グループC ジョーク
山岡潤平、大塚俊裕、野田祐作、山下太郎、
2003年10月16日

 〜イントロ〜
どうも皆さんこんにちは。そしてさっき起きたばかりの人はおはようございます。そして、この発表の最中に寝ようとしてる人おやすみなさい。
 今日は皆さんにフランスのジョークについてお話します。ジョークというのはどこの国にも存在します。しかしながらそれは国、そしてその言語をかなり反映するものです。例えばイギリス人がアイルランド人をネタにし、ユダヤ人が商売をネタにし、アメリカ人が弁護士をネタにするように、ジョークというとても俗なものは、その土地の文化と深く結びついているのです。また、ジョークをいう人はもちろん、笑う人にもその言葉の洗練された感覚やある程度の予備知識、頭の柔らかさが必要で、ジョークの会話をしているときに、笑いを浮かべているのは、そういう洗練された感覚の人か、日本のサラリーマンと言えるでしょう。今日は皆さんにフランスのジョークを通じて、フランス語のそしてフランスのおもしろさを伝えたい、そう思っています。お伝えするのは我ら、「アレテ ドゥ プレゾンテ」
 ちなみにフランスでも笑うときばかりはhを発音し、「Ha Ha Ha」と笑います。安心してフランス語で笑ってください。

 さて、具体的な話に入る前に皆さんに知っておいてほしい言葉がひとつあります。それが「エスプリ」というものです。リヴァロル曰く、「エスプリとは、速やかに見てとり、キラリと光ってみせ、打ち勝っていく能力」です。かのアンドレ・モーロワが、「エスプリという字くらいフランス人にぴったりくる字はない」と言っているように、これはフランス人のもっとも得意なものであり、尊重されるものなのです。
 フランスでは、ことわざ「エスプリが街をかける」が示すように、誰もがエスプリを持つことを誇り、その結果モリエールの芝居の中であるように、「まぁ!どこもかしこもエスプリばかり!」という嘆声が聞こえてくるのです。
 ちなみにこれはゼスプリ(キウイの)。まぁ!どこもかしこもゼスプリばかり!」

 では実際に見ていきましょう。大塚君、お願いします。我ら、「アレテ ドゥ プレゾンテ」

〜第一部〜
 エスプリの真髄は会話の中にあります。今からいくつかの会話を僕たちが演じます。皆さんにはそれを通じてエスプリを味わってもらうことにしましょう。ではまず最初の会話から。太郎君、山岡君、お願いします。
 ここはバスチーユ牢獄。彼は囚人、バソン・ピエール。なにやらさがしものをしているようです。そこへ看守がやってきて尋ねます。

 「何を探しているんだい?」

 「<un passage>だよ。とても見つかりそうにないけどね。」

 おわかりいただけますか?この場合彼はun passageの二つの意味をうまく利用しています。un passageには「文章の中の一節」と「ひとつの逃げ道」という意味があり、それをかけているのです。(二人に)ありがとう。
 このように、相手の言葉をうけて反撃する、それがエスプリです。
 それでは次、山岡君と野田君、よろしく。
 カンヌの町でイギリスのロイド・ジョージとフランスのアリスチード・ブリアンが外交交渉を行ったときのこと。なかなか交渉がまとまらないのに怒ったロイド・ジョージがブリアンに言いました。

  「あなたがたフランス人はわけても立派な方々だ。だが用心なさい。立派さから滑稽さへは一歩しか離れておりませんぞ。」

するとブリアン。

「さよう、ドーバー海峡分だけしかね。」

 この場合、ロイド・ジョージがqu’un pas(一歩しか)といったのをすぐにとって同じpasを使って、le Pas de・・・海峡の意味に使ってやっつけています。すばらしい。
(二人に)ありがとう。

 このようにエスプリの極意は、相手の言ったことを聞き逃さないということなのです。アンドレ・モーロワが、「ラテン民族はいつもしゃべりすぎる」といったように、フランス人はおしゃべりです。しかし、しっかりあいての言うことも聞いているんですね。

