外国語教育学会
(JAFLE) |
第10回研究報告大会 |
What's New |
日時 2006年11月18日(土) |
9:30〜17:40(予定) |
場所 東京外国語大学 府中キャンパス |
当日入会可能 |
紀要第10号への投稿について 投稿は研究大会での発表者に限られます. 原稿提出 2007年1月15日(厳守) 原稿提出先 学会事務局に添付ファイルまたはフロッピーで提出. 注意 ・必ず郵送のための住所をお知らせください。 ・本文の中に用いる画像および図表は,すべて白黒にしてください.カラーや網掛けはきれいにでません. ・レジュメは論文として掲載される方のみ必要になります。査読結果に基づいて最終原稿を提出するときに、レジュメを提出ください。また英文は必ずインフォーマントによるチェックを事前に受けたものを提出ください。 投稿規定のファイルは http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/ykawa/jafle.files/jafle_bulletin_kitei.htm からダウンロード可能です.第10号の査読委員はこのページにあります.各論文は2名の編集委員により査読されます. |
プログラム 近年発表数が増加し時間調整が困難になってきました。今年度は発表時間を15分、質疑はセッションごとに15分〜20分とさせていただきます。報告者の方は時間を厳守くださいますようお願いいたします。またハンドアウトは各自40部程度ご用意ください。 |
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108教室 | ||
開会の辞 | 野田哲雄 (外国語教育学会副会長、東京学芸大学教授) |
9:30 |
セッション T 言語学と言語教育 |
司会 黒澤 直俊 (東京外国語大学教授) |
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1.吉田 一彦 (宇都宮大学) |
「授業をとおした多言語コミュニケーションのすすめ(2)−伝え合いに供し得る言語学の基礎」 大学で実質ある国際的教育・研究活動を実現する試みとして、教養教育科目の授業を多言語コミュニケーション実践の場とした2年越しの試みから報告・問題提起する。音声字母や調音法の基礎知識を活用した音韻体系の把握、統語論の基礎を活用した語順や述べ方の特徴の把握、類型論的類似性に着目した複数言語間の意思疎通可能性の発見など、言語学の基礎が、どう外国語学習の開始や異言語母語話者間に相互理解を確立する方法の気づきに役立ち得るかを論じる。 |
9:35-9:50 |
2.時田 朋子 |
「会話機能からみるコードスイッチング−バンクーバーのマルチリンガル家庭における言語習得と実践−」 本研究は、バンクーバーに住む日本語と英語を使用する家庭において、どのように多言語が使用され、かつ習得されているかを分析する。文間コードスイッチングを取り上げ、これまであまり行われてこなかった会話分析の手法を用いてアプローチをしていく。具体的には、コードスイッチングがおこる会話機能(依頼など)を体系的に記述し、そのパターンを探る。これらの分析を通して、多言語環境における言語習得・教育を考察する。 |
9:50-10:05 |
質疑応答 | 10:05-10:20 | |
休憩 | 10:20-10:25 | |
セッション U 教育工学と言語教育 |
司会 林 俊成 (東京外国語大学助教授) | |
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「認知言語学原理に基づいた外国語習得コンピュータプログラム」 本研究は、外国語学習者の脳内に、母語が介在しない「意味」と「言語形式」の直接的な結びつきによる概念ネットワーク構築を可能にするコンピュータ・ゲーム・プログラムの製作とその効果の実証を図るものである。外国語を直接習得するための人工的な学習環境の構築を目的として、認知言語学における「身体性」の概念を、コンピュータ・ゲーム・プログラム上に外国語習得活動として3ステージに渡って具体化した。実証にあたっては、f-MRI等による画像データの使用を検討する。 |
10:25-10:40 |
4.小張 敬之 (青山学院大学) |
「音響工学の英語教育への応用」 |
10:40-10:55 |
5.山崎 吉朗 ((財)日本私学教育研究所) |
