外国語教育学会 (JAFLE)
2013年度 シンポジウム
外国語教育と言語コーパス
What's New
2013.12.5  HP開設
2014.2.7 レジュメ掲載
2014.3.10 写真掲載
日時 2014年3月2日 (日) 14:00-18:00
 東京外国語大学事務棟 2F 大会議室

参加費 無料(会員、学生) 1000円(一般)
場所 東京外国語大学

シンポジウムでは、フランス語、ドイツ語、マレーシア語、朝鮮語、日本語の各言語における言語コーパス(書き言葉あるいは話し言葉)の構築とその現状について概観し、コーパスを利用した言語分析とその教育への応用可能性について報告する。また、言語コーパスを利用することの利点や課題等について説明する。最後に、報告内容に関連する事項について自由討論を行う。
14:00-14:10  開会の辞
    司会: 黒澤 直俊 (東京外国語大学大学院教授)

14:10-14:40 no1  フランス語教育と言語コーパス
   秋廣 尚恵 (東京外国語大学大学院講師)

文法には大きく分けて規範的文法と記述的文法がある。これまで、フランスは文法教育において規範的意識が非常に高い国として知られてきた。しかし、コーパス言語学の発展に伴い、規範的文法の陰に隠れて、これまで知られることのなかったフランス語の実態を記述的文法書に書き表そうという新たなプロジェクトが幾つか進行中である。それらのプロジェクトを紹介しつつ、今後の文法教育にいかなる影響をもたらすかを考察する。
14:40-15:10    ドイツ語教育と言語コーパス
   時田 伊津子 (日本大学理工学部助教)

はじめに、ドイツ語の言語コーパスの現状を概観し、ドイツ語研究所(IDS)やベルリン・ブランデンブルク科学アカデミーの書き言葉コーパス、IDSの話し言葉コーパス、ベルリン・フンボルト大学の学習者コーパス等を紹介する。続いて、ドイツ語教育の分野でコーパスが導入されている事例を報告する。具体的には基礎語彙の選定、辞書作成、教材作成などの例を挙げる。以上の例を踏まえ、コーパスが今後どのようにドイツ語教育に応用できるかについて述べる。
15:10-15:40 no2  マレーシア語教育と言語コーパス
   野元 裕樹 (東京外国語大学大学院講師)

本発表では、2つのマレーシア語のコーパスを紹介し、その言語教育での利用の可能性と限界を論じる。紹介するコーパスは、言語図書局(Dewan Bahasa dan Pustaka)のコーパスと東京外国語大学の多言語話ことばコーパス(マレーシア語)である。それぞれ、フォーマルな書き言葉とインフォーマルな話し言葉のコーパスで、規模は極めて小さい。これらのコーパスの教材開発や授業での実際の利用は、その使い勝手と規模の制約が伴い、工夫が必要となる。
     休憩
16:00-16:30    朝鮮語教育と言語コーパス
   金 珍娥 (明治学院大学准教授)

20世紀末から構築が進められた韓国語言語コーパス「21世紀世宗計画」について概観したのち、とりわけ韓国語と日本語の〈話されたことば〉の対照言語コーパスの構築と、日韓対照言語コーパスによって得られている研究成果を見る。日韓対照言語コーパスを用い、談話論と文法論を統合する観点から実際の〈話されたことば〉を見ると、これからの言語教育がその根幹から取り組むべき課題が、鮮明に浮かび上がる。
16:30-17:00 no3  日本語教育と言語コーパス
   鑓水 兼貴 (国立国語研究所)

コンピュータの性能だけでなく、インターネットの通信容量の拡大によって、日本語においても、大規模なコーパスの検索サービスが、WEB上で利用できるようになってきた。発表では、この10年間、様々な大規模コーパスの作成に取り組んできた国立国語研究所による各種日本語コーパスについて紹介する。それぞれのコーパスの設計方針や利用状況について紹介するとともに、日本語教育での応用について展望する。
17:00-17:50    自由討論 
no4
17:50-18:00  閉会の辞


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