Fuchu1
外国語教育学会 (JAFLE)
第18回研究報告大会

What's New

大会発表の募集 8/22

発表募集の終了 9/20
大会プログラム(第1版) 9/29
大会プログラム(最終版) 10/22
大会ポスター 10/23
理事会の場所修正 10/28
大会終了 11/2
写真 11/5
投稿について 11/19
修正 11/20

Fuchu2
日時 2014年11月1日(土)
9:30-18:40
 (予定)
場所 東京外国語大学
第18回大会ポスター(PDF)

第18回大会は無事終了しました。



投稿規定および流れについては、以下のページを参照ください。
投稿規定と出版までの流れ

第18号スタイルシート

第18号の投稿期限 2015年3月7日(土)


受付では会費の徴収を行いません。会費はあらかじめ郵便局で振込ください。

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プログラム

会場 東京外国語大学
発表会場  事務棟2F 大会議室、中会議室
理事会室   研究講義棟 中会議室

午前の部 大会議室  
9:30 開会の辞
 

司会 馬場 千秋 (帝京科学大学) 発表内容
 9:40-10:10 OV/V2言語学習者の産出する2つのタイプのいわゆる従属節

川村 三喜男 (武蔵大学)
補文と副詞的従属節は内部の統語的性質について共通するが、主節中における統語論的行動、および主節への従属度合につき異なる。しかしこうした異なりは外国語教育では看過されるのが一般的である。本報告は、副詞的従属節を論じた川村(2013)の成果を踏まえ、オランダ語の学習者たちが産出するこれら2つのタイプの従属節の形と、産出手続きにつき発表者の作成したデータベースを分析し、正用法に従った言語表現の産出に導くための指導方法を見出すことを試みる。
10:10-10:40 日本人高校生の品詞習得

小西 瑛子 (東京学芸大学非常勤講師)
本発表は、名詞、動詞、形容詞、副詞の四つに関して「日本人高校生の品詞習得がどのような状態になっているか」に関する調査結果の一部である。先行研究では、名詞はもっとも習得が容易な品詞であった(Ellis and Beaton, 1993; 谷内, 2002)。実際、数少ない品詞習得に関係する実験においても、名詞他の品詞に先行して習得されやすいとされている(斉田, 2008; Vasiljevic, 2010; 堀場, 2011)。しかしながら、以前行った筆者の調査では、日英両方において名詞は習得困難な品詞の一つであった。より大規模な本研究でも同様の結果が得られたので、それらについて詳細を述べる。
10:40-11:10 高等学校英語教科書の分析
-語彙データ分析の観点から-

遠藤 貴章 (千葉大学大学院)
本田 勝久 (千葉大学)
平成21年度における学習指導要領の改訂で高等学校英語教科書における語彙数は1300語から1800語へと充実が図られた。しかし、教科書の語彙選定は各教科書会社に委ねられているのが現状であり、その語彙はどのようなものであるかという質の部分は明らかにされていない。そこで本研究では、「英語コミュニケーションⅠ,Ⅱ」の高校教科書38冊を対象とし。様々な語彙データ分析を行うことで、今後の語彙指導および教科書指導の一助としたい。
11:10-11:40 日本人学習者によるフランス語母音の習得―IPFC学習者中間言語コーパスの音響分析を通じて―

中田 俊介 (国際教養大学非常勤講師)
川口 裕司 (東京外国語大学)

07
フランス語の2つの狭母音、[u](円唇後舌狭母音)と[y](円唇前舌狭母音)とは、同様の円唇性や舌の位置による狭母音を持たない日本語を母語とする学習者には、音韻論的な習得が必ずしも容易ではない。これらの母音が、日本語を第一言語とする学習者によって正確に習得されているか、またそうでない場合はどのような課題が認められるかを、IPFC(現代フランス語の中間言語音韻論)プロジェクトの枠組みにおいて構築された学習者中間言語コーパスの音響分析結果を踏まえて報告する。
休憩    
  司会 野田 哲雄 (東京学芸大学名誉教授)  
11:45-12:15 初級・中級レベルのポルトガル語自由作文に見られる誤用の分析

