【終了】2020年度 第7回FINDAS研究会「ラサ論再考」

掲載日 | 2021年01月29日

2020年度第7回FINDAS研究会「ラサ論再考」

(共同利用・共同研究課題「南アジアの社会変動・運動における情動的契機」2020年度第3回研究会と共催)

 

 

【日時】  2021年2月15日(月)14:00-17:30
【場所】 ZOOMによるオンライン開催

※要予約(参加をご希望の方は、ZOOMをインストールの上、下記URLより2月12日(金)17:00までにご応募ください。)

https://forms.gle/apkFpJYXFSJ3gHkNA

 

 【報告者・題目】

◆横地優子 (京都大学)

「ラサ論:どのようにして感情は芸術的感動に変容するのか」

“Rasa Theory: How Are Emotions Transformed into Aesthetic Experience?”

 

「味わい」を意味するラサ(rasa)という概念は、インドの演劇論において、演劇から生まれる日常の感情とは異なる「感動」を指すものとして導入され、のちにより一般的な「芸術的感動、美的体験」として文学作品や音楽、舞踊、美術にも適用されるようになった。このラサの理論において主要な論点となったのは、日常的な感情(bhāva)がどのようにしてラサに変容するのか、そのメカニズムである。本発表では、感情とラサの関係を概説したのち、ラサの理論史を、その始まりから演者の立場から観客の立場へという視点の大転換を経て、観客の視点からの批評的ラサ論を完成させたアビナヴァグプタ(Abhinavagupta, 1000年頃)のあたりまで追っていく。最後に、アビナヴァグプタにとっての日常経験と美的体験と宗教的体験の関係を考察する。

 

 

◆置田清和(上智大学)

「信仰は感動をもたらし得るか:バクティ・ラサの歴史」

“A Brief History of Devotional Aesthetic Sentiment (Bhakti-rasa)”

 

われわれは何故感動するのか?優れた演劇や文学作品に触れた際の経験を体系的に考察したのが美的経験(ラサ)論である。バラタ著『演劇論 (ṭya-śāstra)』(4世紀)に端を発するラサ論はアビナヴァグプタ(10世紀)によって一応の完成を見る。しかし中世以降、神への情熱的な信仰(バクティ)の機運が高まると、信仰は既存の9種の美的経験に含まれると結論したアビナヴァグプタやヘーマチャンドラ(12世紀)に対して、信仰は既存の9種から独立した美的経験である、という反論が見られるようになる。本発表では『バーガヴァタ・プラーナ』(10世紀)、ヴォーパデーヴァ、へーマドリ(13世紀)、ジーヴァ・ゴースワーミー(16世紀)らの著作に焦点を当て、信仰に基づく美的経験(バクティ・ラサ)という概念の発生と展開について考察する。そして最後にバクティ・ラサ論と19世紀以降に台頭したヒンドゥー・ナショナリズムとの関係性ついて検討してみたい。

 

コメンテータ:栗原麻子  (大阪大学)

【使用言語】 日本語

【連絡先】  東京外国語大学南アジア研究センター(FINDAS)事務局

[E-mail] findas_office[at]tufs.ac.jp