die Kollision die Zusammenstoß に対する考察:

 

die Kollision → 衝突・対立・不一致の3つの意味がある。語源は英語のcollisionからであり、外来語である。動詞はkollidierenである。

die Zusammenstoß → (特に乗り物の)衝突・意見の衝突・対立;けんか、小競り合いの意味がある。動詞はzusammenstoßen

 

<推察・疑問>

KollisionZusammenstoßはどちらとも同じ意味、頻度で使われるのではないだろうか。なぜならば、ドイツ語において、外来語はすぐにドイツ語化され、社会の中に溶け込んでいくからである。

 

・ドイツ語では同じ言葉の繰り返しを嫌う傾向があるので、KollisionZusammenstoßは同じ文章中でお互いがお互いの代替として使われるのではないだろうか?

 

Kollisionには、不一致という意味があるが、Zusammenstoßにはその意味がない。なぜだろうか?

 

 

<コーパス分析>

public Korpora geschriebener Spracheを使用。

 

Kollision:ヒット数9034件。上位50件を分析に使用した。

Zusammenstoß:ヒット数90**件。上位50件を分析に使用した。

 

<結果>

Kollisionの意味分布:                         Zusammenstoßの意味分布:(『意味の衝突』は『対立』に含めた)

 

<考察>

Kollisiondie Zusammenstoßのそれぞれの意味の出現頻度はほとんど変わらなかった。しかし、Zusammenstoßの『衝突』の意味が多いことが目立った。ここでは『意見の衝突』を『対立』のカテゴリーに入れて考察しているので、『対立』の出現頻度はぐっと下がることだろう。

双方の『衝突』に目を向けてみると、Kollisionでは船、航空機など、比較的大規模な衝突が多いが、Zusammenstoßでは、乗用車、特にバスの衝突が多かった。ドイツではバスの事故がそんなに多いのだろうか。また、シチュエーションは交差点での衝突が多かった。珍しい例としてはデモ隊と警官隊の衝突もすべてZusammenstoßが使われていた。

以上のことから考えると、Kollisionは比較的おおきな衝突、Zusammenstoßはそれよりも小さな衝突に使い分けられているようである。

また、『対立』に目を向けても、Kollisionは政策の対立、意見の食い違い、対立といったものが多かったが、Zusammenstoßは人と人のいさかい、労使対立など、人間関係の対立が目立った。やはり、ここでも規模の大小が関係しているようである。

 

 

 

 

今後の展望:何が『対立』し、何が『衝突』するか、グラフでわかりやすく示したらどうだろうか。Kollisiondie Zusammenstoßでどうして規模の違いが問題になるのだろうか、この考察は難しそうである。Kollisionには、不一致という意味があるが、Zusammenstoßにはその意味がない。なぜだろうか?文章中での言い換えをどうやって証明しようか。