前置詞とは?


ドイツ語の名詞には4つの格があり、大まかに1格は主語、2格は所有者、3格は間接目的語、4格は直接目的語を表しますが、名詞が文中で果たす役割はもちろんそれだけではありません。その他の役割や関係は、前置詞と呼ばれる語を名詞の前に置いて表されます。例えば,場所,時間,因果関係,道具などが前置詞で表される関係です。

I. 前置詞の格支配

前置詞の後に来る名詞は、必ず2格・3格・4格のいずれかの形になります。前置詞がいわば名詞の格を支配するという意味から、これを前置詞の格支配と呼びます。
前置詞には、2格の名詞と用いられるもの(=2格支配)、3格の名詞と用いられるもの(=3格支配)、4格の名詞と用いられるもの(=4格支配)と、意味に応じて3格の名詞とも4格の名詞とも用いられるもの(=3・4格支配)があります。
以下にそれぞれの前置詞を挙げます。なお、訳語は代表的な意味のみ挙げてあります。詳しくは、「ページ2」以降の前置詞の用法をご覧ください。

  • 2格支配の前置詞
     2格支配の前置詞には主に以下のものがあります。

    [an]statt 〜の代わりに   außerhalb 〜の外で innerhalb 〜の中で
    trotz 〜にかかわらず während 〜の間に wegen 〜のせいで
  • 3格支配の前置詞
     3格支配の前置詞には以下のものがあります。

    aus  〜の中から bei 〜のもとで mit 〜とともに
    nach  〜の後で、〜の方へ seit  〜以来 von 〜から、〜の
    zu  〜のところに
  • 4格支配の前置詞
     4格支配の前置詞には以下のものがあります。

    durch 〜を通って für 〜のために gegen  〜に逆らって
    ohne  〜なしで um 〜の回りに
  • 3・4格支配の前置詞
    3・4格支配の前置詞には以下のものがあります。

    an 〜のきわで・へ auf 〜の上で・へ hinter 〜の後ろで・へ
    in 〜の中で・へ neben 〜の横で・へ über 〜の上方で・へ
    unter 〜の下で・へ vor 〜の前で・へ zwischen 〜の間で・へ

練習問題
下線の語の格を正しい形に変えなさい。