本研究の目的は、以下のとおりである。

1.「人間の相互作用の研究」に適した質の高い「話し言葉コーパス」を構築する。

2.「人間の相互作用の研究」に適した科学的語用論研究の方法論を開発する。

3.より大規模で体系的な「話し言葉コーパス」を構築することによって、他の研究者のニーズに資するとともに、この分野の発展に寄与する。

4.コーパスを活用した談話研究、中間言語語用論等にかかわる基礎的研究を行い、その成果を「会話教育」に生かすための提言を行うなどして、日本語教育との有機的統合を図り、日本語教育の体系化と、談話理論に基づく効果的な会話教育実践に貢献する。

最終年度である平成22年度は、以下のことを行った。

<人間の相互作用研究のための話し言葉コーパスの構築と文字化入力支援・集計システムの開発と完成>
(1)「BTSJの入力支援ソフト」の保存形式を多様化し、自動集計機能を強化した完成版として「BTSJ入力支援・集計ソフト」を作成した。
(2)コーパス作成用「データベース・システム」の改訂版を作成した。
(3)新規データの収集と上記システムを用いた既存のデータの整備を行い、「BTSJ話し言葉コーパス」を完成させた。
(4)成果発表として、BTSJの入力支援・集計ソフトの使い方や、コーパスを用いた語用論的研究の方法論についての講義、デモンストレーション、ワークショップを行った。

<コーパス・データの語用論的分析方法の開発>

(1)会話データだけでなく、話者の関係、会話の状況、インストラクション、データ提供者の背景的情報などもコーパスに体系的に含む統制された「質の良い」データの構築をめざし、コーパスに付与する情報構成などを検討し、拡充した。

<談話研究、異文化コミュニケーション研究、中間言語の語用論的研究>

(1)談話研究、ポライトネス理論研究、中間言語語用論的研究、ことばとジェンダー関係の研究、及び、会話教育についての研究、及び、その発表を行った。

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BTSコーパス(2011年度版)

これまでのBTSコーパスに、対応する音声ファイルを追加し、
BTSJファイルも最新版のBTSJのルールに従って再チェックを行いました。

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BTSコーパス(テキスト版)
BTSコーパスから、BTSのタグを外し、形態素分析などが可能になりました。

・BTS1 ... BTSによる多言語話し言葉コーパス―日本語会話1(2007年版)

・BTS2 ... BTSによる多言語話し言葉コーパス―日本語会話2(2007年版)

・BTSJ1 ... H15-18科研成果完成版070627―BTSJによる日本語話し言葉コーパス1(初対面・友人、雑談・討論・誘い)


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