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2013年11月4日 第3回FINDAS研究会 「歴史から紐解く現代インド:象徴とテクスト」の報告

掲載日 | 2013年11月06日

2013年11月4日に行われました2013年度第3回FINDAS研究会の報告です。本研究会は基盤研究(A)「多言語重層構造をなすインド文学史の先端的分析法と新記述」(代表:水野善文)との共催でした。

全体テーマ: 歴史から紐解く現代インド

発表者1:水野 善文
発表者2:太田 信宏
発表者3:高島 淳

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発表者1:水野 善文(東京外国語大学 総合国際学研究院)
「極楽・龍宮・錬金術」
本報告は、仏教文献、二大叙事詩・プラーナ、その他各種の説話文学を検討し、極楽浄土・龍宮・そして錬金術/長生術というテーマが交錯するあり様を描き出した。仏典に見られる極楽浄土と地下/海底世界としての龍宮とが重なり合うものであったこと、地下世界からもたらされる錬金術が長生術と融合するものであったことを、多様な文献からの例を示しつつ明らかにした。

発表者2:太田 信宏(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所)
「植民地期南インドにおける歴史記述をめぐる諸問題」
本報告は、マイソール藩王チャーマ・ラージェンドラ(在位1868-94)没後に書かれた歴史記述の内容と形式を比較検討するものであった。マイソール王国史の概略と、チャーマ・ラージェンドラ王の位置づけについて説明が行なわれた後、20世紀前半におけるマイソール王国史の編纂・出版の流れが示された。本論では、Em. Simgrayya と Sosale Ayyasastri というふたりの著者による歴史の叙述を比較分析した。いわゆる「近代的な」歴史叙述が、植民地化によって一様に移植されたのではなく、前植民地的な形式と新たな形式が混在していたことが示された。

発表者3:高島 淳(東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所)
「ラームモーハン・ロイとタントリズム」
本報告は、ラームモーハン・ロイによるタントラの利用のしかたについて、具体的な文献の検討を通じて考察するものであった。『クラールナヴァ・タントラ』などの文献を参照しつつ、『マハーニルヴァーナ・タントラ』とロイの関係の検討を中心に行なった。ロイが学問的にどれほど深いタントラ理解を有していたかについては疑問を示しながらも、彼の思想にタントラが重要な影響を与えていたことを確認した。