ハンブルク市アルトナ祭・社会文化運動調査


概要

ハンブルク市アルトナ祭参加と地域づくり市民社会文化運動調査について
 
 1.ドイツ・ハンブルク市の下町、アルトナ駅周辺地域で6月8日〜10日の3日間開催された
地域市民祭り「アルトナ祭die altonale」の調査を中心に、ドイツ社会文化運動の研究と経験交
流を目的とした調査旅行を実施した。これはドイツ交流委員会と東京・沖縄・東アジア社会教
育研究会との共同で調査団を組織し、アルトナ祭の中心的担い手である社会文化文化センタ
ー《モッテMotte》の協力により企画・実行されたものである。
 2.調査旅行期間は6月6日〜13日(一部は15日まで)、参加者は研究者、社会教育職員、福
祉施設職員、生協職員、学生など16名(うち本学会からは7名)であった。
 3.今回の現地調査はアルトナ祭および《モッテ》に重点を置くものであったが、それ以外に
以下のような関連した施設等を訪問・視察した。
 @ファブリーク(ドイツ最初の社会文化施設)、Aアルトナ区内公共図書館、Bヴィルヘルム
スブルク市民会館、Cアルトナ市民サービスセンター、D西部市民大学、Eザンクトパウリ地
区コミュニティ活動体(社会文化センター)F文化工房・冷蔵倉庫(Flensburg)GThomas P. 
Hejleの家(コペンハーゲン)。
 4.アルトナ祭は「暮らし,働き,学ぶ」をスローガンに開催され、期間中、駅周辺に設置され
た9箇所の野外舞台で音楽、劇、講演、パフォーマンスなど(出演芸術家 約1000人)が上演さ
れ、駅舎、区役所、《モッテ》等計34の施設を会場に展示、上映、講演などがあった。街頭8箇
所で常設的芸術パフォーマンスがあったほか、飛び入り的な路上パフォーマンスも多かった。
また、20の事務所や企業がショーウィンドーを展示に提供した。その訪問客は約50万人という
大規模な地域市民祭りである。
 その実行主体は地域の18の団体・企業(内訳:企業8、区役所1、市民団体・施設9)が出資
して結成した「アルトナーレ社」(社長は《モッテ》館長)であるが、それを支えたのは約140の市
民NPO運動団体・施設である。《モッテ》を事務局に1年間ほぼ毎週、実行委員会を開いて準
備したという。それに約130の営利業者も出店した。
5.今回の調査では、アルトナ地域での市民ネットワークの層の厚さ、つまり市民たちが結成し
た《団体》(Verein)が時間(歴史)的・空間的な広がりに沿って重層的につながりあって活動して
おり、それが地域社会において主導的役割を果たしつつあることを、体験的に知ることができ
た。また、Wendt氏らハンブルク・アルトナ地域の市民活動との交流をさらに深め、ハンブルク
大学との研究協力の手がかりを得ることもできた。
〔文責:谷和明〕


 参考資料

(1)事前の呼びかけ文

(2)旅程・訪問先概要


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