【終了】 2019年度 第八回FINDAS研究会「ダリトは語ることができるか」 2/17

「ダリトは語ることができるか――
【日時】 2020年2月17日(月)13:00-17:30
【場所】東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所・304MM会議室
http://www.aa.tufs.ac.jp/ja/
※予約不要、一般公開
趣旨文:
ベンガルのある農村社会では、村のダリトを代表するドム・カーストが村落祭祀を主宰するバラモンに儀礼的な戦いを挑み、最後に剣を措いて恭順の意を示すという儀礼が行われる。年に一度の大祭で、ドムの人々は常に戦いを挑むのだが、しかし彼らは、毎年、バラモンに負け続けている事になる。ドムの人々は、なぜ、従属的な位置づけを導く村落儀礼に、自ら参与してきたのだろうか(『ヒンドゥー女神と村落社会』外川昌彦, 2004年, pp.224-5.)。ヒンドゥー社会研究では、このような儀礼のイデオロギー性を明らかにする多様な研究がなされてきたが、ダリトを含むカーストに関わる既存の階層関係は、むしろその前提として描かれてはこなかっただろうか。近年では、しかし、社会変革に向けた政治動員とは別に、バラモン的理念に対してその当事者として異を唱え、「ヒンドゥー教」への帰属を否定するダリト知識人も現れている。南アジアの民族誌的研究は、その多様な階層にかかわる人々の声をすくい上げることができるのだろうか。
本セミナーは、南インドのダリトの人々の女神儀礼との関りと、ムスリム社会に埋め込まれたカースト的差別的にある人々の事例を通して、この問題を考えてみたい。
「ムスリムの被差別集団を何と呼ぶか?――
【連絡先】 東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)事務局
[E-mail] findas_office[at]tufs.ac.jp
[HP] http://www.tufs.ac.jp/ts/
【終了】 2019年度 第七回FINDAS研究会「南アジア多言語社会における複合文化のなかの文学伝承」 2/8

(科研「南アジア多言語社会における複合文化のなかの文学伝承」
「南アジア多言語社会における複合文化のなかの文学伝承」
【日時】2020年2月8 日(土) 13:00~18:00
※研究会終了後、科研関係者の打ち合わせ~18:00
(http://www.tufs.ac.jp/access/
※予約不要、一般公開
1)研究報告
◆置田 清和(上智大学国際教養学部・助教)
ジーヴァのバクティ・
From Kashmir to Vṛndāvana: Abhinavagupta’s Influence on Jīva Gosvāmī’s Bhaktirasa Theory
10世紀後半に活躍したカシミール出身の偉大な思想家アビナヴァ
◆太田 信宏(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・准教授)
カンナダ語修辞学書『比類のない王の行状記』の基礎的研究:
A Preliminary Analysis of Apratimavira Carita (History of the Unequaled Hero), A Kannada Book on Rhetoric: Regional Languages and Rhetoric in Early Modern India
近世南インドで有数の勢力を誇ったマイスール王国の宮廷では、
◆坂田 貞二(拓殖大学名誉教授)
トゥルスィーダースが詠った『ラーマの行いの湖』――
Ramcaritmanas was created by Tulsidas referrig to Valmiki’s Ramayana and some medieval Rama stories
トゥルスィーダースのラーマ物語『ラーマの行いの湖』は、
2)諸連絡<文学史科研関係者のみ>
【使用言語】 日本語
【連絡先】 東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)事務局
[E-mail] findas_office[at]tufs.ac.jp
[HP] http://www.tufs.ac.jp/ts/
【終了】 2019年度 第六回FINDAS研究会「マイノリティをめぐる制度と運動――ムスリム留保とダリト運動から」1/11

