アメリカ軍のバクダッド侵攻が報じられています。一日でイラク側の死者一〇〇〇名、アメリカ軍の死者一名だそうです。だからアメリカは安心して戦争ができる。死ぬのは「敵」だけだから。イラクが大量破壊兵器を所持するのを防ぐ、というのがアメリカの戦争のひとつの口実ですが、どちらが大量破壊や大量虐殺をしているかは明らかです。


 わたしがこのアメリカの戦争に反対するのは、「反戦思想」や「アメリカ帝国主義」批判のためではありません。そうではなく、二一世紀の世界の運命が巨大な軍事力によってのみ決定されるという事態を容認できないからです。精密機器の誘導で「敵」は精確かつ効果的に破壊され、こちら側には被害がない。そうすれば「戦争」も自由にできるし、世界改造も思いのまま・・・。そんな恐怖の破壊力を手にした連中が世界を自由にする。それこそが「テロル(恐怖)の支配」です。


 サルの群れでは、もっとも強力なボスが独占的に群れを仕切ります。力をもつ者の意思が「法」です。けれども、人類はそれとは違う仕組みを徐々に発達させてきたはずです。日常生活でも、力をもつ者が一方的な独善を振るうことを、人びとは認めないでしょう。ところが今のブッシュのアメリカがやっていることは、あらゆる「文明」の成果を反転させて、二一世紀の人類の世界をサル山状態に帰そうとするにも等しいものです。


 そのやり方は国際社会の間だけではなく、社会関係の内部にも反映されてくるでしょう。自分さえ無傷なら、従わない者は排除する、自分の「文明」を守るためには「敵」はどれだけ抹殺してもいい、そんな考えが人間社会の原理になるようなことは、いくらなんでも願い下げです。


(沖縄4・12連帯集会へのメッセージ) 

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