グループ C

ショコラ

松村 麻代、 山田 真央、 古川 あゆみ
室田 麻希、 下田 南香、 杉山 有佳

2006年11月2日

☆チョコレートの歴史☆

紀元前1000年ごろ メキシコ原住民はカカオ豆をすりつぶして飲んでいた。 
マヤ、アステカ文明ではカカオ豆をすりつぶし、ドロドロにして飲んでいた。一種の強壮飲料として、王族など一部の人だけが飲んでいたと言われている。

1502 年 コロンブス第4 次航海に中米(ホンジュラス)でカカオ豆を発見したが、興味示さず。
コロンブスはホンジュラス付近を航行中にマヤ人の交易商人と会い、交易品のなかにカカオ豆を発見した。これを彼はスペインへ持って帰ったが、当時はその価値は認められておらず、あまり興味がもたれなかった。

1528年 本格的にスペインへ。
フェルナンド・コルテスはアステカ(現在のメキシコ)に上陸し国王モンテスマに会い、金の盃で冷たいチョコレートの飲みもの(ショコラトル)を与えられた。彼はそれをスペインに持ち帰り、国王カルロス一世に献上した。砂糖を加え、バニラ、シナモンなども入れて甘い飲みもの《チョコレート》となった。当初はまだ、上層階級だけの飲み物だった。

1615 年 スペイン王女アンヌ・ドートリッシュ、フランス国王ルイ13 世と結婚、チョコレートがフランス宮廷に伝わり、これがきっかけで、しだいに西欧にひろまる。
王女は大変なチョコレート愛飲家で、チョコレートコックを連れて嫁ぎ、チョコレートはたちまちフランス宮廷貴族の間に広まった。1682年のベルサイユ宮殿の園遊会でカカオが貴族たちにファッショナブルな飲みものとして供されたことが記録に残っている。

1660 年 西インド諸島マルチニック島にカカオを初めて栽培。

1679 年 マルチニック島のカカオ豆を初収穫、本国に持ち帰る。
この頃チョコレートを挽いたり混ぜたり、圧搾する機械が初めて発明され、それから数十年の年月を経た1825年、近年ショコラ工場の最初の例とされるものがフランスで設立される。

1828 年 チョコレートが飲みものから、固形の食べものに変わる。
この頃その脂肪分を取り出すことに成功したのが、オランダのヴァン・ホーテンである。カカオ豆からココアバター(脂肪分)を取り出し、取り除いた後のかたまり(ココアケーキ)を粉末状にして現在のココアが完成した。

1876 年 イギリスのスローン卿がチョコレートにミルクをまぜることを発明、ミルクチョコレートの創始。 
粉末にしたカカオペーストに砂糖とミルク、ココアバターを加える製法を開発。苦味を抑え食べやすくなった「ミルクチョコレート」が誕生した。しかし、このころのチョコレートの食感はまだザラザラとしたものだった。

1979年今に至るなめらかな舌触りのチョコレートが完成。
スイスのロドルフ・リンツがチョコレートを数日かけて混ぜ合わせると口当たりがなめらかになることを発見した。さらに、ココアバターを加えるとより滑らかになることを発見し、あの口の中でとろける食感のチョコレートが誕生したのだ。こうして飲み物だったチョコレートは食べ物になり、現在私たちが食べているものが完成するまで、300年掛かったことになる。
(下田 南香)



☆チョコレートの作り方☆

1. 選別
なたでカボス(カカオの木の実)のさやをそっと開き、中身の豆と果肉をえぐり出す。

2. 発酵
豆を皿に入れ、バナナの皮で覆う。豆が発酵して茶色気味を帯びてくるまで1週間ほどそのままにしておく。

3. 乾燥
この段階では豆はまだ60%以上もの水分を含んでいるので、最適の状態で保存・運搬するために、水分量を減らさなければならない。よって約3日間、太陽の光に当てるか、乾燥室に置いておき、ときどきかき混ぜながら、水分が7%以下になるまで乾かす。

