トルバドゥールにおける“愛”の表現 末吉 和香子 序章で、トルバドゥールの歌が歴史的、文化史的に考察されています。この論文の中核は、Martin de Riquerの校訂本、いくつか出版されている邦訳、日本で入手可能なCD等を利用して、トルバドゥールの抒情詩にあらわれる3つの単語、cor、drut、joisの意義を分析した部分です。フランス語を専攻する者にとっても、ほとんど外国語といってもいいくらい難しいトルバドゥールの言語に果敢に挑んだ論考と言えるでしょう。