自主ゼミについて



●自主ゼミって何?

 「自主ゼミ」とは、岡田昭人先生の下で学ぶ大学院生・学部生混合による研究会のことです。この取り組みは2008年度の後期に、学生から自発的に始められたものです。

 自主ゼミの主な目的は、自分たちの興味のあるテーマをより深く学ぶことと、学年、学科を超えて同じ興味を抱く学生との交流を深めることです。そこでは、焦点を絞ったテーマに関する活発な議論や、上級生から下級生への指導(もちろんその逆もあります)というように、週一回の普段のゼミからは得られない経験を得ることが出来ます。

 2008年度は「教育開発」と「外国にルーツを持つ子どもの教育(法律的な観点から)」というテーマで2つの自主ゼミ・グループが発足しました。ここではそれらの活動を紹介いたします。

●教育開発自主ゼミ

 私たち教育開発自主ゼミは、字の如く「教育開発」に興味を持つ4年生1人と、3年生2人から構成されています。2008年10月に開かれた最初の自主ゼミから、2009年2月に行われた卒論発表会まで、ほぼ毎週勉強会を開いてきました。

 最初は教育開発というテーマのもと集まった3人でしたが、共に勉強する時間が長くなるにつれ、将来の夢や留学について話すことも多くなり、勉強以外の場でも絆が深まっていきました。卒論発表会にて、私たちの自主ゼミから3年生2人が発表する機会をいただいたのですが、直前の一カ月間はかなり追い込み、本人たちは非常に大変だったと思います。

 しかし4年生の私はみるみる成長して行く2人の姿を目にし、本当にこの自主ゼミに参加して良かったと思いました。もちろん、私の卒論も彼女たちの助言無くして書き終えられなかったと思います。また、時々参加してくださった大学院生の先輩方、自主ゼミという新たな取り組みを諾し、応援してくださった岡田先生に心より感謝しています。

 来年度以降もこの自主ゼミが、岡田ゼミの伝統として引き継がれることを期待しています。

岡田ゼミ学部01期生 大島 里絵

教育開発自主ゼミの様子(岡田先生を招聘して)
●「自主ゼミに参加して」

 「自主ゼミ」が何をする場かもしっかり理解しておらず、興味本位で参加した第1回目自主ゼミ。その時から大島先輩、岩田さんと3人4脚での切磋琢磨の日々が始まりました。

 私達に与えられた課題は、後々の卒論執筆に向けて、「はじめに」の部分を執筆するというものでした。一見簡単そうに思えるこの作業ですが、経験の無い私には登ることの出来ない大きな壁のように感じました。案の定私は、まず第1歩の問題提起の段階で躓いてしまい、その後何度挫けそうになったか分かりません。しかし、大島先輩はそんな私を見捨てず、アメとムチを巧みに使い分け(大島先輩は本当に優しく、実際はアメが95%以上でした!)、最後の卒論発表会での発表まで導いて下さいました。

 4年生となり卒論執筆に対して更に現実味が増してきた今、正に現在進行形で卒論執筆中の先輩から、論文の書き方を教えていただくということが、どんなに恵まれた状況だったかと、改めて実感しています。また、勉学の技術に関することだけでなく、大島先輩をはじめ4年生、大学院生の先輩方と交流できたこと、切磋琢磨できる仲間を得たことは、私の本当に大切な財産となりました。

最後になりましたが、自主ゼミという貴重な機会を与えてくださった岡田先生、大島先輩、支えてくださった先輩方に心より感謝申し上げます。この経験は是非次へと繋げていきたいと思います。

岡田ゼミ学部02期生 野 衣久美
●自主ゼミ 『外国にルーツを持つ子どもの教育(法律的な観点から)』

 私たちの自主ゼミでは、4年生と3年生それぞれ一人ずつという環境の下、タイトルに書いたテーマを出発点に、広く「子どもの人権と教育」「教育をめぐる法」に関わる問題を扱いました。

 3年生の参加者は1人と極めて少人数ながら、関心は多岐に亘り、自主ゼミ開始当初は、教育法学全体を概観しながら明確なテーマを見つける努力をしました。その中で、内申書の法的地位というテーマに辿り着きかけました。しかし、読書量が本当に多い彼は、リサーチをしながら新たな問題に気付きテーマが二転三転し、年が明けて、何とか、戦後日本の教育学界、教育法学界の重鎮である堀尾輝久博士の代表的著作の書評に決まりました。

 テーマの決定に長い時間を要しましたが、結果的には幅広いリサーチの中で、多くの文献や資料に触れ、知識を蓄えていたようです。ほんの少しの疑問さえ放置しない3年生の姿勢に強い感銘を受け、私自身卒業論文の執筆を進めるに当たり、大きな力となりました。

 最後に、自主ゼミの中で得たものが後輩の今後の研究の肥やしとなることを望むとともに、先生はじめ貴重な助言を下さった先輩方、そして自主ゼミ参加者へこの場を借りてお礼申し上げます。

岡田ゼミ学部01期生 佐々木 亮