2013年2月17日 第4回FINDAS研究会「キリスト教とインド―排除と受容の論理」の報告

掲載日 | 2013年02月22日

2013年2月17日に行われました2012年度第4回FINDAS研究会の報告です。

テーマ「キリスト教とインド―排除と受容の論理」

発表者1: サガヤラージ アントニサーミ(南山大学)

発表者2: 井上貴子(大東文化大学)

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発表者1: サガヤラージ アントニサーミ(南山大学)
「インドにおけるキリスト教―改宗問題とコミュナリズム」

本報告では、バラティヤ・ジャナタ党が中央政権奪取を成し遂げた1998年以降、オディシャー州、マディヤ・プラデーシュ州、カルナータカ州、タミル・ナードゥ州などで増加したインドのキリスト教徒に対する暴力事件が増加したことをまず確認した。その要因として、英国統治期にもたらされたキリスト教思想、または言語を基本とする民衆に対するキリスト教的近代教育が、上層カースト・下層カースト・不可触民の三階層に影響し、独立に向けたナショナリズム運動をはじめとする多様な運動を引き起こしたことを論じた。

発表者2: 井上貴子(大東文化大学)
「歌う会衆―インドのキリスト教における教会・礼拝(典礼)・聖歌」

本報告では、まずインドのキリスト教聖歌の多様性が示された。キリスト教の礼拝における音楽の特徴は、音楽家ではない普通の人々が典礼の際に声を合わせて歌うことにある。インドにキリスト教が受容されたころは押し付けだったかもしれない聖歌も、インド人自身がインド音楽の伝統的な文脈から聖歌を再解釈し、再構築し、土着化し、自らのものとしてきたことを論じた。質疑応答では、インドのキリスト教におけるグレゴリオ聖歌を中心とする儀礼的規範がどのような過程で崩壊していったのか、その後の多様化の結果、セクト的な分裂状況はどのように表れていったのかなど、歴史的背景の中にインドのキリスト教における音楽を位置づける議論が展開された。