4. 焙煎
120℃のロースターで約2時間、豆を焙煎することで、チョコレート独特の香りと風味を引き出す。

5. 分離
カカオ豆を砕いて、カカオニブ(胚乳部分)を取り分ける。

6. 磨砕
カカオニブをすりつぶすことにより、カカオマスと呼ばれる液体状の生地ができる。

7. 精練
長い時間をかけてカカオマスを練り上げ、舌触りのよく風味豊かなチョコレートにする。

8. 材料の追加
チョコレートの種類に応じ、他の材料を配合していく。
例えば、ブラックチョコレートは、カカオバター・固体のカカオ・砂糖から成っている。ミルクチョコレートを作りたい場合には、粉ミルクを加えればよい。

9. 調温
正確な温度のもとでチョコレートを冷却していく。まだらではない完璧な結晶を得るために、温度調整は非常に重要である。

10. 鋳造
チョコレートを型に流し込んで、好きな形を作る。

このような過程でチョコレートは作られているのである。(杉山夕佳)



☆チョコレートを召し上がれ!☆

現在我々の多くが好んで食べるチョコレート。その種類は様々で、ボンボン、一口チョコレート、ホットチョコレートなど、数え上げればきりがない。
中世フランスにおいて、最初に流通したチョコレートは食べ物ではなく飲み物、つまりショコラ・ショーとしてであった。スペインから持ち込まれた当初は、多くのスパイスが加えられておりあまり甘くない、どろりとした苦いものだった。しかしときがたち貴族たちがこぞって飲むようになると、優雅なフランスの宮廷風に改良が重ねられた。

当時のフランスでの飲み方は、「ショコラティエール」という専用の背の高いポットに、湯とカカオマス、砂糖をバニラなどの香辛料と共に入れ、「モリニーニョ」という専用の木の泡立て器を使って泡立ててから、背の高いカップに注いで飲むものであった。
加えて、貴族がチョコレートを飲むのは、主に食後か、ベッドで目覚めてから居間のテーブルにつくまでの間で、チョコレートを飲むのはブドワール(婦人用私室)か、ベッドの中が望ましいとされた。このことから、チョコレートはその時間を優雅に贅沢に過ごすことのできる貴族にのみ許された飲み物であったことが想像できる。

チョコレートの使用法として、薬やスパイスがあげられる。そしてもちろん一番重要なチョコレートの役割は、料理のソースやデザートへの使用である。ボンボン、ムース、マジパン、クリームスープ、ドラジェ、ディアブロタン、パン・オ・ショコラetc。フランスにもともとあった伝統的なお菓子のチョコレート風味(オ・ショコラ)も次々とうまれた。タルト・オ・ショコラ、エクレア・オ・ショコラ、マカロン・オ・ショコラetc。
その後固形のチョコレートが普及し、チョコレート大国スイスにおいて、口のなかでとろけるチョコレート、ショコラ・フォンダンが発明され、現在のチョコレートになった。

最期に、中世のショコラショーのレシピを紹介する。

「サン・ディスディエのチョコレート(特上、過食を恐れぬ人用レシピ)」

カカオ900グラム、砂糖450グラム、シナモン9グラム、粉末状にしたクローヴ1グラム、チリペッパー1グラム、バニラ35グラム。
暖めた石の上で、煎ったカカオ豆を砂糖とともにすりつぶし、ペースト状になったものに、香辛料を加えて混ぜる。ショコラティエールで飲み物をつくる場合は140~205ミリリットルの水に砂糖35グラムを加えて煮立て(温度は高いほどよい)、砕いた固形チョコレートを入れて勢い良くかき混ぜる。煮え立った後、そのまましばらくとろ火で煮込むといっそう泡立ちがよくなる。

「トスカナ大公のジャスミンチョコレート」(イタリア風)

煎ったカカオ豆4,5キロ、摘みたてのジャスミンの花、砂糖3,6キロ、「完全な」バニラ豆85グラム、「完全な」シナモン150グラム、竜涎香2,5グラム

器にジャスミンの花の層と砕いたカカオ豆の層が交互に重なるように入れ、そのまま24時間置く。次にそれらをよく混ぜ、さらに花とカカオの層を交互に重ねて同じように処理する。これを10回から20回繰り返し、カカオにジャスミンの香りをしみわたらせる。それから、カカオとジャスミンを混ぜたものに残りの材料を加え、軽く暖めたメターテ(挽き石)の上でそれらをすりつぶす。メターテを暖め過ぎると香りが失われるので注意する。
(山田 真央)



