ドイツ語は完了形の場合haben支配と、sein支配があり、自動詞の移動を表す動詞化、状態変化の場合はsein支配で、残りはhaben支配である。
しかし、どちらも取る場合として、schwimmenが参考書によく載っている。schwimmenのhaben支配とsein支配の実際の頻度はどうなのか調べてみたい。
schwimmen
haben nachdem die Soldaten zehn Minuten geschwommen hatten , sah
sein geschwommen war .
Stunde geschwommen ist , geht es ihr pl\otzlich gar nicht gut .
der Fisch ist geschwommen und wurde gefangen , jetzt ist er
schwimmenはhaben支配だと、泳いでいる行為そのものを、seinは泳ぎついた到着点があったり、泳いで移動していることを述べる場合に使われるという。例文のnachdem die Soldaten zehn Minuten geschwommen hattenは、まさに分かりやすい例で、10分間泳いでいたことを表したいからhaben支配である。
sein支配は、泳いでいて、その後どうなった、と続くものがみられた。
しかし、理屈ではそうであっても、やはり泳ぐという行為は、プールをぐるぐる泳いでいたって動きがあるものであり、どうしてもsein支配のほうが多くなってしまうようだ。泳ぐことを、例えば鍛えるため、という概念で考えていた場合は、移動性が薄れるため、例のようにhaben支配になっているが、数的に見ても、とてもまれな例である。
ここで目に付くのはsein支配の圧倒的多さだ。移動、状態変化の場合にsein支配になるが、どうもどちらかというとドイツ人は、schwimmenは移動性のあるものとしてとらえがちなようだ。
ここには言語の機能としての、特徴が見られると思う。人は言語を用いて、様々なことをしている。つまり、言語によって多くの異なる目的を達成しようとしている。私たちは、言語を相手とのコミュニケーションとして用いているのだが、その際、変化するものを表現する場合が多いと思われる。言語の機能的理論はまず実用的、魔術的なもの2つに分けられ、さらにその実用的が説話的、行動的に分けられるという。説話的は描写のことであり、行動的は意思的、自己表現的である。ここで、動きのないものの描写、つまり説話的なものは、行動的なものに比べて、ずっと用いられる頻度が低いとされている。つまり、人は動きのないものよりも、何か動いているもの、変化しているものに気をひかれ、それを表現したがる傾向にあるという。
だから、この場合もsein支配が多くなっていると考えられるのだ。
同じように3、4格支配の前置詞があるが、それらにも同じような特徴が見られる。
つまり、4格を支配する場合が多いということだ。
auf、an、zu のあとに来るもので一番頻度が多いものは、die(4格) である。
nachの場合はdemが一番であったが、あとに地名の来る場合の頻度も相当多くみられた。nach
Deutschland といったものである。それらはやはり4格支配ではなくても、移動の一種である。
このように見てきて、やはり何か表現する際には、移動や、変化をしているものが多いと分かってきた。最後に、全体的に見て、seinとhabenでは数的に同なのかを調べようと思う。sein支配の動詞は、状態変化か移動を表す自動詞で、それ以外は全てhaben支配である。haben支配のほうが、同士自体は多いように思えるが、実際多く使われるのは、移動や変化を含むsein支配の動詞ではないかと思うからである。