黒澤 直俊 (東京外国語大学)
山田 将之 (上智大学大学院博士前期課程)
上智大学及び東京外国語大学のポルトガル語の中級レベルの学習者を対象に、テーマ及び分量を一定程度コントロールした条件で自由作文を行なわせ、そこで得られたテキストを複数の母語話者及びポルトガル語教授者によって添削したデータをもとに、誤用の内容や頻度を分析した。日本のポルトガル語教育では、学習者が少ないことや、多くの場合、到達レベルが必ずしも十分ではないために、このような研究はほとんど行われていない。また同時に、日本人学習者を対象にした中間言語コーパスの構築を計画しているが、これらの試みは十分意義のあるものと考えられる。
12:15-12:45 インドネシア語文法共通基本教材の作成への取り組み

降幡 正志 (東京外国語大学)
森山 幹弘 (南山大学)
原 真由子 (大阪大学)

08
発表者3名は日本国内の大学でインドネシア語を教える際に使用可能な「教材バンク」の創設に取り組んでおり、とりわけ現在は「インドネシア語文法共通基本教材」の作成を進めている。本発表では、これまで行なってきた各種教材の分析や検討を踏まえ、同教材の内容や方向性について報告する。日本国内でインドネシア語教育を行なっている大学は数多くあるが、教員の文法的知識は必ずしも十分とはいえず、その教授内容にばらつきが見られるため、教育に携わる教員が利用できる「教材バンク」の存在は大きな意義を持つであろうと考えられる。

昼休み  12:45~13:35 (事務棟 中会議室で理事会)

午後の部 大会議室  
  司会 黒澤 直俊 (東京外国語大学)  
13:35-14:05 韓国語能力試験〈初級〉における語彙使用の問題点

高 槿旭 (明治学院大学・上智大学非常勤講師)

01
従来の韓国語能力試験(以下、TOPIK)の研究では、TOPIKで使用された語彙項目を提示する段階に留まっており、語彙に関する他の研究成果に照らし合わせたものはほとんど見られない。本稿では韓国語基礎語彙の使用頻度調査を照らし合わせ、TOPIKでは実質的に、①どのような語彙項目が〈評価内容〉として設定されているのか、②その〈評価内容〉は、どのような方式で評価されるのかを検討する。
14:05-14:35 アラビア語初級学習者に対する「名詞+形容詞」と「名詞+名詞」との教授方法

榮谷 温子 (慶應義塾大学非常勤講師)

02
アラビア語の「名詞+形容詞」(形容詞で名詞を修飾する)と「名詞+名詞」(所有格の名詞で別の名詞を限定あるいは特定する。イダーファ表現と呼ばれるもの)とは、初級学習者にしばしば混同される形式である。考えられる原因は(1)語順の類似、(2)和訳の類似 の2点である。本発表では、特に後者の和訳の類似という点に注意しながら、日本語による訳に頼らない教え方や、意味の違いを明確に説明する教え方などを試し、学習者の理解の進み方を観察し、これら2つの形式をより容易に理解しやすい教え方を考えたい。
休憩    
  パラレルセッションⅠ 大会議室  
  司会 馬場 哲生 (東京学芸大学)  
14:40-15:10 クリッカーを用いたスペイン語検定試験対策授業の実践

結城 健太郎(東海大学)
白澤 秀剛 (東海大学)

09
発表者はスペイン語の検定試験(スペイン語技能検定・DELE)対策を行う授業を担当している。この授業では、学習者の理解度に応じた解説をすることが重要であるが、従来は個別の学習者の、またクラス全体の理解度を授業中に随時把握しながら説明することが困難な場合があった。しかし、所属機関に導入されたクリッカーとそれを活用するためのソフトウェアの使用により、こうした問題点が解決されると同時に、能動的な学修が可能になった。
15:10-15:40 デジタルゲームの日本語-公式サイトにおける使用語彙の特徴と傾向

