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2012年10月27日 第3回FINDAS若手研究者セミナー<コロニアル状況と知の力学>のお知らせ≪終了しました≫

掲載日 | 2012年10月03日

東京外国語大学拠点FINDASでは、下記の要領で研究会を開催いたします。

万障お繰り合わせのうえ、ご参加ください。

※どなたでもご参加可能です。事前のご連絡は要りません。

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2012年度 第三回FINDAS若手研究者セミナー<コロニアル状況と知の力学>

日時:2012年10月27日(土)13:00~17:00

場所:東京外国語大学本郷サテライト4階セミナールーム

コロニアル状況下に生産された大量の資料の精査から、当時の知の力学を明らかにします。今回は若手3人にご登壇いただき、それぞれ刑罰制度史、「ヴァナキュラー」をめぐる言語問題、国勢調査の問題を取り上げ、多様な主体による植民地的「知」の創造過程とポリティクスの輪郭を浮き彫りにしていきます。

■それぞれのタイトルと要旨

発表者1:宮本隆史(東京大学)

タイトル:

「英領インドの刑罰制度史における規律と抵抗の再考察―監獄の比較制度史に向けて」

要旨:
19世紀の英領インドにおける監獄は、植民地統治の諸技法が試された「実験場」、そして囚人による諸実践の行なわれた空間として、研究者に 注目されてきた。特にフーコー派の規律権力論とサバルタン研究の強い影響のもとに開始された「植民地監獄」研究の路線では、植民地当局が「規律化」のプロジェクトとして監獄を導入したと位置づけると同時に、囚人を一方的な被支配の対象ではなく折衝能力をもった主体として描くという叙述パターンがみられた。しかし他方で、制度がなぜ特定の経路を通って変化したのかについて説明することは中心的な問題とされてこなかった。この報告では、英領インドの海峡植民地と北西州というふたつの領域における監獄制度の変化の経路を比較することを通じて、その変化の要因を考察する。そのうえで、統治思想や囚人の行動選択といった諸要因を、制度変化との関連において位置づけなおす必要があることを論じる。

発表者2:足立享祐(東京外国語大学)

タイトル:

「近代インドの言語問題における「ヴァナキュラー」――植民地形成期のマラーティー語論を事例として」

要旨:
近代インドを特徴付ける一つの命題は、統治者の言語として圧倒的な卓越を示すこととなった英語と、「ヴァナキュラー」として位置づけられたインド諸語との関係性がもたらす言語問題である。インド諸語が果たしてきた歴史的な役割については、言語別州再編に代表されるようなアイデンティティの形成、或いはより近年では公共圏や印刷文化という近代的な場の構築と云った観点から論じられてきたが、本報告ではそれらの原点とも云うべき、植民地形成期におけるインド諸語の地位、規範そして学習といった言語計画の観点から、「ヴァナキュラー」であることが持つ意味を改めて問い直すものである。具体的な事例として、東インド会社資料並びにインキュナブラを用いつつ、英領インドボンベイ管区が実質的にインド西部を統治していく過程の中、知印派東インド会社職員と現地知識人の間で繰り広げられた「マラーティー語」論の歴史的な展開を取り上げたいと考えている。

発表者3:三瀬利之(清泉女子大学)

タイトル:

「<インド>を数量化する――帝国主義期の英領インド国勢調査プロジェクト」

要旨:

英領インドの国勢調査といえば、植民地政府によるインド社会の定量化プロジェクトの金字塔ともいうべき存在である。なかでも「カースト・部族・人種統計」は、分割統治や支配の道具を象徴する代表的事例として語られてきた。しかしこれまで、その情報生産において働く具体的な力学についての学術的な解明は、関連資料の膨大さゆえにか、十分におこなわれてきたとはいい難い状況である。本発表では、おもにインド国立公文書館所蔵の「稟議」段階での資料にもとづき、とりわけ内務省における事案の策定原理、国勢調査長官職や事務次官職などの人事過程、現地人協力者やインフォーマントの特徴などに注目して、従来の通説ではあまり光があてられてこなかった、帝国主義期の国勢調査が有していた独特の性格について議論してみたい。

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