「中等教育におけるフランス語教育のe-Learningの実践と評価」 e-Learningは、社会人教育や高等教育に比べ、中等教育の場ではまだ実践例が多くない。生徒の拘束時間の長さ、個人のパソコン環境の違いなど、中等教育でのe-Learning を阻む要因はいくつかあると思われるが、本研究では、中等教育(中学、高校)で行っているフランス語教育での実践例について発表する。具体的には、不登校生徒への対応、自宅学習中の課題、小テストや実力テスト準備等で実施した実践例を取り上げ、利用状況、学習者の評価、測定できる範囲での学習効果について述べる。 |
10:55-11:10 |
質疑応答 | 11:10-11:30 | |
休憩 | 11:30-11:35 | |
セッション V 第二言語習得研究 |
司会 相澤 一美 (東京電機大学) |
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6.本間 直人 (日本大学非常勤講師) 王 凌 (横浜国立大学非常勤講師) |
「魅力的な中国語の授業を目指して ―学生のアンケート調査の分析を中心として―」 第2外国語を選択科目にする大学も出始めている中,改めて魅力的な中国語の授業とは何か,学生の外国語教育に対する意識調査と,その分析を中心に考えてみたい。 高校の新学習指導要領で学んだ最初の世代である,現在の大学1年生を対象とした今回の調査は,今後の学生の意識を探る上でも有効なものと言えよう。又共同研究により,幅広い学生層(国立、私立、文系、理系、必修、選択、日本人担当、中国人担当等)を調査対象とした。 |
11:35-11:50 |
7.井上 千尋 |
「日本人学習者による英語のモノローグの評価枠組構築への一提案:SSTコーパスを用いて」
CEFRなどの能力記述枠組において、英語のスピーキング能力はあるレベルから次のレベルに行くとき、「語彙が増えれば文法のバラエティも増える」「流暢さが増せば正確さも増す」のように「あるものが増えれば同時に別のものも上がる」という前提があるように思われる。だが、比較的発達が遅い要素や、あるレベルになるまで大きく上がらない要素があるのではないだろうか。本研究ではコーパスを用いてそれを調べる。このことが詳細に検証されれば、あるレベルの評価基準でも現場の指導でも重視するべき点が明確化し、有用と考える。 |
11:50-12:05 |
質疑応答+休憩 | 12:05-12:20 | |
昼食・理事会 | |
12:20-13:00 |
セッション W 第二言語習得研究 |
司会 山崎 吉朗 ((財)日本私学教育研究所) |
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8.中元 隆史 (東京外国語大学大学院博士前期課程) |
「日本人高校生における英語での電子メール作成能力の調査」 本研究は日本人高校生のライティング能力に実証的に迫るものである。実生活におけるライティングとして容易に想像されるのは電子メールであるが、これまでの研究において「電子メールを書く(作成する)」能力を調査したものは少ない。本研究では高校生に実際に電子メールを想定したタスクを実施し、従来の採点法で電子メールを作成する能力を推測することが可能なのか、を検証する。さらに本研究は電子メールを作成するのに固有の能力と考えられる能力を考慮した採点基準を作成し、その妥当性を検証していくものである。 |
13:00-13:15 |
9.馬場哲生 (東京学芸大学) |
「パラグラフ・ライティングにおける文章構成: 対照辞学的分析と英語教育への示唆」 日本語母語話者は、日本語や英語の文章の構成において、一般的陳述や中心的主張を最後 に置く傾向があることが指摘されている。また、日本語に典型的な文章構成として「起承 転結」が取り上げられ、英語における文章構成との違いが指摘されることもある。本研究 では、1) 日本語において好まれる文章構造とは何か、2) 特定ジャンルの文章において英 語圏における文章構成との差異は存在するのかについて、定説の信憑性の検証を試みると ともに、英作文指導への提言を行う。 |
13:15-13:30 |
質疑応答 | 13:30-13:45 | |
休憩 | 13:45-13:50 | |
セッション X 第二言語習得研究 |
司会 本田 勝久 (大阪教育大学) | |
10.本田勝久 (大阪教育大学) |
「小学校英語教育における動詞導入のための教材作成」 子どもの動詞の習得については、最近の母語習得の研究でも注目されおり、「個々の動詞が子どもの最初の文法構築に密接である」という研究が報告されている (Tomasello, 2003)。本発表では、日本の小学校英語教育で言語習得の鍵を握る動詞を導入する方法を探り、試作した動詞導入のための教材を報告する。具体的には、VO-combination のスキーマを与えることを目的とし、意味を推測できる動詞(およそ25語)のアニメーションをシンプルなオブジェクトを使って作成した。 |