☆チョコレートの効能☆

チョコレートは、高脂肪・高カロリー食品であるがゆえに「鼻血が出る」「太る」「虫歯になりやすい」と、みなに好かれながらもマイナスなイメージももたれている。しかし、最近の研究によりチョコレートに入っている成分が健康のためのパワーのひとつとして注目されている。たとえば、チョコレートに多く含まれているポリフェノールには、コレストロール値を下げたり、がんを予防したりする効果がある。チョコレートとがんの発生の関係には面白いデータがある。チョコレートをたくさん食べる国では胃がん死亡者が少ないというものだ。例えば、一人当たりの年間消費量が最も多いスイスと日本を比較してみると、スイスのチョコレートの消費量は日本の約6倍、胃がんによる死亡者数は約4分の1となっている。その他、アレルギーや胃潰瘍を予防する効果も期待できるという報告もある。
また、チョコレートの甘い香りは、集中力・記憶力を高めたり、気持ちを穏やかにさせる効果があることがいろいろな実験から明らかになっている。それはチョコレートに入っているテオブロミンという成分のためだ。それはカフェインの仲間だが、カフェインに比べて興奮作用がずっとマイルド。また、自律神経を調節する作用があり、リラックス効果もある。そのため、欧米のホテルにはベッドサイドにチョコレートが置いてあることもあるし、寝る前にチョコレートを食べたりすることもある。つまり、チョコレートがもつ「チョコレートを食べると興奮して鼻血が出る」というネガティブなイメージは真実ではないのである。
さらにチョコレートはミネラル、食物繊維が豊富である。チョコレートの原料であるカカオ豆にはカルシウム、鉄分、マグネシウム、亜鉛などのミネラルがバランスよく含まれている。特に女性に不足しがちと言われている鉄分を、おやつにチョコレートをおいしく食べることで補うことができるとは嬉しい。(古川あゆ美)



☆チョコレートと生活☆

フランス人の生活にチョコレートは欠かせない。疲れたら元気づけに。風邪をひきそうなときは体が温まるホットドリンクとして。また、「カカオは心臓病に効く」と、毎日チョコレートを“服用”するお年寄りも多い。
日本ではチョコレートといえば甘いお菓子としておやつに食べるものだが、フランスではもっと頻繁に目にする。例えば、カフェでエスプレッソを頼むと必ずといっていいほど、ビターチョコが付いてくる。また、ホットチョコレート(ココア)を朝食にとることがおおく、その場合、パンは浸して柔らかくしてから食べたりする。
このように、チョコレートはフランス人の日常に溶け込んでおり、彼らのチョコレート好きには目を見張るものがある。
パリだけでも20を越えるチョコレート専門店があり、1995年から毎秋、世界最大のチョコレートの祭典「サロン・ド・ショコラ」が開催されている。味だけでなく、チョコレートを使ったファッションショーなど、見た目にも腕を競い合う。
さてここで、フランスの年中行事とチョコレートの関係を見てみよう。
イースターなど有名なものもありますが、フランス特有の風習を紹介します。

● ポワソンダブリル
4月1日、日本ではこの日をエイプリルフールと呼んでたわいも無い嘘をついて楽しむ。所変わってフランスでは、春の到来を祝うお祭りの日である。16世紀頃までこの日を1年の始まりとしていた名残で、家族や親しい人たちとの間でプレゼントを交換する。名前の通りこの日はお菓子屋さんの店先に魚の形のチョコレートが飾られる。なぜ魚なのだろう?一説によると、四月の魚はサバを指し、この時期のサバがあまりに簡単に釣れるのをからかっているのだとか。(魚が少しバカなところからきている)

● ミュゲの日
5月1日、フランスでは親しい人にすずらんを贈る風習がある。すずらんを貰った人には幸運が訪れると言われている。街角の至る所にすずらんのブーケを売るスタンドが立つ。そしてお菓子屋のディスプレイにはチョコレートをすずらんに飾りつけたものやすずらんをモチーフにしたチョコレートが並ぶ。

