地域基礎T
現ポルトガル・アフリカ研究T
大航海時代から18世紀までのポルトガル、世界、アフリカ
水曜日(2限)
教室114号室
講師:舩田クラーセンさやか
研究室:750号室
【授業の目的】
●受講生は、内容に入る前に「大学で学ぶこと」について学ぶ。
特に、次の点を実践に基づき行う。
高校までの学習と大学以降の学習は何が違うのか。教科書やメディアの情報などにどのような姿勢で接すべきな のか。「事実」とは何で、「客観」とは何か。自分の視点とはどのような視点なのか。大学でレポートを書くということ はどういうことなのか。社会科学とは何か。
● 内容については、現代世界に大きな影響を及ぼすことになる資本主義世界経済の
形成に重要な役割を果たしたポルトガルの大航海時代を、ポルトガル・イベリア
半島・地中海・ヨーロッパ・アフリカ・世界の文脈の中に位置づけて再検討する。
【授業の手順】
1. イベリア半島の一小国にすぎないポルトガルが、世界に先駆けて大航海に乗り出した 背景とそれを可能とした条件を明らかにする。
2. ポルトガルによる大航海以前と以後の世界を比較・分析することで、そのインパクトを 理解する。
3. この大航海が世界にもたらした意味を、資本主義世界経済の形成を中心に明らかに する。
4. 以上の日本へのインパクトを学ぶ。
5. ポルトガルの世界覇権が終焉し、次の覇者にバトンタッチされていく背景を明らかに
し、後期の授業につなげる。
【成績】
出席・参加(30%)、課題(20%)、感想文(10%)、期末試験(40%)に基づき、総合的に判断する。
【教科書】
*ポルトガル史そのものを教えるわけではないので、次のどちらかの本で自主学習を心掛けてほしい。
・ デービッド・バーミングガム『ポルトガルの歴史』創土社
・ 金七紀男『ポルトガル史』彩流社
【参考図書】
・ 金七紀男『エンリケ航海王子―大航海時代の先駆者とその時代』刀水書房
・ 市之瀬敦『ポルトガルの世界』社会評論社
・ Boxer,The Portuguese Seaborne Empire 1415-1825(Carcanet:1969)
・ 宮本&松田『新書アフリカ史』講談社現代新書
・ 富永智津子『ザンジバルの笛:東アフリカ・スワヒリ世界の歴史と文化』未来社
・ イマニュエル・ウォーラースティン『近代世界システムT〜農業資本主義と「ヨーロッパ世界経済」の成立』岩波現代選書
【授業計画】
日程
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メインテーマ
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詳細(利用教材)
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参考図書
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4月14日
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オリエンテーション
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クイズ・音楽・地図
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4月21日
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大学で学ぶということ(1)
〜高校教科書リサーチ(世界史)
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1. 個別分析
2. 個別レポート作成
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高校教科書「世界史」」
*個別レポート@提出
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4月28日
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大学で学ぶということ(2)
〜高校教科書リサーチ(世界史)
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1. グループ分析
2. グループ発表(模造紙)
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高校教科書「世界史」
*グループ発表提出
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5月5日
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祝日
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5月12日
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大学で学ぶということ(3)
〜高校教科書リサーチ(世界史)
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1.
グループ発表(続き)
2.
課題文読む
3.
課題文・個人分析・グループ発表を踏まえた個別レポート作成解説
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高校教科書「世界史」
課題文配布
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イベリア半島・北アフリカ情勢とポルトガルの建国
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パワーポイント(古)
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5月19日
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14世紀から15世紀にかけての世界状況〜欧州にとってのアフリカ(1)
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ポルトガルによる大航海前史(なぜポルトガルは世界に出て行ったのか?)
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NHKスペシャル『ダ・ガマ』
本講義の指定教科書
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5月26日
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14世紀から15世紀にかけての世界状況〜欧州にとってのアフリカ(2)
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ポルトガルの大航海の実態
(「平和的なものだった」のか?)
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NHKスペシャル『ダ・ガマ』
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6月2日
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ボート大会
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6月9日
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非欧州世界にとっての15世紀のインド洋世界(1)
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アラブ世界・中国とアフリカをつなぐもの
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パワーポイント1421
*個別レポートA提出
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6月16日
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非欧州世界にとっての15世紀のインド洋世界 (2)
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インド洋地域の発展とポルトガルの進出
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『新書アフリカ史』
『ザンジバルの笛』
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6月23日
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15世紀以降の世界〜欧州の世界征服の始まり
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ポルトガルによるアジア支配
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パワーポイント
本講義の指定教科書
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6月30日
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15世紀以降の世界〜欧州の世界征服と日本
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日本の位置づけ
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パワーポイント
ビデオTBS
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7月7日
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大航海の世界史的インパクト
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資本主義の発達、世界化への影響
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パワーポイント
ウォーラスティン
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7月14日
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ポルトガル覇権の終焉
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ポルトガルの衰退
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本授業の指定教科書
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7月21日
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休講
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7月28日
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期末試験
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8月4日
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試験解説
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【履修にあたての注意事項】
● 21日(水)までに、高校の教科書(世界史)を実家などから取り寄せておくこと。
*もっていない場合はこちらのものを貸しますが、授業を理解するために手元に年表などあったほうが良いと思います。
● 授業中の携帯などの使用は認めない。万一携帯を使用した者は不合格とする。
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