2007年度 ヨーロッパ文学T 演習


授業題目名:翻訳という行為

開講時間

後期水曜・2限

授業の目標

  1. 日本語、日本における思考・文化のあり方が、西洋語(ここでは特にドイツ語)の「翻訳」を通じてどのように形成されてきたかを考察する。
  2. そのことを踏まえたうえで、改めて日本語の表現・翻訳のあり方を考える。
  3. 授業を翻訳の実践、ディスカッションの場とする。

授業概要

日本の近代化の過程に焦点が当てつつ、翻訳の歴史的考察に関するレクチャーをおこない、また、それに基づいて翻訳の実践、ディスカッションを行う。

講義計画

最初に、日本の近代化の過程に焦点を当てつつ、翻訳の歴史的考察に関するレクチャーを行う。翻訳実践に関しては、課題として掲げられたテクストを翻訳し、参加者全員で日本語を検討してゆくことになるが、その際、単なる翻訳技術の習得ではなく、日本語そのものを感じ取ることに重点をおきたい。翻訳の問題の局面に応じて、さまざまな種類のテクストを対象とする。毎回、(練習、そしてテーマの考察の導入として)翻訳を課題として出す予定。

成績評価の方法

出席、授業への積極的参加、発表は特に重視する。出席が極端に少ない場合、評価の対象外となる。学期末の課題とともに評価する。

受講上の注意

ドイツ語既習者が望ましい。(ドイツ語未習者で履修を希望する人は、初回の授業のときに相談します。)

教科書・参考書

参考書:柳父章『近代日本語の思想』法政大学出版局、『翻訳語成立事情』岩波新書 他、授業中に指示。