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地域基礎U

現ポルトガル・アフリカ研究U
大航海時代か18世紀までのポルトガル、世界、アフリカ
【キーワード】世界史、西洋史、ポルトガル史、アフリカ史、アフリカ分割、帝国主義、社会主義、解放思想、パン・アフリカニズム、脱植民地化、反体制運動、オーラルヒストリー、民衆史、ポルトガル語圏アフリカ

水曜日(2限)
 教室114号室
講師:舩田クラーセンさやか
http://afriqclass.exblog.jp/

【授業の目的】

ポルトガル語圏アフリカの現代史を、世界、ヨーロッパ(ポルトガル)、他のポルトガル語諸国、アフリカ地域との重層的な関係の中に位置づけ、学ぶ。特に、講師が長年にわたり調査を行ってきたモザンビーク北部農村住民に視座をおくことで、従来の歴史観を打ち破る機会を与える。受講生は、内容に入る前に「大学で学ぶこと」について学ぶ。
 

【授業概要】

1. 受講生は、講義の内容に入る前に、「大学で社会科学を学ぶこと」(応用編)の実践を
 行う。前期には、高校の世界史教科書を使った実践を行ったが、後期は新聞を使う。

2. 前期では、15世紀のポルトガルによる大航海時代の幕開けが、世界およびアフリカに
 及ぼしたインパクトを押さえつつ、なぜヨーロッパの一小国がここまでの大事業をなしえ
 たのかについて明らかにした。また、資本主義経済が世界化していくプロセスも、詳しく
 検討した。

3. 後期の本授業では、前期ではカバーしきれなかった、海外進出に伴って黄金時代を
 築いたポルトガルが衰退していく過程とその要因の検討を行う。対象とするのは18世紀
 〜19世紀にかけてである。

4. そのうえで、弱小国ポルトガルが、19世紀末のベルリン会議において、なぜ広大なアフ
 リカ植民地領を手放さずに済んだのかを、ヨーロッパ諸国間競争と当時のアフリカの状
 態から明らかにする。

5. そして、ヨーロッパ諸国間によって認められたポルトガルのアフリカ植民地領において
 どのような支配がなされたのか、アンゴラとモザンビークを事例として取り上げ、紹介す
 る。

6. これに対して、アフリカの人びとが、世界の人びととの協力によって、どのような解放
 運動を実践し、実際に独立を達成していったのか、パン・アフリカニズムとポルトガル領
 アフリカの運動を中心に検討する。

7. 独立時点で、ポルトガル語圏アフリカ諸国が、どのような状況にあり、どのような政策
 を採択したのかを明らかにしたうえで、戦争に巻き込まれていくアンゴラとモザンビーク
 の様子を紹介する。

8. 最後に、戦後復興を遂げたアンゴラとモザンビークを中心に、ポルトガル語圏アフリカ
 諸国の現状を紹介する。 1. イベリア半島の一小国にすぎないポルトガルが、世界に先
 駆けて大航海に乗り出した 背景とそれを可能とした条件を明らかにする。


【評価】
出席・参加(25%)、課題・感想文(30%)、期末試験(45%)に基づき、総合的に判断する。



【授業計画(案)】

日程

テーマ

詳細

106

オリエンテーション

世界のポルトガル語圏についての紹介

1013

大学で社会科学を学ぶ(1)(応用編)

〜新聞比較から

課題:新聞批評

(記事持参)

1020

大学で社会科学を学ぶ(2)(応用編)

〜新聞比較から

課題:新聞批評

(執筆)

1027

ポルトガルの衰退(18世紀〜)

113

祝日

1110

休講                                           (*課題の執筆に取り組む)

1117

19世紀後半のヨーロッパ列強によるアフリカ侵略と分割

〜「ばら色地図(ポルトガル)」

1124

学園祭

121

ポルトガルによるアフリカ植民地支配:20世紀前半(アンゴラ)

〜「第二のブラジル」を目指して

128

ポルトガルによるアフリカ植民地支配:20世紀前半(モザンビーク)

〜人びとが語る「抵抗と制圧」(1890年〜1921年)

1215

ポルトガルによるアフリカ植民地支配:20世紀前半(モザンビーク)

〜人びとが語る「支配と抑圧」(1921年〜1960年代)

*サラザール体制と植民地支配

1222

アフリカ解放の動きとポルトガル植民地住民の呼応:20世紀後半

〜パン・アフリカニズムと反ポルトガル支配運動(1950年代〜60年代)

112

ポルトガル語圏アフリカ諸国の独立(1960年代〜1970年代)

〜反サラザール運動、ゴアと東チモールの動き

〜武装解放闘争(ギニアビサウ、アンゴラ、モザンビーク)と世界

〜独立と社会主義

119

ポルトガル語圏アフリカ諸国の現在(1980年代〜90年代)

〜アンゴラ、モザンビークの戦争

〜戦後復興と経済成長

126

ポルトガル語圏アフリカ諸国の現在(1990年代〜現在)

〜アンゴラ、モザンビークの戦後復興と経済成長

〜カーボ・ベルデ、サントメ・プリンシピ、ギニアビサウ

22

期末試験

29

試験解説&総括


【教科書】
・ デービッド・バーミングガム『ポルトガルの歴史』創土社
・ 金七紀男『ポルトガル史』彩流社
・ 舩田クラーセンさやか『モザンビーク解放闘争史』御茶水書房


【参考文献】

 ・  市之瀬敦『ポルトガルの世界』社会評論社

 ・  立石博高(編)『スペイン・ポルトガル史』山川出版

 ・  宮本&松田『新書アフリカ史』講談社現代新書

 
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