die Kollision die Zusammenstoß に対する考察:6200332 三輪順平

 

<下調べ>

アクセス独和辞典で この二つの単語の意味を調べてみた。

 

die Kollision → 衝突・対立・不一致(英)collision 動詞はkollidieren ⇒Sie geriet in Kollision mit ihrem Nachbarn.彼女は隣人と衝突した。

 

die Zusammenstoß → @(特に乗り物の)衝突(英)collision ⇒ein frontaler Zusammenstoß正面衝突/Beim Zusammenstoß der Züge gab es viele Tote.列車の衝突で多くの死者が出た。

A《口語》意見の衝突・対立;けんか、小競り合い ⇒einen Zusammenstoß mit +3格 haben ・・(3)と意見が対立するけんかする

 

<推察>

KollisionZusammenstoßはどちらとも同じ意味、頻度で使われるのではないだろうか。なぜならば、ドイツ語において、外来語はすぐにドイツ語化され、社会の中に溶け込んでいくからである。

 

・ドイツ語では同じ言葉の繰り返しを嫌う傾向があるので、KollisionZusammenstoßは同じ文章中でお互いがお互いの代替として使われるのではないだろうか?

 

 

<結果>

考察

 

Kollisiondie Zusammenstoßのそれぞれの意味の出現頻度はほとんど変わらなかった。しかし、Zusammenstoßの『衝突』の意味が多いことが目立った。ここでは『意見の衝突』を『対立』のカテゴリーに入れて考察しているので、『対立』の出現頻度はぐっと下がることだろう。

双方の『衝突』に目を向けてみると、Kollisionでは船、航空機など、比較的大規模な衝突が多いが、Zusammenstoßでは、乗用車、特にバスの衝突が多かった。ドイツではバスの事故がそんなに多いのだろうか。また、シチュエーションは交差点での衝突が多かった。珍しい例としてはデモ隊と警官隊の衝突もすべてZusammenstoßが使われていた。

以上のことから考えると、Kollisionは比較的おおきな衝突、とくに「大惨事」といった意味で、Zusammenstoßはそれよりも小さな衝突に使い分けられているようである。

また、『対立』に目を向けても、Kollisionは政策の対立、意見の食い違い、対立といったものが多かったが、Zusammenstoßは人と人のいさかい、労使対立など、人間関係の対立が目立った。やはり、ここでも規模の大小が関係しているようである。

Kollisionには、不一致という意味があるが、Zusammenstoßにはその意味がない。なぜだろうか?

統語構造を考えると、Kollisionは「何かと何かがぶつかる」もしくは「何かと何かがくいちがう」であり、Zusammenstoßは「何かと何かが真正面からぶつかる」である。真正面からぶつかったほうが衝突の強さは大きいような気がするが、逆に衝突の種類が限られてしまう。よって方向の指定のないKollisionのほうが車と人以外のさまざまな場面で使われるのであろう。

逆に日常で衝突といえば正面衝突の方が圧倒的に多いわけで、衝突の意味ではZusammenstoßのほうが日常で実質的に使われる頻度が高いのではないだろうか。

また、Kollisionで意見や思想の衝突が目立ったのは、「何かと何かがくいちがう」という統語構造があるからではないだろうか?なぜなら意見は確かに衝突するが、実質的には「意見の相違」や「意見のくいちがい」といった用法のほうが一般的であるからである。

 

 <結論>

Kollisiondie Zusammenstoßのそれぞれの意味の出現頻度はほとんど変わらない。

・「対立」という意味では、Kollisionは意見や考え方などの対立でよく使われる。Zusammenstoßではより一般的な意味での「対立」の用法が多い。

・「衝突」という意味では、Kollisionは船舶、航空機、軍隊、天体(隕石)の衝突など、日常あまりありえなくてかつ、大規模なもので主に使われる。

Zusammenstoßでは交通事故など、一般的、日常普通にありえる場合の意味で主に使われる。また、「原子の衝突」など、決まりきった技術用語などの決まった言い回しでも使われる。