チャリティー・バザール企画詳細
3月25日(月)および4月10日(火)〜13日(金)に開催した「インド西部大地震・被災地支援手工芸バザール」についての詳細です。
 
 ● バザール開催趣旨説明
1月26日、インド西部グジャラート地方において、未曾有の大地震が発生しました。この破壊的な大地震の震源地となったカッチは、インドで最も豊かな伝統手工芸職人の宝庫です。何千という職人たちが家族を失い、家を失い、生きていく糧を失いました。

普段この地域について学んでいる、私達東京外国語大学ウルドゥー語・ヒンディー語専攻の学生は、現地から伝えられる被害の様子を知るにつれて、何か出来ることはないかと考えていました。

すでにデリーを拠点とするNGOのVrindavan(ヴリンダーヴァ)とDastkar(ダストカール)は、被災地カッチの伝統手工芸品を販売する支援セールを始めています。
そこで私たちは、デリーに滞在されている藤岡恵美子さんの御協力をうけ、日本でも被災地支援手工芸品バザールを開催することに決めました。

この活動による利益は、Vrindavan/Delhi Crafts Council / Dastkar / Dasykari Haat Samitiの4団体が合同で立ち上げた、Dastkar Kutch Crafts Relief Fund(ダストカール・カッチ手工芸品復興基金) に送り、職人達の工房の再建や、技術トレーニングなどに役立てたいと考えています。

この活動を通して、日本の方々に被災地の人々のぬくもりを肌で感じて頂き、日本とカッチとが新たな関係を築いていくことができれば幸いです。

そして何よりも、彼らの作ったものが日本で販売されているという事実を、被災地の人々に知って頂きたいと考えています。それが彼らの生きる力となることを願ってやみません。
 
 ● 開催案内チラシより
東京外語大の麻田豊研究室(ウルドゥ語)とウルドゥー語・ヒンディー語専攻の学生有志による「インド西部大地震・被災地支援手工芸品バザール」が、4月10日から13日にかけて開催されます。瓦礫の下から運び出してきた貴重な手工芸品を展示即売。
松本栄一さんの地平線報告会(3/30)で関心をもたれた方、ぜひ行ってみてください。

----------------------------------------------

インド・グジャラート州の熟練職人による魅惑的な手工芸品の数々。
今回、美しい布製品を中心に、緊急チャリティーバザーを決行!!
さあ、寄ってらっしゃい!!

1月26日、インド西部グジャラート地方で大地震が発生。震源地カッチはインドで最も豊かな伝統手工芸職人の宝庫のひとつです。ここで何千という職人たちが家族を失い、家を失い、生きていく糧を失いました。

―――――――――――――――
 バザールがやってくる!!
―――――――――――――――
現地から伝えられる被害の様子を目の当たりにした東京外国語大ウルドゥー語・ヒンディー語専攻の私たちは、被災地支援手工芸品バザールを開催することにしました。このバザーによって得た収益は、職人達の工房の再建や、職人のためのトレーニングなどに役立てます。
魅惑あふれる工芸品の数々。どなたでも、来て見てさわって、インド職人文化の粋を知っていただきたいと思います。ご来場をお待ちしております。
 
 ● 「インド西部大地震:被災地支援手工芸品バザール」開催報告・会計報告
主催:麻田豊研究室+ウルドゥー語・ヒンディー語専攻学生有志

○はじめに
2001年1月26日、インド西部グジャラート州において大地震が発生しました。この地震によって、インドで最も豊かな伝統手工芸職人の宝庫であるカッチ地方では、何千もの職人たちが家族を失い、家を失い、生きていく糧を失いました。
地震による被害の様子を知るにつれ、私たち東京外国語大学ウルドゥー語・ヒンディー語専攻の学生は、被災した人たちのために何か出来ることはないかと思い始めるようになりました。そして、当時デリーに滞在されていた藤岡恵美子さん(国際交流基金ニューデリー事務所長・小川忠氏夫人)のご協力を受け、東京で被災地カッチ地方の手工芸品バザールを開催することを決めました。

○バザール開催まで
インドでは、デリーを拠点とするNGOである Vrindavan(ヴリンダーヴァン)とDastkar(ダストカール)のショップにおける被災地支援セールから、藤岡さんが品物を集めてくださっていました。 春期休暇を利用してインドに渡航した学生10数名が、藤岡さんが購入して下さった品物や、自分たちで買い付けた商品を手分けして日本に持ち帰り、バザール開催の準備を進めました。 「バザール実行委員会」の打ち合わせは、2月9日に第1回を開催し、本番までに計8回行われました。

○東京スタジアムでのバザール
東京スタジアムにて

第1回のバザールは、3月25日(日)に東京スタジアムの「ビッグフリーマーケット」内で開催しました。当日は予想を大きく上回る数の方々にご来場いただき、1日で 94,900 円の収益を得ることが出来ました。スタジアム近隣にお住まいの方々をはじめ、中には「ネット上で情報を見て来た」という遠方からのお客様もいらっしゃいました。

○東京外語大でのバザール
新学期のスタートである4月10日(火)〜13日(金)には、東京外国語大学のキャンパス内でバザールを開催しました。外語大バザールでは、商品だけではなく被災した地域について多くの人に知ってもらうため、展示コーナーを充実させました。

