舩田クラーセン公式ウェブ
トップ EnglishPage 調査プロジェクト 研究 教育 社会活動 ポルトガル語圏アフリカ リンク
 


現代アフリカ紛争・平和論  2010年度授業計画(シラバス)



月曜日(4限)14:50〜16:20
 教室115号室
講師:舩田クラーセンさやか
http://afriqclass.exblog.jp


【授業の概要】
ポスト冷戦期のアフリカ地域における武力紛争(「新しい戦争」)について、世界的・歴史的・地域社会的な文脈に位置づけることによって受講生の理解を深める一方、平和構築の可能性について一緒に模索する。前半では紛争に力点を置き、後半は平和について取り上げる。全体を通して、特に「民衆の動員」「エモーション(感情)」に焦点を当てて検討する。


【授業特徴】
「遠いどこかの戦争と平和」を考えるのではなく、より身近な課題として紛争と平和を理解し、分析を可能とするため、映画の題材にもなったルワンダ虐殺、第二次世界大戦や日中戦を含む所謂「古い戦争」も比較事例として扱う。また、外部ゲストによる講演会を行う他、Harvard Law SchoolやTranscend Internationalなどが考案したグループワーク(GW)やロールプレイなどを多用し、参加型の授業を行う。
*積極的に授業に参加する気持ちのない学生は受講しないように。


【授業計画】


日程

メインテーマ

事例 /

利用教材/参考図書

104

オリエンテーション

・参加者の意識確認

・シラバス説明

・皆にとっての戦争と平和とは?

・アフリカの紛争とは?

・なぜこの授業を?

シラバス

Brainstorming

Group Work

1011

祝日

紛争論

1018

【データ&理論】

世界の紛争とアフリカの紛争、そして「新しい戦争」

・世界の紛争の数量的変化

・アフリカの紛争の数量的変化

・「新しい戦争」「古い戦争」

Smith(2003)

カルドー(2003

*前回との比較(GW

1025

【理論】

ポスト冷戦期におけるアフリカ紛争の特徴

・現代アフリカ紛争論〜ポスト冷戦期の紛争はなぜ起ったのか?

 

武内(2010)「アフリカ紛争論」『アフリカ学入門』

111

【公開講座】紛争後モザンビークにおける農業開発

1. モザンビーク紛争とその後(舩田クラーセンさやか)

2. モザンビークにおけるFAOの取り組み

Ms. Maria Margarida Chaves Marques/国連農業食糧機関FAOモザンビーク事務所次長

118

休講                         *受講生は、提出する課題に取り組む

1115

【理論の再考&事例】

「新しい戦争」「古い戦争」(1

・「古い戦争」vs「新しい戦争」

〜はたして両者は異なるのか?

・一般民衆と戦争との関係(1

・ルワンダ虐殺を事例として

カルドー(2003

映画「ホテル・ルワンダ」(ただし英語)

1122

学園祭により休講

1129

【理論の再考&事例】

「新しい戦争」「古い戦争」(2

一般民衆と戦争との関係(2

・ルワンダ虐殺を事例として

映画「ホテル・ルワンダ」

126

【公開講演会】社会的起業を通じた国際協力〜虐殺後のルワンダにおける微生物の挑戦〜

佐藤芳之氏(現オーガニック・ソリューション・ルワンダ社長)    *課題提出

1213

【理論の再考】

日本の戦争経験から学ぶポスト冷戦期のアフリカ紛争(1)

・一般民衆の戦争への動員とは?

グループによる討論

・共通する点、共通しない点

・「新しい戦争論」の再考

課題に基づくGroup Work

・報道による動員

・手柄による動員

・恐怖による動員

平和論

1220

【理論の再考】

日本の戦争経験から学ぶポスト冷戦期のアフリカ紛争(2)

・一般民衆の戦争への動員とは?

グループによる発表

Group Workに基づく発表(学生評価)

暴力とは?平和とは?

・戦争のない状態=平和?