 それでは最後に四つの小話をお楽しみいただきましょう。

 一つ目、二人の子供の会話。


「きみどこで生まれたの?僕はパリでだよ。きみは?」

「病院でだよ。」

「へぇ、どこが悪かったんだい?」

次は恋人同士の会話から。


「ねぇあなた。あなたはどちらが好き?かわいい女?それとも知的な女?」

「どちらでもないさ!僕が愛してるのは君だけってこと、知ってるじゃないか!」
 次は初めて講演をすることになった人に対するアドヴァイス。

「・・・で、終わったらきみは立ち上がる。おじぎをして、つま先で歩いて退場するってわけさ。」

「どうしてまたつま先なんだい?」

「みんなを起こさないようにさ。」

それでは最後。結婚の小話。


「僕はね、結婚前に女房とねたことは一度もないよ。君はどうだい?」

「僕かい?さぁ、ちょっと考えさせてくれよ。君の・・・おくさんの結婚前の姓はなんと言ったっけね?」

 こういった小話の味わい、みなさんにはおわかりいただけますか?これらはみな単純なものばかり。ですが笑えるものばかり。これらにはフランス人の得意とするエスプリがたくさんつまっているのです。
 では続きまして、野田君に代わります。注意してきいてくださいね。よろしく。

〜第二部〜
 (大塚に)ありがとう。
僕からは皆さんにエスプリを会得する秘訣をお教えしましょう。皆さんメモの準備はよろしいですか?あ、テープ録音はやめてくださいね。
 エスプリを得るには、フランス語を一生懸命勉強しなければならない、これは当然のことです。しかしながらほかにも秘訣はあります。
 まずひとつめ。いつも他人とは少し変わった、自分独自の言い方を工夫することです。ほかの人が「きれいだね」といったら、自分は「きれいだね」と繰り返すのではなく、「わるくない」や、「可憐だね」といったように、必ず違った表現で応答する習慣をつけるのです。
 そして二つ目。おしゃべりになるのを恥ずかしがらないことです。あのパスカルも、「精神と感覚は会話によって作られる」と言っているように、エスプリは会話をたくさんするなかで磨きがかかってくるものなのです。
 これらを意識してフランス語を勉強していけば、いずれはフランス人から「頭の先から足のつまさきまでエスプリでいっぱいだね」と言われる様になるかもしれません。
 美しいフランス語の響きと、チクリと刺すとげのようなエスプリ。これらが合わさればまさにバラのような魅力を得るのです。
 フランス語を勉強する以上、こういうエスプリの効いた会話を皆でできたらいいですね。
 僕からは以上です。次は太郎君にかわります。

〜第三部〜

(ゆうさくに)ありがとう。僕からは少し変わったお話を。フランス人を知るとき、意外と外国のジョークが役にたったりするものです。
 ジョークを通じてフランス人の気質を知ろう〜ジョークの中の三ミリグラムの真実〜
フランス人が言います。「アメリカ人はかわいそうだ。自分の祖先がわからないのだから。」
  アメリカ人が言います。「フランス人はかわいそうだ。自分の父親がわからないのだから。」

  イギリスでは法で禁じられていること以外はすべて許されている。
  ドイツでは法で許されていること以外はすべて禁じられている。
  北朝鮮では法で許されていることすら、すべて禁じられている。
  フランスでは、法で禁じられていることすら、すべて許されている。
  
三ヶ国語を話す人をなんと呼ぶか・・・トライリンガル
  二ヶ国語を話す人をなんとよぶか・・・バイリンガル
  一ヶ国語を話す人をなんとよぶか・・・フランス人

  フランス人の背中はなぜ臭いのか。−お尻より高い位置でオナラをしようとするからだ。

  天地創造の際、神はフランスをつくられた。「なんてすばらしい大地を私はつくったのだろう。大変豊かでおだやかな地形、位置もすばらしい。・・・このようなすばらしい国土をつくったからにはバランスをとる必要がある」
  そうして神はフランス国民をつくられた。

 あえてジョーク自体の意味を説明するような野暮なことはしませんが、奔放で、自己中心的で、お高くとまっているようなフランス人像をうまく風刺していると思います。
 果たしてわれわれ日本人は、外国からどんな風に見られているのか、気になりますね。
 僕からは以上です。

〜締め〜
 いかがでしたか皆さん。楽しんでいただけましたか?お伝えしたのは、我ら「アレテ ドゥ プレゾンテ」でした。ありがとう。


参考文献:田辺保著「フランス語はどんな言葉か」 講談社学術文庫
        「フランス語をどう学ぶか」 講談社学術文庫
    松原秀一「フランス言葉辞典」 講談社学術文庫
    インターネットサイト「ジョーク集」

東京外国語大学 欧米第2課程
(フランス語専攻)

フランス語UA発表
(2003年度)