2019年度第六回FINDAS研究会
「マイノリティをめぐる制度と運動――ムスリム留保とダリト運動から」
科研16K16659「現代インド・英国のカーストとダリト運動をめぐるグローバル化の重層的展開」(若手B)と共催
【日時】 2020年1月11日(土)13:00~16:30
【場所】 東京外国語大学 本郷サテライト4階セミナー室
http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/contactus/access.html
※一般公開、入場無料、予約不要
【プログラム】
◆板倉 和裕(奈良工業高等専門学校 特命助教)
ムスリム留保枠をめぐるインド州政治の展開
Politics of Muslim OBC reservation in contemporary India
現代インドではカースト政党や地域政党の出現・台頭もあり、現在では、中央レベルでの対決構図とは異なる州レベルでの二大政党制や多党制が形成されるようになっている。このような政治的発展の中で、宗教的マイノリティであるムスリムの包摂/排除の状態も地域によって異なる様相を示すようになっていると思われる。本報告では、2004年にアーンドラ・プラデーシュ州で成立したY・S・ラージャシェーカラ・レッディ政権によるムスリム留保枠導入の試みに焦点を当てながら、ムスリムが留保制度の枠内で制度的に包摂されうる政治的条件について考察する。
◆鈴木 真弥(人間文化研究機構/東京外国語大学 研究員)
現代ダリト運動におけるグローバル化とローカルな実践の重層的展開――イギリスのダリト移民調査から
Global activism and Local practice of the Contemporary Dalit Movement: A Case Study of Dalit Migrants in the UK
インドでは2000年に入ると、カースト問題をインドの「国内問題」にとどめず、人種差別のひとつとして取り組むべきだという主張がインド国内外に居住するダリト(不可触民)の活動家によって提議されるようになった。本報告では、そうした動きの背景に着目し、グローバル/ローカルな実践から、現代ダリト運動の展開と課題を検討する。トランスナショナルな運動の組織化、カースト間の協働・分裂の問題を取り上げる。
【使用言語】 日本語
【連絡先】 東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)事務局
[E-mail] findas_office[at]tufs.ac.jp
[HP] http://www.tufs.ac.jp/ts/society/findas/
【終了】 2019年度 第二回FINDAS若手研究者セミナー 「南アジアの文学」 11/30
2019年度 第二回FINDAS若手研究者セミナー
「南アジアの文学」
【日時】 2019年11月30日(土)13:00~16:30
【場所】 東京外国語大学 本郷サテライト4階セミナー室
http://www.tufs.ac.jp/abouttufs/contactus/access.html
※一般公開、入場無料、予約不要
【プログラム】
◆小松 久恵(追手門学院大学)
現代英国南アジア系表象の変容:エイジアンからムスリム、パーキスターニーへ
Dynamics of the Identities and Images in Contemporary British Writings: From Asian to Muslim and Pakistani
現代英国において南アジア系移民は最大のエスニックグループであり、そのプレゼンスは政治経済のみならず文化的にも無視できない。文学界においても、高い評価を得る複数の南アジア系作家が存在しており、また現在は移民2世、3世の若手作家の活躍が目立つ。本報告では特に自伝的な作品を複数取り上げ、時代と共に変容する彼らの帰属意識ならびに自己表象について考察する。
下記はキャンセルされました
◆村上 明香(東京外国語大学非常勤講師)
近代インドイスラーム女性の伝記的記述に関する一考察
A Biographical study on Modern Indian Muslim Women
本報告では、19世紀から20世紀初頭にかけてウルドゥー語で書かれた伝記や各種タズキラ(列伝)などに記述されている女性についての伝記的情報をもとに、当時の社会状況に注目しながら、この時代に女性が女性の生き方について書くことの意義とその特徴について考察したい。
【使用言語】 日本語
【連絡先】 東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)事務局
[E-mail] findas_office[at]tufs.ac.jp
[HP] http://www.tufs.ac.jp/ts/society/findas/
【終了】 2019年度 第五回FINDAS共催研究会「バングラデシュで考える開発NGOと現地の人々」 11/27

2019年度 第五回FINDAS共催研究会
「バングラデシュで考える開発NGOと現地の人々」
(現代ベンガル研究会、AA研基幹研究人類学班、
科研:19H00554「現代南アジアにおけるムスリム社会の多極化の傾向」(基盤A)、と共催)
【日時】 2019年11月27日(水)14:30~18:00
【場所】東京外国語大学 本郷サテライト8階会議室http://www.tufs.ac.jp/access/hongou.html
※予約不要、一般公開
<報告>
◆鈴木 亜望(神戸大学大学院)
「女性たちの仕事と支援の利用―ダカにおける手工芸品生産を事例として」
“Women’s Work and Using Help: Case Study of Handicrafts Production in Dhaka”
バングラデシュの女性は社会規範により戸外の活動が限定的であったが、産業構造の変化と開発援助の介入により、状況は変容している。本研究ではシルクスカーフの手工芸品工房において、都市に住む女性たちによるグローバルな支援との関係性と仕事をめぐる交渉を検討する。
◆山田 翔太(立命館大学大学院)
「バングラデシュ沿岸部農村における飲料水としての雨水利用―NGOの活動と村民の受動的姿勢」
“Rainwater Harvesting as Drinking Water in Coastal Bangladesh: Activity of NGOs and Passive Behaviour of Villagers”
本研究の目的は塩害による飲料水問題が深刻なバングラデシュ沿岸部農村で、雨水を貯水するタンク(以下、タンク)が普及しない理由を解明することであった。現地調査の結果、村民は受動的に援助機関の活動の対象となることに期待を寄せていることと、NGOが事業化しタンクの販売の対象から貧困層を排除してしまっていることが明らかとなった。以上のような状況が相互に作用することで、バングラデシュ沿岸部農村ではタンクが普及していないと考えられる。
【使用言語】 日本語
【連絡先】 東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)事務局
[E-mail] findas_office[at]tufs.ac.jp
[HP] http://www.tufs.ac.jp/ts/society/findas/