・ガルゥングの紛争、暴力、平和理論

ガルトゥング(2003

117

【理論&実務】

ポスト冷戦期における平和構築概念の展開とアフリカ

国連等による平和活動

・平和構築とは?

・人間の安全保障とは?

・地域機構の役割

Ghali(1992;95)

Anan(1998;2000)

緒方セン(2003)

124

【理論&実務】

アフリカにおける「平和構築」の現在

Truth, Reconciliation, Healing

・南ア、ルワンダ、モザンビーク

・草の根の役割

 

131

【期末試験】

27

【実務】トランセンド(Transcend

紛争転換(Transcend)を使った平和建設(Peacebuilding)を試す

Transcend International http://www.transcend.org/

28

【実務】紛争交渉(Conflict Negotiation

ハーバード法科大学院の紛争交渉のシュミレーション・モデルを試す

Program on Negotiation at Harvard Law School




【成績】
出席&GWへの参加(30%)、感想文(10%)、課題(30%)、期末試験(30%)



【課題】 (提出:12月6日の授業の開始時)

「日中戦争・第二次世界大戦中の日本における一般民衆の戦争動員」

(1)次の項目の中からひとつを選び、具体的な動員手法を紹介する(誰が、誰に対して、実際どのような効果をもったかを含む)。
  (ア) 報道や映像を使った動員
   (イ) 手柄による動員(例:天皇、報酬、女性)
    (ウ) 不安・恐怖による動員(例:沖縄戦)
    (エ) その他(思いつくものを活用)

(2) 動員された民衆側にたち、「なぜこのような手法によって戦争に動員されたのか」について自分なりに考察する。

(3) 「自分だったらどうだったか?」について考察する。

(4) ポスト冷戦期のアフリカ紛争との相違点を明らかにする。

(5) 課題に取り組んだうえでの感想を述べる。

*A4x3枚〜5枚の両面印刷(図や絵、写真の別紙添付OK)
*ブログやWikipediaなどを使わない
*資料の丸写しをしない(どの部分の引用が誰のものか分かるように脚注などをつける)
*参考文献・サイト一覧をつける


【注意事項】

*分からなかった点や相談などは、必ず授業終了直後にすること。必要な場合はアポイントメントを取ること。授業に関するメールでの問い合わせは、基本的に受け付けない。

* メールでの宿題・課題の提出は認めない。必ず授業の際に提出すること。



【文献】

1.課題文献

・ 武内進一(2010)「紛争論〜ポスト冷戦期の紛争はなぜ起ったのか」舩田クラーセンさやか(編著)『アフリカ学入門〜ポップカルチャーから政治経済まで』明石書店

・ メアリー・カルドー(2003)『新戦争論』岩波書店


2.参考文献

・ ヨハン・ガルトゥング(2003)『ガルトゥング平和学入門』法律文化社

・ 武内進一(2000)「アフリカの紛争―その今日的特質についての考察」『現代アフリカの紛争―歴史と主体』アジア経済研究所・ 武内進一(2003)「アジア・アフリカの紛争をどう捉えるか」『国家・暴力・政治―アジア・アフリカの紛争をめぐって』
・ Dan Smith (2003), The Atlas of War and Peace, EARTHSCAN ・ 木畑洋一(編)(2004)『20世紀の戦争とは何であったか』大月書店

・ 朝日新聞(2008)『新聞と戦争』朝日新聞社

・ 加納実紀代(1995)『女たちの銃後』インパクト出版会

・ 資源問題研究会(2008)『世界資源マップ』ダイヤモンド社


3.参考サイト
・ Ghali(1992/1995), Anan(1998/2000),緒方貞子&アマルティア・セン(2003)は、国連のウェブサイトからダウンロードのこと。http://www.un.org
・ Transcend International http://www.transcend.org/
・ Harvard Law School, Program on Negotiation http://www.pon.org/catalog/index.php


 
Copyright(C) Funada-Classen Official Website All rights reserved.