外国語教育学会 (JAFLE)
第14回研究報告大会

What's New

大会発表の募集 9/1
大会発表者募集の締切は9月24日です。期限厳守です。
大会発表募集受付終了 9/25
発表採択とプログラム(予定) 10/6
プログラム訂正・司会者記載 11/5
プログラム最終版 11/8
大会終了 11/14
第14号への投稿について 11/18

日時 2010年11月14日(日)
9:30-18:00
今年も無事,第14回大会が終了しました.
関係者の方はありがとうございました.
場所 東京外国語大学(府中キャンパス)
 

学会紀要への投稿について

投稿原稿締切 2011年2月28日
提出先 ykawa(@)tufs.ac.jp

投稿用書式

紀要に論文・研究ノートを投稿する方は,原則として大会発表者に限られます.


受付では会費の徴収を行いません。会費はあらかじめ郵便局で振込ください。

入会手続き


振込




プログラム

会場 東京外国語大学
発表会場  事務棟 大会議室  アクセス地図
理事会室   事務棟 中会議室

午前の部    
9:30 開会の辞

川口 裕司
外国語教育学会副会長・東京外国語大学
 

タイトル
発表者・所属
発表内容
  司会 吉冨 朝子(東京外国語大学)  
9:40-10:10 日本人大学生英語学習者の束縛表現に関するエラー分析:ミニマリスト・プログラムからの一考察

佐藤 洋一
大学書林国際語学アカデミー(DILA)
本研究では、日本人英語学習者が使用する束縛表現のエラー分析を行う。これまで束縛表現の習得に関して、生成文法の枠組みから様々な議論がなされてきている。しかし、日英の束縛表現の統語的ふるまいの差が、学習者の第二言語の使用にどのような負の転移を及ぼすのか、そしてその問題を解決するためどのような教授アプローチが必要かという問題についてはまだ十分議論されていない。本研究はこれらの問題を、生成文法理論の枠組みから考察する。
10:10-10:40 高校生の語彙サイズと英作文力の関係

田村 不二美(東京学芸大学)
英語の語彙サイズ(日本語にあたる英語を認識することができる単語数と定義)は比較的簡便に測定することができる。しかし、語彙サイズがどのくらいあれば英語で何ができるのか、まだよくわかっていない。本研究では、高校生の語彙サイズと英作文のデータを分析し、その関係を調べた。作文の量は流暢さと語彙の豊富さを評価し、作文の質は5項目(内容・構成・言語使用・語彙・機械的技術)を評価した。研究の結果、語彙サイズと英作文力の間には相関関係があり、語彙サイズから作文力を推定することができることがわかった。 
10:40-11:10 英語ライティングにおけるコンピュータ自動採点の妥当性とCEFRライティング評価との関連の検証

工藤 洋路(東京外国語大学)
長沼 君主(東京外国語大学)
小野 倫寛(東京外国語大学英語学習支援センター)
高野 正恵(東京外国語大学英語学習支援センター)
増田 斐那子(上智大学博士後期課程)
東京外国語大学英語学習支援センターでは、ケンブリッジ大学との共同研究(English Profile Programme)により、CEFRに基づくライティング評価を行っている。また、この評価をポートフォリオ形式で補完するものとして、コンピュータの自動採点ツール(Criterion)を導入している。本研究では、コンピュータ評価と人間による評価を融合することで効果的なライティングプログラムを構築するための基礎調査として、コンピュータと人間の採点の一致度を検証する。また、CEFRに基づいた評価との関連を探る中で、言語パスポート発行における多面的評価の有効性の検証を行う。
休憩    
  司会 佐野 洋(東京外国語大学)  
11:15-11:45 オランダ語中期学習者によるV2運用/非運用とL1/L2の転移

川村 三喜男(東京外国語大学非常勤講師)
川村(2010)では、日本語をL1、英語をL2とする初期学習者が産出したオランダ語におけるV2の運用/非運用の類型を提示し、それらのL2転移との関係を論じたが、本発表では同じ学習者の一部がその6ヶ月後に産出したオランダ語におけるV2の運用/非運用を上記論文に発表したデータと対照し、これらのうち、前者になお残存するV2非適用とL1、L2転移との関連を明らかにする。
11:45-12:15 日本とフランスで出版されたフランス語教科書の特徴-ダイアローグで示された会話の語彙分析-

