ウラル言語学で使われる音声記号

ウラル言語学では,伝統的に,国際音声記号 (International Phonetic Alphabet, IPA) とは異なる音声記号が使われます。この音声記号は,伝統的に 「フィン・ウゴル音声転写」 (Finno-Ugrian Transcription) と呼ばれてきましたが,最近は 「ウラル音声記号」 (Uralic Phonetic Alphabet, UPA) とも呼ばれます。

Unicode では,国際音声記号 (IPA) のうち,ラテン文字とその変種,またはギリシア文字の文字セットに含まれない特殊な記号だけを集めて,コード番号 0250-02AF に配置し,「IPA 拡張」 (IPA Extensions) と呼んでいます。ウラル音声記号 (UPA) についても,同様に,特殊な記号だけを集めて,「音声記号拡張」と呼ばれるコード番号 1D00-1D7F の最初の方に配置させています。

Unicode 対応を謳ったフォントは比較的たくさん流布していますが,IPA 拡張はカバーしていても,この音声記号拡張のウラル音声記号に特有な記号までカバーしているフォントはなかなかありません。この OpenType フォントは,フィンランドのフォント業者に特注して作られたもので,字体は Times New Roman とよく似たものになっています。

更新日: 2009-08-05