13:50-14:05 |
11.小川一美 (大阪教育大学大学院) |
「児童の英語学習に対する意欲に及ぼす要因について ―塾・英語活動実施の有無・学年でみた場合―」 小学校英語活動のカリキュラムを作成するにあたり、児童の発達段階を考慮し彼らにとっての身近な題材の選定すること、指導方法について考えることは非常に重要なことである。では発達段階に応じた題材・指導方法とは一体何であるか。現状として、この問題を解決する研究はまだ少ない。本研究では、児童の英語活動に対する意欲に影響を及ぼすであろう要因について分析し、発達段階を考慮した児童にとっての身近な題材、彼らが望む指導方法はどのようなものかを明らかにする。 |
14:05-14:20 |
12.羅 曉勤 (銘伝大学応用日本語学科) |
「自己形成と学習動機変化との関わり−日本語を専攻とする台湾高等教育の学習者を対象に−」 社会構成主義では、人間が自ら学ぶようになるというのは、「なりたい自分」や「なってみたい自分」を捜し求めた結果だとしている。言い換えると、学習動機を理解するには、学習者の自己形成を明らかにすることが必要なのである。本発表では、ライフストーリーという質的調査手法で明らかになった学習者の自己の類型や、それぞれの自己と学習動機の変化や行動との係わりを提示し、その結果の学習指導への適用について提言する。 |
14:20-14:35 |
質疑応答 | 14:35-14:55 | |
休憩 | 14:55-15:00 | |
セッション Y 第二言語習得研究 |
司会 吉冨 朝子 (東京外国語大学助教授) | |
13.中川 亜紀子 (大阪大学大学院博士後期課程) |
「言語事情教育に関する一考察〜母語話者の価値観・社会文化的知識に関して」
現代の外国語教育において、学習者のコミュニケーション能力を養成するという観点から、ことばを教えるとともに当該言語圏の社会文化事情を学習者に伝達することは不可欠とされている。他方、そのような言語事情教育が母語話者への同化主義に繋がる危険性も幾人かの研究者によってすでに指摘されるところである。本発表では、ドイツ語での授業を例に、母語話者の価値観・社会文化的知識が強調される様子を描くことで、その危険性を具体例と共に考察したい。 |
15:00-15:15 |
14.南口 順子 (青山学院女子短大非常勤講師) 麻生 久美子 (東京経済大学非常勤講師) |
「語彙力の読解における貢献度について」 外国語(第二言語)の文章読解の際、語彙の知識(広さと深さ)がその理解にどの程度貢献するのか。語彙以外にその理解を助ける要因はあるのか。そのリサーチの第一歩として、外国人留学生、日本人大学生を対象に調査を行い、その結果を考察する。 |
15:15-15:30 |
質疑応答 | 15:30-15:45 |
シンポジウム
より良い言語教育に向けて |
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115教室 | ||
シンポジウム |
報告者 |
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小林 美代子 (神田外語大学大学院教授) 「コミュニケーション能力を測定する: グループオーラルテストの実践例」 |
16:00-16:15 | |
木村 恵 (獨協大学専任講師) 「学習者と教材間の距離:学習者コーパスを基礎データとした教材作成の意義」 |
16:15-16:30 | |
根岸 雅史 (東京外国語大学大学院教授) 井之川 睦美 (東京外国語大学博士後期課程) 杉山 香織 (東京外国語大学博士後期課程) 「会話教材とCEFRの関連づけの試み」 |
16:30-16:45 | |
自由討論 | 16:45-17:15 |
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総会 | 17:15-17:35 | |
閉会の辞 | 17:35-17:40 | |
懇親会 | 18:00- |
お知らせ −昼食と懇親会− | |
昼食
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申し訳ありませんが昼食は各人でご用意ください。近くにコンビニがあ ります。 |
懇親会 |
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年会費 | 一般会員 5000円、学生会員 3000 円、賛助会員
10000円 183-8534 府中市朝日町 3-11-1 東京外国語大学 外国語教育学会(川口裕司) 振込口座 郵便局 00120-6-33068 |