文化横断的現象としての表象変容に関する日欧共同研究」 を進めている。
学術振興会「頭脳循環プログラム」の助成を得て、若手研究者をイタリアに3名(ボローニャ大学)、ドイツ語圏スイスに1名(チューリヒ大学)、ロシアに2名(国立芸術学研究所、ロシア国立人文大学)派遣している。優れた若手研究者の育成をめざすとともに、イタリア語圏、ロシア語圏、ドイツ語圏研究機関との協力関係を強化して国際的なネットワークの構築を図るのが目的である。


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3月にボローニャ大学でキックオフミーティングをしたときの写真


この共同研究の一環として、来月モスクワで国際研究集会 「文化の変容・パースペクティヴの変容」 をおこなう。モスクワ留学中の院生、鈴木裕也くん、佐藤貴之くんとともに今その準備に追われている。

プログラムは4つのセクションに分かれ、約40名の報告者がロシア語、イタリア語、英語で研究報告をおこなう。
この時期たまたまモスクワにいるという方、よかったら聴きに来てください。

日時: 2013年9月13日(金)11:00-18:30 14日(土)12:00-18:00
場所: モスクワ・イタリア文化会館

文学セクション
イリーナ・シャートワ(古典私立大学)「儀式、フォークロア、文学の形式に見られるカーニバル的グロテスク」
オリガ・ブトコワ(芸術学研究所)「1920-30年代のソヴィエト芸術におけるお伽噺的プロットの解釈法」
佐藤貴之(東京外国語大学・ロシア人文大学)「ピリニャークの敗北、あるいは革命の終焉:『マホガニー』の改作をめぐる問題」
エヴゲーニイ・ニキーチン(世界文学研究所)「ゴーリキイと『偉大なる転換』」
原真咲(東京外国語大学)「V・P・ピドモヘィーリネィイ『町』における都市の変容」

1920-30年代文化セクション
セルゲイ・ビリュコフ(マルティン・ルター大学)「アヴァンギャルドと全体主義」
ヴィクトリヤ・ヴォスクレセンスカヤ(芸術学研究所)「1930年代におけるソヴィエト芸術界における世界観の変容」
山口裕之(東京外国語大学)「ベンヤミンとロシア・アヴァンギャルド:技術性と神学」
タチヤナ・ベンベリ(シチェメリョフ芸術ギャラリー[ベラルーシ])「1920-30年代のベラルーシにおけるアヴァンギャルド」
オリガ・フルマン(トレチャコフ美術館)「1920-30年代のソヴィエト絵画におけるスプレマチズム的祖型」
リュボーフィ・プツェルキナ(トレチャコフ美術館)「ニクリーチンの投影主義あるいは『権力』のない未来」
レフ・マシエリ=サンチェス(建築理論・都市計画学術研究所)「1910-40年代におけるシチューセの地方都市建造物は民族的か植民地的か」
鈴木佑也(東京外国語大学・芸術学研究所)「全体主義下におけるソヴィエト建築家同盟と現代建築国際会議」
アンナ・グーセワ(建築理論・都市計画学術研究所)「ダーチャの文化とソヴィエト権力」

日露文化比較セクション
ゲンナジイ・クリュコフ(モスクワ第一医科大学)「日露文化の相互影響関係に関する複合的研究:ブルリューク、パリモフ、ブブノワの日本滞在」
ユーリイ・ギーリン(世界文学研究所)「アヴァンギャルドの変容性:村山知義、レオナール・フジタ」
ユリヤ・エゴーロワ(世界文学研究所)「往復書簡から見た日本とゴーリキイ」
ヴィクトリヤ・クラフチェンコ(モスクワ教育アカデミー)「『銀の時代』のロシア文学に見る日本の表象」
沼野恭子(東京外国語大学)「ジャポニスムの逆説:20世紀初頭ロシアにおけるキモノの受容」
ヴェーラ・フレーブニコワ(画家)「マイ・ミトゥーリチの作品に見る日本、日本における作品の受容」
タチヤーナ・アルパートワ(モスクワ州立大学)「ウラジーミル・シンカリョフの『マクシムとフョードル』に見られる日本文化表象の遊戯的変容」
オリガ・シュガーン(世界文学研究所)「世界文学出版所と日本文学翻訳の問題:1920年代を中心に」
オリガ・ザベレジナヤ(ペテルブルク大学)「志賀直哉の翻訳と西欧における受容の困難」
笹山啓(東京外国語大学)「ペレーヴィンと自殺:短編「盆の客」における三島由紀夫作品の影響」
キリル・ロプコフ(モスクワ教育アカデミー)「現代ロシア文化に見る禅の思想」

イタリア文化セクション
アンナ・ヤンポリスカヤ(世界文学研究所)「アルド・パラッツェスキの作品における身体の表象と認識」
石田聖子(東京外国語大学・ボローニャ大学)「ポリドールの《ピノッキオ》:ある身体の冒険」
横田さやか(東京外国語大学・ボローニャ大学)「ジャコモ・バッラにみられる身体性の変容:地上の動きから空の動きへ」
ミハイル・フェイギン(ロシア舞台芸術大学)「ピランデッロの『ヘンリー四世』とシェークスピアの『ヘンリー四世』:比較分析」
アンナ・アキーモワ(世界文学研究所)「イタリアとロシアにおける操り人形(ピノキオ)の物語」
ヴィクトリヤ・セニナ(ペテルブルク市基本計画学術研究設計センター)「アルマンド・ブラジーニとボリス・イオファン:全体主義建築の巨匠」
エカテリーナ・フェイギナ(モスクワ大学])「モンターレの詩集『機会』におけるエルメティズモの詩学」
小久保真理江(東京外国語大学・ボローニャ大学)「チェーザレ・パヴェーゼとウォルト・ホイットマンの詩における身体の表象」
ユリヤ・ガラチェンコ(高等経済院)「ボリス・パステルナーク、イタリアとロシア:二つの文化の交差」
リュドミラ・サブロワ(ロシア人文大学)「トマーゾ・ランドルフィの日記と短編小説の比較分析」
アレクサンドラ・ビビコワ(モスクワ大学)「ルイジ・ピランデッロの作品における身体の表象」
ダリヤ・ベロクリーロワ、トマーゾ・ワルセーリ(ジェノバ大学)「イタリアの現代詩人の作品における日本的要素:エドアルド・サングイネーティ、ペルラ・カッチャグエッラ、エドアルド・ガルラスキなど」
和田忠彦(東京外国語大学)「声、意味ではなく:『アメリカ豹日和』におけるカルヴィーノの認識様態」

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2013年8月15日 21:12に投稿されたエントリーのページです。

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