展示コーナー

■写真家・沖 守弘さんのご厚意により拝借した被災前のカッチ地方の人々の生活を活写した写真の展示。
■ボランティアとして被災後のブジに入った、ウルドゥー語専攻4年・酒井ルミ子撮影の写真の展示。
■「伽゛耶」の松本裕美さんから拝借した大型パネル写真(沖守弘さん撮影)の展示。
■NGO「ブリンダーバン・ジャパン」を立ち上げた写真家・松本栄一さんと松田紘子さんから拝借した、3月中旬のカッチ地方を撮影したビデオの上映。
■カッチ地方で文化人類学調査を行っている金谷美和さん(日本学術振興会特別研究員/京都大学人文科学研究所研究員)からお借りした職人と染織品のデジタル画像のパソコン上でのスライドショー。

バザール初日の10日(火)には NHK 国際放送局のウルドゥー語、ヒンディー語、ベンガル語各班が取材のため来場し、翌11日(水)には実行委員長のヒンディー語専攻4年・児玉行親と上記のウルドゥー語専攻4年・酒井ルミ子のウルドゥー語・ヒンディー語によるインタビューを含む、バザール関連番組が南アジアに向けて放送されました。

最終日の13日(金)には、午後6時から115教室にて、京都からお越しいただいた金谷美和さんに「カースト・アイデンティティ、『手工芸』、ファッションとしての布 −− インド、グジャラート州カッチ地方染織職人の事例より」と題した講演をしていただきました。講演には70人以上の学生が集まりました。

2階バルコニーにて

バザール会場となった研究講義棟2階バルコニーは、休み時間には多くの人で賑わい、カッチ地方に住む人々の暮らしを知ってもらうと同時に、手工芸品を通して人々のぬくもりに触れていただく場所となりました。大学近隣の方々、遠方からいらしてくださった方々、教職員、学生等、じつに多くの人たちにご来場いただきました。
単に寄付金を集めるというだけでなく、「学内でこんな企画も出来る」という可能性を外語大の教職員・学生に示すことが出来たという意味においても、このバザールが果たした役割は大きかったと思います。

最終的に外語大バザールでは、4日間で 215,700 円の収益をあ げることが出来ました。また、売り上げの他にも、何人かの方々 から協賛金・寄付金をいただきました。店頭に設置した募金箱に も多くの方からのご寄付が集まりました。

○協賛金・寄付金をいただいた方々
東京外国語大学インド・パーキスターン語科卒業生の会
大沢章伸さん(34年卒)
浅川エリ子さん(33年卒)
荒柴雅美さん(U36年)
鎗田邦男さん(30年卒)
石井冴子さん(U43年)
麻田豊(ウルドゥー語研究室)(U47年)
萩田博(ウルドゥー語研究室)(U54年)
ご協力ありがとうございました。

○以下がバザール全体の収支報告となります。
★収入の部
売上げ総額
寄付金・協賛金総額
★支出の部
商品買い付け金
フリーマーケット参加費
広報
展示
送料・郵便代
===========
残高
 
310,600円
279,875円
 
112,900円
6,200円
3,790円
14,926円
3,970円
===========
448,689円

上記の金額はすべて「サラの会/西インド地震被災地の手工芸復 興の会」(代表:金谷美和)を通して、ニューデリーに設立され た Dastkar Kutch Craft Relief Fund(ダストカール・カッチ 手工芸品復興基金)に送られ、職人達の工房の再建や、技術トレ ーニングなどに役立てられます。
 
 ● 「インド西部大地震:被災地支援手工芸品バザール」実行委員会より
以下のホームページにバザール開催案内を掲載していただきました。
---「sharaab」さんのページ、「shaheen」さんのページ、「saraswati」さんのページ、石黒敦子さん代表の「Asian Textiles」のページ、「harasho」さんのページ、「NHKボランティアネット」、「インド通信」、「地平線会議」---
また、(社)日印協会の会報に開催案内を掲載していただき(森三喜さん<H36年>が仲介)、(財)日本・パキスタン協会には会報と同時発送されたチラシに案内を載せていただきました。
金谷美和さんには雑誌『民藝』の記事の中で外語大バザールの紹介をしていただきました。
その他、ミニコミ誌の「ギタンジャリ」と「恋するアジア」や朝日新聞多摩版「たまマリオン」等にも開催案内が掲載されました。
ブジでの取材をされたNHK外報部・尾原徹さんからは最新の被災情報をニューデリーからメールでいただきました。
皆様、ありがとうございました。

ここではお名前をあげることの出来なかった方々も含め、今回のバザールは多くの人に支えられて開催することが出来ました。もちろん、大事なのは「お金が集まった」ことではなく、「収益金が今後どのように役立てられるか」ですので、この点についてはまた随時報告していきたいと思っています。また、このような取り組みが一回限りで終わるのではなく、何らかの形で継続的に行われるようにできれば、と考えています。

ご協力いただいたすべての皆さまに感謝とお礼を申し上げます。
aap ke ta'aawun kaa bahot bahot shukriya.

2001年4月27日
「インド西部大地震:被災地支援手工芸品バザール」実行委員会
児玉行親(実行委員長)、星野裕子(商品管理班長)、中山庸介(広報・宣伝班長)、倉島秀行(装飾・展示班長)