要塞
ニキータ・ミハルコフ監督の 『遥かなる勝利へ』 (2011年)の試写会に行った。
『太陽に灼枯れて』 『戦火のナージャ』 に続く戦争三部作の3作目つまり完結編だという。
ロシアきっての人気俳優 オレーグ・メンシコフがKGBの大佐を演じているが、主役はあくまでもミハルコフ演じる「革命の英雄コトフ」。数奇な運命に弄ばれ何度も死にそうになりながらもしぶとく生き残り、家族を愛し女性にもてるマッチョな英雄の役どころである。
ミハルコフの人生観そのものなのだろう。実の娘がふたりも出演している。
それにしても、お伽噺のような戦争観だとしか言いようがない。
娘ふたりが同時に出ている場面や、とくに最後の場面。
原題の цитадель とは「城塞・要塞」のこと。コトフは、ドイツ軍が籠っているこの要塞に、スターリンの命令で、無謀を通り越して無茶苦茶な突撃をしかけなければならなくなる。猛烈な集中砲火を浴びるかと思いきや、なんと...(続きは書くまい)。
一種のロシア版ハリウッド作品だと思えばいいのかもしれない。