野口 芙美 (早稲田大学日本語教育研究センター)
日本語学習の動機にアニメやマンガ、ゲーム等のポップカルチャーを挙げる学習者は多い。マンガやアニメの日本語については、語彙研究や教材開発、授業での実践も行われ始めてきているが、ゲーム分野での日本語研究はまだ少ない。そこで、本研究では、デジタルゲームで使用されている日本語の使用実態を把握するため、ゲームの内容や遊び方を紹介・説明する各ゲームの公式サイトで使われている日本語を分析し、使用されている語彙の特徴と傾向を探る。
15:40-16:10 東ティモールにおける英語教育の現状―大学とNGOが担う役割とは

等々力 けい子 (国立東ティモール大学)
麻生 久美子 (日本大学)

03
東ティモールは2002年に植民地支配から独立し、テトン語とポルトガル語の国語に加え、インドネシア語も広く使用され、同時に英語の習得の必要性も認識されており、国民の使用言語は複雑な様相を示している。ここでの英語教育はどのように実践されているのかを研究課題とし、英語教員養成を目的とした大学での指導とコミュニケーション力を伸ばすことを目的としたNGOでの指導が、補完的な役割を担っていることを示唆する。

休憩    
16:15-16:45 発音評価を介した段階的な英単語学習への取り組み

大島 弘美 (信州大学大学院博士課程)
小学校における英語活動では音声面を中心とした活動が行われており、リタラシー教育の導入は消極的である。中学校に入ってから本格的にリタラシ-教育が開始され、生徒の多くはここでつまずきを感じる。しかし、現場における英語教育では従来通りの方法で英単語学習を行っている。そこで、すべての生徒が教育目的に到達できるよう配慮した教材が必要であると考えた。まずは単語学習に焦点を当て、スペリングテストの前に学習者の英単語の発音を評価する段階的な学習方法を提案する。
16:45-17:15 学習者から見た文法概念・文法用語
— 小学校、中学校、高校、大学、そしてその後へ —

末岡 敏明 (東京学芸大学附属小金井中学校)

10
言語教育が、学習者の立場から見るとどのような問題を含んだ体系であるかを文法概念・文法用語を中心に考察する。たとえば、中学校の生徒は、国語の時間に「速く(走る)」は「形容詞」であると習い、英語の時間には「副詞」であると習う(定義の不統一)。中高の英語の授業で「人称代名詞の所有格」と習ったものが、大学等でドイツ語を習う時には「所有冠詞」と呼ばれ、フランス語を習う時には「所有形容詞」と呼ばれる(用語の不統一)。等々の問題について検討したい。
休憩    
  パラレルセッションⅡ 中会議室  
  司会 佐藤 玲子 (亜細亜大学)  
14:40-15:10 日本語母語話者とイギリス・ウクライナの日本語学習者による「−ル」、「−タ」、「−テイル」、「−テイタ」の使用比較

ブリーズナ・インナ (神戸大学大学院博士後期課程) 

04
アスペクト形式「−ル」、「−タ」、「−テイル」、「−テイタ」の区別は日本語学習者にとって容易ではない。この原因の一つとして、日本語教育においてアスペクトが動詞タイプと関連づけて指導されていないことが挙げられる。Blyzna (2014)では,コーパス調査に基づき,各アスペクト形式にとって最も典型的な動詞(典型動詞)、何らかの点でそれを特徴付ける動詞(特徴動詞)、全ての形式と等しく共起しうる動詞(中立動詞)を解明した。しかしながら,こうしたアスペクト特性が日本語学習者によって十分理解されているかどうかは明らかでない。そこで本発表では,イギリスおよびウクライナの日本語学習者の作文分析を行い,アスペクト形式と動詞の結合に関して,学習者が抱える問題の根幹を明らかにする。
15:10-15:40 聴解ストラテジー連鎖に関する一考察
-非対面聴解を中心に―

王 睿琪 (東京外国語大学大学院博士後期課程)

目下聴解ストラテジーの研究は個々のストラテジーの使用状態、特定のストラテジーが数多く研究されている。しかし、個々のストラテジーに着目するだけで不十分と考えられ、ストラテジーの「組み合わせ」、つまり、ストラテジーの連鎖を考察する必要がある。本研究は非対面聴解において学習者が問題処理をする際に、どんな連鎖を使用しているのかとその有効性を考察する。
15:40-16:10 日本人「国際英語」使用者による英語所有意識の発達モデル構築における質的研究