● クリスマス
その昔、チョコレートは高級品だったので、クリスマスプレゼントとして喜ばれていた。その名残から、子供からお年寄りまで、クリスマスにチョコレートを食べる習慣が今でも残っている。この時期はショコラティエが最も活気付く時期でもある。一番伝統的なものは松露の形をしたトリュフというチョコレートである。また、チョコレートを使ったケーキ、ブッシュドノエルが有名だ。(松村麻代)



☆バレンタインデー☆

チョコレートに関する最も有名なイベントといえば、もちろんバレンタインデーです。日本では2月14日に女性が男性にチョコレートを渡し、愛を告白する日として捉えられています。しかし、欧米では「女性が男性にプレゼントを贈る」という概念はなく、「愛する人へ」カードや花束・お菓子などを贈ります。フランスだと、ここでは男性が女性へ花束を贈るのが一般的なようです。いずれにせよ、世界中で2月14日は「愛の日」として祝われています。では、なぜ2月14日が「バレンタインデー」と呼ばれ、「愛に日」として祝われるようになっていったのでしょうか。
バレンタインデーとはその名の通り、「バレンタイン」という名のキリスト教聖人の日です。西暦3世紀のローマ、皇帝クラウディウス二世は、若者たちがなかなか戦争に出たがらないので、手を焼いていました。その理由は彼らが自分の家族や愛する者たちを去りたくないからだと確信するようになったクラウディウスは、ついに結婚を禁止してしまいました。そこで、活躍したのがキリスト教司祭であるバレンタインでした。彼は、かわいそうな兵士たちをみかねて、内緒で結婚をさせました。しかし、当時のローマでは、キリスト教が迫害されており、そのことを知った皇帝は、バレンタインに罪を認めさせてローマの宗教に改宗させようとしましたが、バレンタインはそれを拒否しました。そこで、彼は投獄され、ついには西暦270年2月14日に、処刑されてしまったのです。
そして、その彼の名はローマの伝統的なお祭りへ関連していきます。元々、ローマではルペルクスという豊穣(ほうじょう)の神のためにルペルカーリアという祭が何百年ものあいだ行われていました。毎年2月14日の夕方になると、若い未婚女性たちの名前が書かれた紙が入れ物に入れられ、翌15日には男性たちがその紙を引いて、あたった娘と祭の間、時には1年間も付き合いをするというものです。しかし、当時のキリスト教会はすべての祭事から異教的な要素を排除したかったので、この異教的な祭日をキリスト教の祭日に置き換えようとしました。そこで利用されたのが、お祭りの日と同じ2月14日に殉職した「聖バレンタイン」でした。つまりローマ神話の豊穣の神の祭日が、愛を守った聖人の殉教日に置きかえられたわけです。そこから2月14日を「バレンタインデー」と呼ぶようになり、愛を守った聖バレンタインの日は恋人たちのための「愛の日」となったようです。  (室田麻希)




参考文献
『日本チョコレート・ココア協会』 www.chocolate-cocoa.com
『ゴディバ』 http://www.godiva.co.jp/welcome.php
『ベルナション』 http://www.bernachon.com/
『リシャール』 http://www.richart.co.jp/
『Wikipedia』 http://ja.wikipedia.org
『ヴァン・ホーテン』 http://www.vanhouten.de
『リンツ』 http://www.lindt.com/2865/2866.asp
『チョコレートの作り方』
http://www.geocities.co.jp/Bookend/7369/valentine/valentine2003.html
『chocoholic』 http://homepage1.nifty.com/chocolatier
『Health クリック』 http://www2.health.ne.jp/library/5000/w5000320.html
『ダイエッター主婦の事件簿』 http://plaza.rakuten.co.jp/aorinngo/4005
『Alic』 http://sugar.lin.go.jp/japan/view/jv_0403a.htm
『チョコレートの歴史 (The True History of Chocolate) 』ソフィー・D・コウ/マイケル・D・コウ (Sophie D. Coe, Michael D. Coe)著, Thames & Hudson, 2000.
『chocohoric』 homepage1.nifty.com/chocolatier

東京外国語大学外国語学部
欧米第二課程フランス語専攻
2年B組  2006年度発表

フランス語圏の言語と文化