2012年10月13日 第2回FINDAS研究会「草の根の女性運動からみる現代インド」の報告

掲載日 | 2012年11月29日

10月13日に行われました2012年度第2回FINDAS研究会「草の根の女性運動からみる現代インド」の報告です。

テーマ「草の根の女性運動からみる現代インド」

報告者1: 菅野美佐子 KANNO Misako(日本学術振興会)

報告者2: 喜多村百合 KITAMURA Yuri(筑紫女学園大学)

報告者3: A. Dhanalakshmi(Acharya Bangalore B School, Bangalore)

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報告者1: 菅野美佐子 KANNO Misako(日本学術振興会)
“Politics of Intimacy :Women’s Network and Rural Democracy in Uttar Pradesh”

北インド農村では村落自治制度における女性の議席留保制定以降、女性議員の数は飛躍的に増加したが、その一方で村落政治における支配構造やジェンダーをめぐる社会規範などにより、議会への参画を十分に果たせているとは言い難い状況がある。こうした状況のなかで女性たちはいかにして権力や支配の構造と対峙しているのか。本報告では、ウッタル・プラデーシュ州の事例をもとに、農村女性たちが自治機構に自らの権利要求を進めていく過程から、彼女たちの政治的エイジェンシーの可能性を検討した。

菅野氏 配布資料(PDF)

報告者2: 喜多村百合 KITAMURA Yuri(筑紫女学園大学)
“Beyond ‘the Politics of Presence’: Women’s Participation in Panchayat Governance in Kerala”

本報告では、経済的には低成長にもかかわらず、高い社会指標を示しているインド南部のケーララ州における、女性の経済的・政治的参加とジェンダー関係の変化の過程を概観し、その後S Gram Panchayatなどのローカル・ガヴァナンスの活動を通して地方組織、ジェンダーさらにはそれらの共同作用の可能性を探った。討論では、このケーララの事例が、インドにおいて1つのモデルといえるのかあるいは例外であるのか、といった論点が提出された。

喜多村氏 配布資料(PDF)

報告者3: A. Dhanalakshmi(Acharya Bangalore B School, Bangalore)
“Micro Financial Initiatives of Centre for Rural Health and Social Education (NGO) among Women Self Help Groups in Tamil Nadu”

インドの経済政策の影響で経済構造に多大な変化が生じている中で、政府の小規模融資イニシアティブをきっかけとして、NGOを中心に自助グループのエンパワーメントの動きが広まっている。本報告では、1978年以来タミルナードゥ州で活動を行っているNGO農村医療・社会教育センター(CRHSE)の事例に注目し、その成果と課題を明らかにした。援助の対象であった女性たちは、小規模融資を通じて確かに大きくエンパワーされたが、同時に男性が援助対象から外されたことに由来する摩擦や、社会的に女性に期待される役割が変わっていないなどの問題も存在することを指摘した。