一陽来復
新年のご挨拶を申し上げます。
2012年が復興と前進の年になりますよう、希望と英知の年になりますよう、一陽来復を心より願っております。絶望の淵から這い上がろうとしている東日本の人々を想い、ずっとその痛みに寄り添っていきたいと思います。被災地が「龍」ならぬ「不死鳥」のように蘇ることを信じて。 沼野恭子
ふと1849年に逮捕されシベリアに送られることになったロシアの作家 Фёдор Достоевский フョードル・ドストエフスキー (1821-1881)が兄ミハイルに宛てて書いた手紙を思い出しました。この直前、ドストエフスキーは死刑を宣告され「特赦」で流刑に減刑されたのでした。
"Брат! Я не уныл и не упал духом. Жизнь везде жизнь, жизнь в нас самих, а не во внешнем. Подле меня будут люди, и быть человеком между людьми и остаться им навсегда, в каких бы то ни было несчастьях, не унывать и не пасть -- вот в чем жизнь, в чем задача ее"
「兄さん! ぼくはふさぎこんでもいないし力を落としてもいません。どこに行っても生きていくことに違いはありません。生はぼくたち自身の内にあるのであって、外側にあるのではありませんから。ぼくは人々とともに生きていきます。人々の中にあって人間でいること、いつまでも人間らしくあり続けること、どれほど不幸な目に遭っても気を落とさず斃れないでいること、それこそ人生の意義であり、人生の課題です」