佐伯 卓哉 (早稲田大学) 
英語の急速な国際化と多様化にも関わらず、日本における英語学習者の多くは、英語母語話者の言語文化的特徴を絶対的な規範とし、英語を母語話者の所有物として捉えているという研究報告が多くある。しかし、英語使用者がどのような知識や価値観、経験を通じ、英語の所有意識を発達させてきたのか、その過程を考察した研究はほとんどない。本発表では、日本人「国際英語」使用者14人を対象に実施した質的研究をもとに、英語所有意識の(1)欠如、(2)理解、(3)交錯性、(4)実質性という発達段階仮説を提示する。
休憩    
16:15-16:45 初級英語学習者のスピーチにおける教室英語と録音教材の影響

高尾 早彩 (東京外国語大学大学院博士前期課程)
初級英語学習者のスピーチでは、イントネーションフレーズの終わりに母語話者には期待されない音調の変異が観察される。その音調の選択を調査対象として、教員の英語発音(Classroom English)および録音教材の影響について探求するため、中学入学以来同じ教員に英語を教わっている中学2年生のスピーチ内のイントネーションフレーズ末の音調を、教材、教員の話す英語のそれぞれと比較した。本発表ではその結果を、英語学習歴に関するアンケート調査の結果とともに論じる。
16:45-17:15 語彙学習ストラテジーに対するビリーフとその利用に影響を与える要因

山本 大貴 (明治大学大学院修士課程)
高校時代,受験等のために読解と文法を中心に英語の学習を行っていた学習者が,TOEFL iBTなどのアウトプットの力を高める必要がある目標に向かい学習を始めた際に,彼らの語彙学習ストラテジーに対するビリーフやその利用にどのような変化があったかを報告したい。目標や学習環境と語彙学習ストラテジーを関連付けている研究は少なく,また学習ストラテジーのビリーフに注目している研究も多くない。これらの点に注目しているところが,本研究の特徴である。
休憩    
  大会議室  
  司会 佐野 洋 (東京外国語大学)  
17:20-17:50 学習の可視化・多様化を志向したe-Learning教育システムの開発と教育の高度化:留学前・後教育の一環としてのCEFR診断

新居 純子 (東京外国語大学)
梅野 毅 (東京外国語大学)
05
本学が文部科学省の平成25年度特別経費(学習の可視化・多様化を指向したe-Learning 教育システムの開発と教育の高度化)を得て運営している、TUFS Moodle上で開講中の留学前・留学後教育プログラムのうち、特にCEFR診断について発表する。本発表では、同プログラムの概要、CEFR診断のシステム面での説明や、ショートビジット留学(長期休暇を利用した短期留学)前・留学後の診断結果についてまとめ、発表を行う。
17:50-18:20 教員免許状更新講習と外国語教育、その推移と問題点

本間 直人 (日本大学非常勤講師)
山崎 吉朗 (日本私学教育研究所)

06
本発表は、平成21、23、24、25年度の多言語教員免許状更新講習の調査、研究発表に引き続くものである。今年度(平成26年度)実施された全国の多言語教員免許状更新講習を概観するとともに、改めて過去5年間に実施された講習を振り返り、講習の問題点を明らかにする。これまで発表してきた通り、依然として言語に関する講習は減少傾向にある。その一方で、異文化理解に関する講習は多角的な視点から数多く実施されている。これらについて分析を加え、教員免許状更新講習そのものの今後の在り方と方向性について考察する。
     

18:25-18:40 総会  
  閉会の辞  



お知らせ

昼食

注意: 参加者の方は周辺のコンビニで各自昼食を用意してください。

懇親会

学会終了後に周辺で懇親会を行います。奮ってご参加ください。

年会費 一般会員 5000円,学生会員 3000 円,賛助会員 10000円

183-8534 府中市朝日町 3-11-1
東京外国語大学 外国語教育学会(川口裕司)
振込口座 郵便局 00120-6-33068