東京外国語大学 大学院 博士前期課程
朝鮮語専攻 入学試験問題より

1998年度
全6問のうち2問のみ           29 June 1998

T)次のテーマのうちから1つを選び,そのテーマで朝鮮語について論じなさい.

* 格                                        * 相(アスペクト)
* 時制(テンス)                         * 法(ムード)
* 受身(受動)                           * ダイクシス
* 不完全名詞                           * 副詞
* 待遇法                                  * 疑問形
* 連体形(冠形詞形)                  * 接続形(副動詞形)
* 動詞のクラス(下位範疇)          * 従属節
* 分析的な形                            * 単語結合(連語)
 

U)次の文章を朝鮮語に訳しなさい.訳文は数字や漢字を使用せず,すべてハングルで表記しなさい.

1) 熊野にいて熊野の事情を考えるとやたらに腹立たしくなり,不快になり,それを癒すように思いついて車に乗る.
2) 「語音翻訳」は169個の琉球語の項目からなるが,これはハングルという表音文字で精密にあらわされた琉球語の最古の資料として価値が高い.
3) 発表要旨の3ページ目,下から5行目にあります「なすことは興味を引くが,なされることは興味を引かない」という例文は,ここではちょっと適切ではないと思うのですが・・・.
4) 郵便局といふものは,港や停車場と同じように,人生の遠い旅情を思わすところの,魂の永遠ののすたるぢやだ.
5) 誰一人知る人もいない人込みの中をかき分けて行く時ほど,痛切に孤独を感ずることはない.
6) 「汝,何をか好む?」と孔子が聞く.「我,長剣を好む.」と青年は昂然として言い放つ.
7) 年を取ることは,何の秘術でもない.老年に耐えることは,秘術である.
8) 「雨の音が聞こえる」「起きてたの」「ああ」「一日中降り続けると思うわ」「死んだような気持ちだ」「だるいのね」「二日酔いだ」
9) ふと気がつくと唇と唇が意外に近くにあったので,そうするのが当然のように私たちは接吻した.
10) 何事に付けても,希望するのは絶望するのより良い.可能なものの限界をはかることは,誰にもできないのだから.

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