馬場 淳子(東京外国語大学大学院博士前期課程)
学習指導要領に英語以外の外国語については英語に準じるとしか記載されていない。検定教科書もなく、中等教育の現場では市販のものを使用しているのが現状である。それらは日本またはフランスで出版された2種類に分けられるが、それぞれのどのような語彙が使用されているのだろうか。対話部分をOCRで読み込みコーパス化し、頻度や品詞情報を手掛かりに2つの教科書の使用語彙の特徴を分析し、フランス語教育への示唆を見出すことを目的とする。
12:15-12:45 フランス語学習者と母語話者の話し言葉における使用語彙の難易度の違い

杉山 香織(東京外国語大学大学院博士後期課程)
英語教育の分野では、学習者コーパスを利用し、学習者の産出言語に関する語彙研究が多く行われている。しかし、コーパスに基づいた日本人フランス語学習者の話し言葉の語彙研究はまだ行われていない。本発表ではまず、VocabProfilというプログラムを使用し、フランス語母語話者とフランス語学習者の使用語彙をレベル別に分類する。そして、母語話者と学習者の話し言葉における使用語彙の難易度の違いについて質的分析を行う。

昼休み  12:45~13:35

午後の部    
  司会 黒澤 直俊(東京外国語大学)  
13:35-14:05 高等教育、中等教育における語学教育とCEFR

山崎 吉朗(財団法人日本私学教育研究所)
CEFRの日本の語学教育への導入は可能なのだろうか?また,それは進むべき方向なのだろうか?高等教育,中等教育いずれの場合も,今後の語学教育を考える場合,この問題の考察は避けて通れない道であろう.
本発表では,日本における先進校の現状を考察すると共に,CEFRを生んだ国の一つであるフランスで,現在,語学教育とCEFRとはどのような関係になっているのかを現地の大学,高校での調査報告を交えて考察する.
14:05-14:35 日本人学習者によるフランス語中高母音の発音の習得 ―o,ø,uを中心に―

丸島 直己(東京外国語大学博士前期課程)
川口 裕司 (東京外国語大学)
フランス語の発音教育において、これまでコーパスを用いた量的研究は着目されることが少なかった。本発表では国際プロジェクト「現代フランス語の中間音韻論:IPFC」の一環として構築された音声コーパスを使用し、日本人学習者におけるフランス語中高母音(o,ø,u)の発音の習得について考察する。得られた母音に対し、フォルマント値を測定する音響分析やフランス語母語話者による知覚実験を行うことで、日本語母語話者の発音特徴や学習暦による発音能力の差異について検証する。 
14:35-15:05 日本語の発音指導~学習項目の意識化・焦点化

赤木 浩文(専修大学国際交流センター)
学習者に対する発音指導を、学習項目の意識化・焦点化という観点から、①導入(動機づけ)、②規則の学習、③焦点化練習、④タスク、⑤学習後のチェックという流れでデザインし、実施した。発表では、学習者に対するアンケート、インタビュー、教室活動における観察から、学習者のモチベーションの変化、気づき、学び、振り返りなどの学習効果について考察し、効果的、効率的な日本語の発音指導の方法を提案する。
休憩    
  司会 馬場 千秋(帝京科学大学)  
15:10-15:40 Webを利用した内容重視の英語教育カリキュラム協調開発

久島 智津子(津田塾大学)
津田塾大学では,専門課程における内容重視の英語教育を実現するために,各専門分野の内容を海外の動画等を活用して学ぶe-learningシステムCOOLL(Collaborative Open Language Learning)を開発し,運用中である。大学の専門課程では,スキル重視の英語教育に加え,内容重視の英語教育が求められる。COOLLはWeb上に公開されている動画等を内容重視の英語教育に効率よく活用できるシステムで,教材は専門分野と英語教育の専門家が協調しながら開発している。本報告では,COOLLの開発経緯や活用の仕方,今後の展望について述べる。 
15:40-16:10 韓国における日本語教育の現況と課題

辻野 裕紀(誠信女子大学校専任講師、東京大学大学院博士課程)
本発表は,韓国における日本語教育の現況と課題を概観するものである.韓国は,日本語教育が最も盛んな国のひとつであり,国際交流基金の2009年度の調査によれば,韓国の日本語学習者人口は圧倒的な世界第1位である(964,354名.第2位の中国の827,171名を大幅に上回る).この964,354名という数字は,世界の日本語学習者(3,651,716人)の約26.4%,すなわち約4分の1にも相当し,韓国の人口が約48,870,000名であることを考えると,概算で人口の約2%ほどが日本語学習者であるという計算になる.韓国は,このように,海外における日本語教育の一大中心地であり,日本語教育,外国語教育に携わる者であれば,韓国における日本語教育の状況を把握しておくことは重要なことだと言いうる.それにもかかわらず,管見の限り,本学会ではこれまでこうした内容の発表はなかったようであり,実際に韓国の大学で教鞭をとっている立場から,韓国における最新の日本語教育の現況と課題を報告したい.
16:10-16:40 母語話者コーパスに基づく発話動詞の用法の検討

井上 聡(神戸大学大学院博士後期課程)
英語の事象描写において発話動詞は重要な役割を占めるが,用法の典型性をデータに基づいて明らかにし,教育的示唆につなげるという研究はほとんどなかった。そこで本研究では,British National Corpusを用い,基本的な発話動詞(say, tell, speak,talk)について,共起語(名詞・接続詞・副詞・前置詞)の頻度分析をふまえ,それぞれの統語的・意味的特性を考察する。加えて,得られた知見を教育現場に応用する方向性について検討を行う。 
休憩    
  司会 馬場 哲生(東京学芸大学)  
16:45-17:15 韓国人日本語学習者による「~込む」型複合動詞の理解度について:文産出テストに基づく考察

李 允昊(神戸大学大学院博士後期課程)
複合動詞は日本語動詞の中で,頻度の上でも機能の上でもきわめて重要な位置を持つ。しかし,その用法は多彩で,日本語学習者にとっては習得困難な語彙項目の1つである。李(2010),李(forthcoming)では,典型的な複合動詞である「~込む」に注目し,コーパス分析をふまえ,教育的に重要な動詞形および主要な意味について考察を行った。本研究では,新たに韓国人日本語学習者を対象として主要な「~込む」型動詞を用いた文生成タスクを行わせ,動詞タイプ・動詞頻度と正答率の関係を調査した。これにより,韓国人日本語学習者への指導の中で特に焦点化すべき「~込む」型動詞のタイプを特定した。本研究は,コーパスを用いた頻度解析と,学習者を対象とした文生成タスクの結果分析を融合した点で,独自性を持つものと言える。
17:15-17:45 外来語の動詞化について:コーパスを用いた計量的研究

郭 奐君(神戸大学大学院修士課程)
漢字圏の日本語学習者にとって,日本語の語種には最も習得が困難なのは外来のカタカナ語である。しかし,カタカナ語の使用において,言語そのものを日本語として取り入れるだけでなく,発音・音韻から文法規則までが日本語化のルールに従う。このうち,最も特徴的なものは別の品詞に変わる現象である。本発表では,品詞の転成として多く使用される「(カタカナ語)する」(動詞への派生)に注目し,さらに動詞化の語結合「(カタカナ語)をする」を加えて,現代日本語書き言葉均衡コーパスを利用した統計的調査をふまえ,動詞化カタカナ語の使用傾向を整理し,今後の日本語教育への示唆を提示する。

17:45-18:00 総会  
18:00 閉会の辞  



お知らせ -懇親会-

昼食

注意: 参加者の方は、多磨駅周辺のコンビニで各自昼食を用意してください。生協は休日のため営業していません。

懇親会

場所未定 (当日の参加も歓迎します)

年会費 一般会員 5000円,学生会員 3000 円,賛助会員 10000円

183-8534 府中市朝日町 3-11-1
東京外国語大学 外国語教育学会(川口裕司)
振込口座 郵便局 00120-6-33068